保護者からのメール

ブログ読者からのメールですが、最近、私なんかよりも全然売れていらっしゃる、経営者としても何段も上の方からメールをいただくことが増えてまいりました。

このような方々が読んでいらっしゃると考えると、あまりいい加減なことは言えないな、と…。

でも、いい加減じゃないことは元々言えないので、やっぱりいい加減でもガンガン発信することにしていますが。

そのメールの中の一つで、「正社員講師の給料をどうしているか?」という内容のメールをいただきました。

あまり、具体的に書くと失礼にあたるので数字などは伏せますが、その方の塾では「零細塾では頑張っている給料」を支給しているとのこと。(私からしても、その方は零細塾ではしっかり給料を出している方だと思いました。)

しかし、それにも関わらず、昇給をせがまれ…。

いや、この塾長先生だって、その講師の能力が塾に必要不可欠なら、何もそんなに悩まないと思うんですよ。

わざわざ私のようなヤツにメールを送ってくれたからには、その講師の能力と給料と今の塾の現状と…、いろんなものがのしかかって悩まれているんだと思います、お察しします!

零細個人塾の正社員講師の給料…、なかなかにニッチな話題ですがニーズは確実にありそうなテーマなので書いてみたいと。(正社員講師を雇っている個人塾経営者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ忌憚なき意見を頂戴したいと思います!)

学習塾講師の平均年収はいくらくらい?

経費

コレは以前の記事に書きましたので、詳しくはそちらで。

「学術研究、専門・技術サービス業、教育、学習支援業」

10人未満の事業所の平均年収が3,121,000円。

30以上の事業所の平均年収が3,611,000円。

1000人以上の事業所の平均年収が4,154,000円。

全体の平均年収が3,900,000円。

ま、現実は悲惨なんですよ…、じゃんじゃん給料出せるくらいなら零細塾でとどまってないし…。

そもそも満足する給料とはいくらなのか?

で、われわれ経営者サイドからすると思うわけですよ。

世の中の零細個人塾の平均年収が310万円程度なんだぞッ!

その中にあって、ウチはこれだけ出しているんだぞッ!

ありがたく思えッ!

って…。いや、ホント、その気持ちはよ~く分かります。

ニュースで流れますよね、「今年の春闘でベアがどうのこうの…」「夏のボーナスの平均は〇か月…」

いやいやいやいや、それを世の中の常識と捉えんじゃねぇ~よッ!

大企業の平均を拡散して、さも世の中そうなってますよ、みたいな雰囲気にさせんじゃねぇ~よ!

私も含め、世の零細企業の経営者はみんなそう思ってると…。

ただですね、じゃあ「零細企業だからコレしか出せない」「零細企業だから賞与は出ないのが普通」「統計的に従業員10人未満の学習塾はこうなっているんだから。」って従業員に提示して、納得させることができますか?という話。

それはそれで、従業員側からしたら関係ないじゃないですか。

従業員側からしたら、「あぁ、零細企業の平均はこんなもんだから、自分の給料がこんなにも少なくても納得♪」なんて思わないですよね?

従業員がなんで給料に不満を抱くかって、別に零細企業の平均を知らないから、大企業の給料を伝えるマスコミに踊らされているから、そういうことじゃなくって現状もらってる給料じゃ生活が厳しかったり、買えたいものが買えなかったり、行きたい場所に旅行ができなかったり、現実問題、満足できる金額じゃないからってことなんですよね。

そしたら、やっぱりもっとたくさんの給料を払うしかない…。って結論になっちゃいますよね?でも、零細個人塾に払えるだけの金なんてそうそうあるもんじゃないです。

そもそも満足する給料っていったいいくらなんでしょう?30万円なら満足ですか?でも、そのかわり、一日13時間労働、年間休日60日でも満足ですか?26万円だと絶対に満足できませんか?1日8時間労働、年間休日120日、有給義務化にもきっちり対応している、どうでしょうか?

結局、お金の部分で満足不満足を考えると、決着点を見ないような気がするんです。もちろん、必要最低限、これくらいはないと生活できないって部分は人それぞれあると思うんですよ。家族がいたり、一人暮らししてたり。

でも、たとえば遊びたいとかモノを買いたいとか、その部分を満足と捉えはじめたら、人間の欲望は際限がありませんので満足できる給料なんて永遠にやってこないことになりますよね?

満足できる給料ってのは、結局、使用者側と従業員側の「これなら許せる」って妥協点の一致なのかなって。使用者側だって世間の相場どうのこうの抜きで「コイツに辞められたら困る」って状況であれば給料は上げざるを得ないだろうし、従業員側だって「この職場は気に入っているからこのくらいの給料でも辞めないでいた方がいい」ってなれば留まるだろうし。その気持ちの一致点が、お互いに満足できる給料なのかなって。

じゃ、それって「給料」だけの問題か?という話になって、私は「給料」だけの問題であれば、まず零細個人塾に採用とか、勤務継続って面で勝ち目はないと思います。だから私はハナからあきらめてます。「金」の部分が不満で辞めるんだったら、もはや止める手段は何一つないって。

満足できる給料かどうかは「金」の部分だけじゃないって。「金」以外の部分で、どうにか「金」を補う満足を与えることができるって。そう考えないとやってられない。そう考えないと、いつまで経っても「給料上げろ、上げなきゃ辞める」って強迫観念から逃れることができないって。

ダメなヒトダメなヒト

おにぎりでも作るのか?

一番は休日ですよね。学習塾業界にはあり得ないレベルの休日数。そして労働時間。深夜に及ばない終業時刻。一日8時間労働。お茶とかお菓子とか、そういうちょっとしたものを自由に飲食できるように教室に常備しておいたり。懇親会とかイベントは全額会社持ちにしたり。普段の仕事中からバカ話したりしてコミュニケーションを取ったり。

自分が出せる給料で満足してもらえるように、「金」以外の満足度をギリギリまで高めていくイメージ。

ダメなヒトダメなヒト

そんなに従業員に媚びて大丈夫か?

いやいやいや、私は一切媚びないですよ。ダメなものはダメって言いますし、怠慢してるヤツは容赦なく怒ります。コレは媚びるってこととは全然違うんです。「金」で満足にこたえられない分、そのほかの部分で払っているって考え方なんです。

満足する給料とは?

Mr.M的初任給の考え方

もしかしたら、世の中の個人塾の先生方が欲しい人材って、多くが即戦力だったりするのかもしれません。そうすると初任給とか、よりシビアに考えなきゃいけなくなってきますよね。

私は違うんですね。私の理想は新卒採用です。若ければ若いほどいいって考えています。

その理由は2点だけ。「変われる」って部分と「明るい」って部分。

もちろん、歳をとっても変われる人もいるかもしれません。でも、自分自身の鈍化を考えたり、若いアルバイトの成長力とか見てたりすると、ホント若い奴ってどんどん変わる。で、自分は致命的に変われない。

で、なんで「変われる」って部分が大事なのかって言うと、自分の塾に必要な人間になってくれるじゃないですか。歳をとればとるほど自分ってのがホントいい意味でも悪い意味でも強固になってきて、会社の方針に対して「いや、それは違う。」とか、「俺はそういうことはやりたくない。」とか、ヤバい人だと「教育ってそういうもんじゃないんじゃないですか?」みたいな…。

若い人ほどそういう部分がない。私はそこにすごい価値をおいてるんです。

で、もう一つは「明るい」って部分。もちろん、性格的な違いはありますよ?でも、たとえば同じ程度の性格の暗さを持った22歳のAさんと35歳のBさんじゃ、全然違う訳ですよね。22歳のAさんはいくら性格が暗くっても、そこはやっぱり若さゆえの明るさが必ずある。フレッシュさというか。

学習塾って若者相手にやる商売なんで、「明るい」って要素は超大事だと。あとはどんな店でもプラスの空気感がないとお客様は来ないって考え方を私はしてるんで。35歳以上で暗い、とかなると本当に店の空気をマイナスに転落させるレベルで根っからに暗い人とかいますからね…。(若ければ、店の明るさに影響されてプラス空気感に転じる可能性もありますが…)

ということなんで、私の理想は新卒採用なわけです。ということは、理想の新卒採用に合わせた初任給の設定をするわけです。

塾講師としての経験値、能力、年齢、もちろん採用の是非って部分では少しは考慮する部分はあるかもしれませんけど、給料の部分では全く考慮しません。別に塾講師歴が20年あろうと、年齢が50歳だろうと、私が求めているのは「変われる」って部分と「明るい」って部分ですので、新卒採用と同程度の給料しか提示しないんです。(ま、だからなかなか応募に来ないんでしょうけど…)

私が多少考慮するのはその方の「事情」だけですね。家族がいれば多少その部分の手当てを出したり(ただ、私の給与設定で家族持ちの人が応募することは稀ですけど)、当たり前ですけど通勤手当を出したり、そんな程度です。

※特に私は塾講師としての経験は本当に初任給に反映させません。経験はプラスに転じることもあれば、マイナスに転じる可能性も十分あるからです。結局、その方の塾講師の経験が全く私の塾の方針に合ってない場合、私の塾全体に悪影響を与える可能性もある。だったら、講師経験ゼロの人の方がいい、なんてこともあり得る。

Mr.M的昇給・賞与の考え方

正社員に限らず、私はアルバイトにも最初は給料はそんなに出しません。(というよりか、かなり低い金額設定です。)

ただし、塾に対して貢献をしてくれたスタッフに対しては、最大限に評価してできる限りの昇給をするようにしています。

アルバイトで言えば時給を100円あげることも普通にあります。正社員で言えば、1年で15,000円程度あげることもあります。(もちろん、スタートが低いんでそういうことができるんですが。)

やっぱり人って自分が頑張ったことに対して目に見える評価をもらえると嬉しいと思うんです。会社への愛着を持ってくれると思うんですよね。

確かに最初の設定で給料提示が低いと人が集まって来ない可能性は高い。やっぱりすべてが同程度であれば、1円でも高い方がいいのは当たり前ですから。でも、200,000万円提示と210,000万円提示で応募してくれる人の数ってそんなに変わるでしょうか?応募者の能力とか年齢がそれほど変わるでしょうか?

たとえば200,000円提示のときには応募者が月3人程度で平均50代以上であったのが、210,000円になったら月5人で平均40代以上になるでしょうか?1万円程度上げたって能力が高くて若い人が応募してくれるようになるとは思えない。じゃ、2万円?3万円?…って、金額ゲームに入り込めば、もう我々零細塾なんて勝負できない領域に入り込んでいくわけです。

なんというか、生徒募集も価格競争じゃ大手塾に絶対に勝てないじゃないですか。それと一緒で給料だって価格競争したら、大手塾とか他の業界には勝てない気がするんですよね。

だから私は応募段階(初任給)の時点では価格競争はしない。この給料でも来てくれる、という人を探します。もうそこは、自分の塾の給料以外の魅力を感じ取ってもらってそこに賭けてもらうしかない。で、実際に働き始めて貢献度が高い人なら私だって辞めてもらっちゃ困るんで、それなりに昇給するし賞与も頑張る。「あ、頑張ってよかったなぁ~。」ってそれで満足してもらうしかないかなって。

ま、何か最後はありきたりの結びになっちゃいますけど、しょせんは零細個人塾です。結局はスタッフ全員が私の気持ちとか状況とかを分かってくれているかって部分に尽きるとは思います。「あぁ、今年は生徒が少ないから、塾長もそんなにはボーナス出せないよな~」「スタッフ増えたり、教室拡大したり、いろいろあったから金も厳しい部分があるよな~」そういうことを分かってくれているかどうか。自己都合を押し通す前に、塾の都合をどれだけ考えてくれているかどうか。ま、その部分も普段のコミュニケーションがものを言うとは思うのですが…。

成果報酬型給与体系案(ブログ読者様の塾の場合)

以下は2019年5月29日に追記しました。

ブログ読者の方から、ウチはこういう給与体系です!というメールをいただきましたので紹介させていただきます。(数字など一部変えてあります。)

基本給190,000円+歩合

<歩合の内容>

生徒数80名突破で月給+25,000円

生徒数100名突破でさらに月給+25,000円

生徒数120名突破でさらに月給+25,000円

生徒数140名突破でさらに月給+25,000円

※たとえば卒業生が抜けて生徒数が80名を下回ると歩合給は消滅し、基本給のみに戻る。

というような感じらしいのです。何かすごい先進的というか、スタッフの人も覚悟が座っているというか…。自分が頑張らないと、自分の給料が少なくなるって思えばみんな頑張ってくれそうですが…。なかなか覚悟がないとできない給与体系ですよね。