悩み

本日、久しぶりに生徒の保護者との学習相談的な面談がありまして…。

ま、簡単に言えば「塾に通っているのになぜに成績が上がらないのでしょうか?」というごもっともな相談でして…。

一応、軽く生徒の状況だけを説明差し上げると…。

現在中2生。

昨年冬から入塾。

入塾前、五教科合計で200点を切るレベル…。

入塾の動機「親に行けと言われたから」…。

ま、典型的っちゃ典型的です。

こういうことを書くと、「Mさんのところはそういう下位生は切っちゃった方が経営的に良いですよ!」という説得力抜群の意見もいただくのですが…。ま、彼もですね、それなりに頑張ってくれているわけで…。いや、ホント、入塾前のやる気ゼロ状態だったら、速攻で塾を追い出していますけど、授業は休まないし、補習も来るし、宿題もクソ汚い字ですけど、やって来ますし…。

私としては何とかしてやりたい、というのが今も変わらない気持ちなのです。

ただやっぱりね、もともとの穴が奈落の底のように空いてるわけです。小学6年間、いや、幼稚園の時代からの穴がズコーん!と空いているわけです。底が見えんのですよ…。

正直、今回の面談希望のお電話をいただいたときに、相棒講師と顔を見合わせて「いやいやいや、まだまだまだまだ点数上げるの無理っしょ!?」って言っちゃう感じで…。

ま、そのあたりのことを今回はテーマにしていきます。

これだけは言っちゃダメ!

ダメ講師

このレベルの生徒に関しては、入塾面談で絶対に言っちゃいけないワードがあると思うんですね。

それが「大丈夫ですよ。」「頑張れば成績は上がります!」とか根拠もない励まし。

いや、マジでまともに学習塾講師やってるんなら、この状況が大丈夫だなんて絶対に言えないですよね?

(それか相当の覚悟をもって来てくれた生徒・保護者全員に少しでも希望を持たせるために「大丈夫です。」と言い切る偉人的塾講師くらいかと…。確かにそういう講師になれれば、ホント理想的ですけど。以前にがん専門医の方の話も書いたような気がしますが…。)

少なくとも私のような凡人講師、凡人経営者はこのワードは、このレベルの生徒の入塾面談では言わないのが定石。

だって大丈夫なわけないんですから…。

「大丈夫」「必ず成績を上げます!」「基本から教えていけば勉強も楽しくなります。」

根拠のない希望的観測…。私の塾では絶対に言いません。

成長線と学校授業線の現実をはっきりと説明しておくこと!

当たり前のことですけど、学校の授業だってどんどん進んでいくわけですよね?どんどん進んで、どんどん難しくなっていく。

中2の現時点での学校の授業の難しさが100だとしましょう。で、その新入生の力が5だとしましょう。

まず、この95を埋めないことには点数は変わらないわけですよね。

じゃ、毎日毎日5ずつ勉強していけば、95÷5=19日で追いつくのか、というと全然違いますよね?

だって学校の授業だって毎日毎日5ずつ難しくなっていくわけですよ。

だから毎日5ずつの勉強じゃ、いつまでたっても95の差がついたまま、本人は今まで努力をしてこなかった分、毎日5ずつの努力でもそれこそ超頑張ってるつもりかもしれませんけど、点数は一点たりとも変わらない。いや、むしろ現状維持できれば御の字レベル。

追いつきたいんなら最低10の頑張り。それでも、学力下位層は忘れるスピードも早いから3は忘れる、結局10-3=7にしか積み重ならない。自分自身の限界突破の10頑張って7の歩留まり。つまり、学校授業との差は超がんばっても一日2ずつしか縮まっていかない。

この厳しい現実。この厳しい現実を入塾段階ではっきりと説明しておくこと。じゃないと親も子供も心が折れる。いい意味であきらめがつかない(「成績を伸ばす魔法などこの世にないんだよ」というあきらめ)。長い視点で希望も持てない。

この現実の中で結果を出すんですから、相当の努力量が必要だってことは当たり前なんです。当たり前の現実を伝えないといけないんです。毎日塾に来ることなんて当たり前。怒られることなんて当たり前。補習、再テストなんて当たり前中の当たり前。

それでも自己革命(改革どころじゃなくて)が3回くらいないと成績なんて伸びませんよ、と。

夜、遅くまでスマホいじってたのが、塾のために早く寝るとか。学校の授業を適当に受けていたのが、まじめに聞くようになるとか。ノートをほとんど書かなかったのが、きっちり書くようになるとか。

勉強だけじゃなくて、自身の考え方とか生活態度とか、そういうものが変わるような自己革命も絶対に必要。

覚悟決めて全員に希望を持たせられる言葉を言えるほど優れた塾講師じゃない私は、ここはホントにかなり念入りに伝えています。正直、「それでもこの塾に入る!」という覚悟を保護者にも生徒にも持ってもらわないと、とてもじゃないけど成績なんて上げられないんです、私の力では…。

学校授業線と成長線の関係
考えてみれば当たり前のこの理屈を意識していない生徒や保護者が非常に多い。塾に行く、魔法にかかる、いきなり別次元の自分が現れる、なんてことは絶対にないのに…。
成長線と学校授業線
相当の努力を重ねても、いついつまでに成績が上がるなんて保証はできない。極論、入試に間に合わないなんてことだって普通にあるのだ。

点数が出ないことに同調するような講師はマジでダメ。

ただ、残念なことに入塾段階で口酸っぱくこの理論を説明していたにも関わらず、それが分かってもらえてない場合があり…。ま、今回の面談がまさにそのパターンなんですけど…。

保護者様に言われるわけですよね。

「あれだけ塾に言ってるのに点数が上がらないのはなぜでしょうか?」と…。

ま、結局、入塾段階の説明を繰り返すんですけど。

で、ここで保護者に同調して、生徒のコレコレこういうところが足りない、コレコレこういうところがダメ、だから家でもコレコレこういうことをやってください、なんて点数が上がらないって部分に焦点を合わせちゃう講師ってマジでダメ。

いや、我々塾講師って点数で判断されてしかるべき存在だと思いますよ?点数とか、志望校合格とか、そういう結果、形で判断されるからこそ、仕事に身が入るし仕事に差が出る。「生徒が頑張ってる、点数に出てないけど成長してる」なんてことで逃げちゃダメな存在であることは重々承知なんですよ。

でもね、このケースはそれに同調したらダメ。生徒が可哀そう過ぎる。我々は結果で判断されて全然いい。でも、保護者だけは結果がじゃなくて頑張りとか、その子の成長を認めてほしい。その保護者が結果しか見ていない状況、我々も同調して結果だけで塾講師然として保護者にアドバイスをしたとして、その生徒は救われますか?いや、ほぼ終わりでしょう?頑張ってるのに、前進してるのに、親は認めてくれない、塾の先生も親に合わせて都合良いこと言ってる…、それでこの先頑張れると思いますか?まず、やる気をなくしますよ。成績なんか伸びるわけない。

点数にまだまだでないけど、その生徒がホントに努力している、そして少しずつ成長している、そういうケースでは私は保護者の点数で判断する姿勢に絶対に同調しません。もちろん言いますよ、点数にならないことは申し訳ないって。我々の力不足は認めますって。それが不満で塾を変えるという選択にも全然納得しますって。ただ、本人の頑張りとか、成長は絶対にあって、じゃこれ以上追い込む何かを家でやってくれとは言えませんよ?って。潰れますよ?って。そのくらいやっても穴が埋まらない現実があるんです、って。

入塾以来、週5で毎日3時間、ときには別室マンツーマンで怒られながら勉強してきたヤツを誰かが評価しないと、それは切なすぎるって話じゃないですか。いいんですよ、我々は幾らでも点数で罵られようがが何されようが。実際、点数は出てないんだから。でも、誰かが頑張りを認めないと、って場合に、親がそれをしてくれないなら我々がやるしかないのかなって。そいつの今後の成績アップの希望のためにも。


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