利益確保のために2校舎目開校を考えるべきか?

保護者からのメール

今回の記事は読者メールから。

相談内容は以下の通り。

現在、自立型個別指導塾を経営。本部から出されていたシュミレーションの客単価が甘く、思うような利益が出ていない状況。教室面積の関係から、生徒が埋まったとしても大きな利益増は難しい。

利益を増やすためにも2校舎目の開校を考えた方が良いか?

ということなんですが…。

私の提案は今よりも面積が広い物件への教室移転だったんですね。相談者様の自己資金がどれほどあるのか、など、分からない部分が多いのであくまで私の個人的常識というか、私という貧乏経営者の枠内での考え方にはなっちゃうんですが。

2校舎目の開校と教室移転、それぞれの選択のデメリット・メリットを考えてみたいと思います。

2校舎目開校の場合

デメリット

人件費がかかる

2校舎目に教室責任者が必要になりますよね。誰か雇わないといけない訳です。そうすると単純に人件費が発生する。まさか2校舎目の責任者をアルバイトにする訳には行きませんので、正社員雇用が前提になると思うんですけど、そうすると社会保険などを含めると少なくとも25万円くらいは人件費だけで出て行くわけですよね…(相当、給料を抑えたとしても)。

利益が思うように上がっていないという状況で、人件費25万円は痛すぎる…。

人材育成の手間がかかる

2校舎目の教室責任者に研修をしないといけないですよね。単純に手間がかかりますし、さらに勤務地が自分のいる校舎と違うため、自分の仕事ぶりを見せるのも難しくなります。やはり、実際に仕事を一緒にする中で成長していく部分はかなり大きいと思うので、それができなくなる2校舎目展開は育成面でも不利が大きい。

経費が増大する

人件費以外の経費も増大します。単純に家賃が増大します。さらに光熱費なんかも2倍になります。細かいところでトイレ用品なども全て2倍。パソコン、掃除機、コピー機、電話機全て2倍。教室オリジナルの封筒だって、それぞれの住所と電話番号が違いますから2パターン作らないといけなくなります。チラシもそうですね、エリアが違う2校舎であればそれぞれの地域にチラシをまかなければいけなくなります。

管理の手間がかかる

教室家賃の振込だって2カ所分、契約だって2カ所分。さらに人を雇ったことによる役所の手続き、申告など。人を雇う際の手間もかかりますし。消耗品の購入だって2カ所でそれぞれ頼むわけです。微々たる手間かもしれませんけど、日々の事ですから積み重なれば相当の時間差となるでしょう。教材発注も2カ所でそれぞれやらなきゃいけないし。2校舎目の責任者が適格じゃなければ、2校舎目の生徒管理やクレーム処理も自分がやらないといけなくなります。

不確定要素(不安要素)が相当増える

まず考えられるのは、人が採用できるのかどうか。次にその人が教室責任者として適格なのかどうか。さらに責任者が病気に倒れた場合に教室を閉めなきゃいけないリスクなどが2倍に増える。自分が倒れたらアウト+もう一人が倒れてもアウト。(1教室に2名体制なら、1人が倒れても1人がカバーできる。)自分と同じレベルで2校舎目の責任者が生徒たちの成績を上げられるかどうか。仮に2校舎目が評判を下げるような実績をたたき出したら、1校舎目もそれに引きずられて集客力が下がる、などなど。

メリット

既存の教室の計算が立つ

1校舎目は場所も人もそのまま残るわけですから、その部分での計算は成り立つわけです。仮に現在1校舎目が30万円の利益を出していれば、その部分の計算はある程度成り立つ。そこは安心材料かもしれません。(ただし、さっきも言ったように2校舎目に足を引っ張られれば、1校舎目の利益が下がる可能性はあります。)

立地場所によっては地域への認知力が上がる

1校舎目と同じエリアに展開すれば、「あ、あの塾2校舎目ができたんだ。儲かってるんだなぁ。」というイメージが広まるかもしれません。とくに1校舎目の生徒たちの成績が上がっているのであれば、認知力の向上は期待できるのでは。

ただし、エリアが近すぎれば生徒を分け合うリスクも増えますし、遠ければ1校舎目と2校舎目の相互作用が全くなくなる可能性もありますし。難しいところですが。

教室移転の場合

勝つ

デメリット

既存客が離れるリスクがある

移転先が遠かったり、交通の便が悪かったり、もしくは暗かったり、治安が悪かったり。そういう部分で、すでにいる生徒が辞める可能性があります。

既存教室の立地的メリットが消える

1校舎目の立地条件が良い場合、移転によってそのメリットが消えます。逆に良い移転先が見つかれば、新たなメリットが発生する可能性もありますが。

メリット

人件費がかからない

たとえば10坪程度を塾長一人で回してきたのであれば、それが20坪になったとしても一人で十分に回せるでしょう。そうなれば人を雇う必要がなくなります。人件費25万円が無条件に浮くのです。利益が少ない塾であれば、月25万円は相当大きな額です。

戦力を集中できる

チラシを分散させる必要がなくなります。2校舎目展開のパターンよりも、2倍多く同じエリアにチラシを配布できるのです。コピー機だってリース料金10000円レベルのものを2つの校舎分用意するよりも、1つの校舎にリース料金20000円のコピー機を1台設置した方が性能もメチャクチャいいですし、効率がいいですよね。

コレ、仮に人を雇ったときは凄まじいメリットがあって、さっき言ったように同じ校舎での勤務ですので、実地での研修が容易にできますし、一緒に働いて自分の姿を見せている全ての時間が研修のようなものですし、さらに一人が病気に倒れても教室運営をカバーできる。どっちか一人が管理していれば教室が回る状態を作れれば、休日だって増やすことができるし。

2教室運営に比べれば家賃が安く済む

基本的に10坪×2の物件を借りるよりも、20坪×1の物件の方が家賃が安く済みます。私の場合は教室拡大をしていく中で、当初と比べると坪単価が1000円超下がっています。

2教室運営よりも経費が安く済む

消耗品、光熱費なども安く済みます。業務用エアコンだって10坪用×2台よりも20坪用×1台の方が安いです。多くの部分で2校舎展開よりも経費が抑えられます

管理の手間がかからない

注文、契約など全てのことが一つの校舎で終わりますので、当然時間がかかりません。ミスも少なくなるでしょう。生徒、保護者の顔を経営者自身が全員把握できるのも大きいはず。何かあったときの対応も2校舎態勢よりも素早く正確にできるし、クレーム処理もお客様の顔を知っているだけに解決できる可能性が高まります。

まとめ

基本的に資源の限られた弱者は、一極集中しないと生き残れないという考え方を私はしていますので、どうしても一校舎で勝負、という結論になってしまいます。体力のないうちから手を広げて可能性を見出すのは至難の業のような気がします。

あとはどうしても私は休日設定や労働時間など、働き方の部分にもこだわりたいので、より替えがきく形を模索してしまうんですよね…。

読者の方への返信メールでも2校舎展開はやらない、という意見を送ってしまいましたが、それはあくまでも私の様にセンスもなければ資金もない、凡人、貧乏人の弱者が考える結論ですので、あまり神経質に捉えないで欲しいと思います…。(そもそも私は2校舎展開の経験もありませんので。)

私の意見よりもぜひ以前に記事に書いた『小さな会社・儲けのルール』を読んでいただければ。戦力を集中投下することの重要性なんかが、私に言われるよりも納得できるはず。

う~ん、でも、2校舎目の開校、憧れはありますけどね~。