悩み

静かで暗い生徒、いわゆるシャイな生徒への対応って難しいですよね?

とくに経験が浅い講師なんかは苦戦すると思います。

塾講師になりたての頃を思い出すと、私もそうでした。

いやぁ~ホント、ひと言話しかけるのも憚られるようなトラウマ的生徒も思い出します…。

今ではいい思い出ですけどね。

そういう生徒とのやり取りを通して、塾講師って力をつけていく部分、かなりありますから。

今回の記事は静かで暗いシャイな生徒に対して、経験が浅い塾講師ってこういう対応するよね。

で、やっぱりそういう対応していると、生徒の信頼は勝ち取れないし、結局成績も大して上がらないし、そして講師自身の力も伸びないよ、という話。では始めましょう。

静かで暗いシャイな生徒の言動

静かで暗いシャイな生徒ってどういう言動をするか。いや、ここは勘違いしないで欲しいんですけど、性質的特徴というか性格というか、そういうところにまで踏み込んだ話をする訳じゃないですからね。

何かね、シャイな生徒の特徴、って具体的にズラズラ並べて紹介しているサイトもあったんですけど、「読書が好き」とかね、「一人でいることが好き」とかね、「一人のルールが確立してる」とかね…。

そんな馬鹿な!と思うわけですよ。いやいやいや、シャイな奴で読書嫌いな奴たくさんいるだろ?社交的で読書好きなヤツ、ゴロゴロいるだろ?一人でいることが好き、なんて誰だって一人になりたいときもあれば、誰かと話したいときもあって、それは別にそいつの性格でも何でもなくて、気分の変化で人間だれしもそういうときがあるって自然現象だろ?みたいな…。

私はこういうシャイな生徒=〇〇、みたいな人の性格とか主義主張を偉そうに勝手に決めつけるくだらないカテゴライズは大嫌いなので、そういうことを言うつもりは全くない。

ま、私が新人講師時代に苦戦したいわゆるシャイな生徒って、こういう言動をするよね、って話。単純にこっちが話しかけたときに、こういう言動をされると結構つらいよね、ということ。

目を合わせない

話しかけても目を合わせてもらえないのは、結構きつい。

カテゴライズ大好き人間って平気で「〇〇さんは恥ずかしがりやだから」とか決めつけるんですけど、いや、「ただ単にお前が嫌いだから」って可能性も十分ありますからね。

ということを考え始めると、そりゃもうさらに話しかけにくくなるわけで…。

一生懸命話しかけても、ずっと下をむいているとか…、あぁ、俺の話、どうでもいいんだなぁ~と空しくなるんですよね。

声を出さない

何か質問しても、声を出して反応してくれない。ギリギリの反応が首を縦にわずかに降るとか。

Noのときは首を横に振る?いや、横に振る作業はしてくれんのです。信用ならない若き日のMr.Mごときに彼らは首を横に振るという手間はかけてくれない…。

Noのときは何も動かない、もしくは首を少しだけかしげるだけ。

質問をしない

分からなことがあっても絶対に質問なんかしてくれない。

分からない問題があっても手を止めて待っている。で、こっちが「どの問題が分からないの?」とか言っても、それを教えてくれることもないので超困ったりするんですが…。

ギリギリでも、その分からない問題をペンで指すとかね…。なんかブラック企業の上司から無言で指差し命令されているかの如く、汗ダラダラになっちゃうんですけど。

経験の浅い塾講師にみる対応

塾講師ウソつかない

さて、こんな静かで暗いシャイな生徒たちに若き日のMr.Mはどんな対応をしていたのか。

なぜか言葉遣いが丁寧になる

まずね、なぜか言葉遣いが丁寧になるんですよね。

たとえば普通の生徒に対してのモード⇒「分からん問題があったら、質問してくれい。」

静かで暗いシャイな生徒⇒「分からない問題があったら質問してね。」

みたいに…。

すっごい気を遣っているんですよね。でね、気を遣われると人って絶対に本心見せないじゃないですか。いや、他人にそうやすやすと本心を見せる人間なんてそうそういないですし、本心見せてもらう必要は別にないんですけど、少なくともちょっとは考えていることとか、見せてもらわないとね。なかなか勉強を教えるのって難しい部分がある。

なぜかYes/Noの質問しかしない

相手が声を発さないことが分かっているので、首のうなづきだけで済むような質問しかしなくなるわけです。

質問しているのに反応がないときほど、空しいこともないですから…。

ま、生徒に対して萎縮しちゃっているわけです。弱いんですよね。

で、弱い相手に敬意を払ったりするなんてことはないわけで、当然、舐められるわけです。いや、シャイな生徒ですから、面と向かって舐めた態度とらないですよ?でもね、無言で見下しているんですよ。

コイツ情けねぇ~な。って…。

だから分かりにくい説明とかしちゃうとイライラするんですよね。で、なぜかイライラしている様子だけはよく分かったりして、さらに萎縮しちゃうんですけど。

なぜか授業中に指さない

これは集団指導に関してですけど、シャイな生徒は指名しないんです。シャイな生徒に質問しないんです。もうね、遠慮、萎縮、そんなんが全部のしかかってるんで、当然ながら発言してくれる生徒に逃げちゃうわけですよ。

1対1のときなら、まだギリギリでYes/Noで応えられる質問をしているのに、集団になるとそれすらもふらない。

だって、恐いんですもん…。集団指導でその子を指したときに訪れるであろう、地獄の沈黙が。

「〇〇さん、この質問の答えは?」

「・・・」

「あ、え、えと…、分からないかな?ココを見ると、ヒント何だけど…」

「・・・」

「最初は、”お”から始まる言葉…、というか、人の名前なんだけど…。」

「・・・」

「…お、お~だ?」

「・・・」

「…お、だ、の~?」

「・・・」

「…おだのぶな…が。織田信長だったんだけど…、難しかったかな?」

何て言う一人芝居が想像できちゃいますもんね。そりゃ、経験乏しい塾講師じゃ耐えられない訳で…。

普通に接するのがベスト

覚悟

これは教育評論家的な答えではなくて、塾講師として、成績を伸ばすって観点で言うとして、という話になります。

普通に接しましょう。

静かで暗くてシャイな生徒であろうと、普通に指名するし、普通にツッコむし、普通に怒る。

もちろん、教育サービス業ですから答えにくい質問を連発するとかはしませんよ?多少は答えやすい質問をふるようにはします。集団授業全体のリズムもありますから。(難しい問題は、それなりの上位生を指すのと同程度の区別はつけるということです。)

でも、指す頻度は変わりません。シャイだろうが指すときはさします。ツッコむときはツッコみます。

さっきの織田信長の質問だって普通に問いかければいいんです。何か気を遣った口調で言うから答えてくれない。

「〇〇さん、はい、ココの答え、カモン!」

「・・・」

「ノート見ろ、ノート。書いてあんぞ。はい、あと5秒。5、4、3、2、1、おだのぶな…」

「が?」

「はい、OK!」

みたいな感じで。こっちは授業を進めるのを優先するんだよ。こっちはキミ一人に気を遣ってる場合じゃなくて全体のリズムを気にしてるんだよ。キミもその一員として当然適切な態度で授業に参加しないといけないんだよ。

というようなことを要求するわけです。それはもう強烈に要求する。

するとね、静かで暗いシャイな生徒も一生懸命応えてくれるもんなんです。

お客様に対して気を遣え?気を遣ってるからこそ普通に接するんです。普通に接することで、その生徒の成績が伸びやすいから、普通に接するんです。

静かで暗いシャイな生徒に対して、それに合わせて接するってのは、その生徒に気を遣ってるんじゃなくて、失敗して傷つきたくないって自分自身を守りたいだけなんですよ。それはプロじゃない。教育サービス業の従事者として、素人と言われても仕方がない。

笑って言いたいことを言えた方が楽しいのは当たり前

以前に勤めていた講師で、私にこういった人がいるんですね。

「〇〇君は誰かに話しかけられるのが嫌なタイプだと思うんですけど…」

アホ言うな、と。そんな奴、いるかい?と。そりゃ、おめーが〇〇君に話しかけて無視されるのが怖いだけだろう?と。

一人でいるのが根っから好きな人もいるかもしれませんよ?話しかけられるのが嫌いな奴もいるのかもしれませんよ?

でもね、仮にそんな生徒がいるとしたら塾なんか来ないって。家庭教師だってあるんだし、今の時代、パソコンの教育サービスだってゴロゴロあるんだから。そんなに嫌なら、絶対に塾なんかに来ない。

私が強烈にそう思う理由は自分自身なんですよ。私は中学生のとき塾に行ってなかったですけど、ま~絵にかいたような中二病にかかった中学生だったんですね。ひねくれてて、他人を見下してて、まさに「話しかけんじゃねぇよ」みたいなオーラをまとった中学生だったわけです。

でもね、本当は皆と笑ってバカ話して、言いたいことを言うような時間が一番楽しいって分かってたんですよ。だってね、外じゃできないから家の中で、超親しいわずかな友達の中では、いつもそうだったんですから。

単純なんです。人間なんてほぼ全員、笑って言いたいこと言ってバカ話でほうが楽しいんです。で、楽しい方が頭は働くんです。辛いことも耐えられるんです。

静かで暗くてシャイな生徒 ⇒ 気を遣って腫れ物に触るかのように接する ⇒ 生徒はさらにそのキャラを演じるようになる ⇒ さらに気を遣わなければいけなくなる…

ま、この状況で成績なんて伸びるわけない。

勘違いしないでください。「心を開いてくれよ。」なんて要求は必要ないんです。そうじゃない。

俺の授業に合わせろ、と。俺の授業に合わせて、お前はこのチームの一員としてしっかり仕事をしろ、と。多少暗いのは知っている。それはクラス全員が分かっている。その暗いキャラとして、きっちりできる限りの受け答えをして、集団の一員として機能していくのがお前の役割だろ、と。そのキャラをみんなに認めてもらって、自分自身も楽しい時間を過ごした方が、自分の成績も伸びるだろ、と。

だからこそ、集団指導の講師ってのは力がないといけないんですよね、誰にも何も言わせない力とか自信。最初は難しいのは当然なんですけど。結局、勉強して経験積んでって部分になっちゃいますけどね。静かで暗いシャイな生徒を克服するのも。

ただ、「〇〇君は誰かに話しかけられるのが嫌なタイプだと思うんですけど…」なんてアホみたいな逃げを打つことだけはないように。自分自身が成長しませんから。生徒の性格を、自分自身の甘えの言い訳にするなんて最低ですし。

生徒が静かで暗くてシャイであろうと何だろうと、自分自身の授業をやり切れるようになる。コレができるようになると、集団指導ってメチャクチャ面白くなるかと。自分もようやくそう思えるときが、ちょこちょこあるって感じですが…。しょせんは私も、集団指導経験15年程度のペーペーなので…。