塾講師を辞めたのに、それでも塾講師に戻りたくなる人が結構多い?

挫折

学習塾を一度辞め、他業界に勤めているけど、学習塾に戻りたい…。

そんな方と接する機会が増えているように思います。

先日いただいたメールはまさにソレ。

同じようなメールは以前に別の方からも頂きました。

さらに、この4月まで続けていた正社員の採用活動の中でも、そのパターンの数人と話をさせていただきました。(実際に5月採用が決まっている方も、まさにこの出戻りパターンです。)

もちろん、このブログ活動含めて自分自身が学習塾業界にいるから、そういう人を多く見るんだと思いますが、意外に多いのかな~と。(ま、他の業界に転職して幸せな生活を送っている人も多いと思いますけど。)

話をしていく中で、このパターンの方たちにかなりの割合で共通する部分がいくつかあるので記事にしたいと。

で、偉そうなことは言えないんですけど、私なりに「色々不安はあるけど、やっぱり学習塾に戻りたいな…」と考えている人に対して、思っていることを書きたいと。

ほぼ全員に共通する塾講師を辞めた理由

ひと言、労働時間・労働環境です。皆さん業務が多忙を極めて辞めています。

体調を壊したり、精神のバランスがおかしくなったり。

ま、その辺りのことは散々記事にも書いてきていますけど、本当にいろんな人の話を聞くたびに相当なブラック臭がこの業界に立ち込めているのは間違いないかと。

で、私が聞いた人全員が、いわゆる私のような個人塾ではないんですね。少なくとも5,6店舗は展開しているような株式会社の形を取った小規模塾以上。

ま、私のような零細個人塾はそもそもスタッフがいなかったり、いても1人2人という数だったり、全国的に母数が少ないって部分が大きいとは思いますが。

話は労働時間・労働環境の部分に戻りますが、もう具体的な内容まで大体共通してます。授業準備ができないほどの業務を押しつけられていた、クレームに毎日追われていた、チラシばっかり配らされていた、1日13時間労働は当たり前だった、休みは週に1回あればいい方だった…などなど。

皆さんが飲み込まれたブラックの波は、私が大手塾で喰らったものとほぼ一緒。聞けば聞くほど、「あ~よく分かる。」という感じ。

他の業界ではよく聞く、職場の人間関係だとか、低賃金だとか、そういうことを言っている人はほとんどいないんですよね。自己の成長を求めて新たな世界に飛び込みたかった、なんて希望あふれる退職理由なんて皆無だし。

ほぼ全員に共通する塾講師に戻りたい理由

塾講師のときに味わった自分の授業で生徒たちが分かってくれた時の快感が忘れられない。生徒から信頼されているときの充実感が忘れられない。つまり、指導が面白かったということです。

身体や精神が蝕まれて辞めた業界にまた戻りたいと思うなんて、塾業界の持つ魔力って怖い…。

ま、分かります。私だって面白いですもん、この仕事。生徒が「あ、分かった!」って思ってくれた時の表情、授業でウケたときの盛り上がり、受験前日の凄まじく張り詰めた受験生の緊張、合格したときの見たことのない笑顔、ものすごいやりがいを感じる仕事であることは間違いないかと。

私は他業界で正社員の仕事をしたことがないので分からない部分が多いんですけど、たしかに自分が経験のある郵便局のアルバイトとか、コンビニのアルバイトと比べれば、そのやりがいは全然違いますよね。

ほぼ全員に共通する塾講師に戻るために負っているハンデ

そして、このパターンの方たちの多くがすでに30代後半~50代(60代の方も…)になっている。

当然、その年代なので「塾講師に戻りたい」、と言っても希望はアルバイトではないわけです。

できれば正社員として戻りたいわけです。

しかし、この売り手市場の世の中にあって、正社員学習塾講師の需要は決して高くない。

学生アルバイト講師を多用する個別指導塾の乱立。さらに最近は学生アルバイトすら使わない自立型個別指導塾が流行…。

正社員塾講師を必要としない塾がいくつもできている現実。

正社員塾講師(とくに集団指導塾)の採用枠が減っている中、塾講師で戻り組の人たちが抱える大きなハンデが年齢

いくら塾講師の経験があると言っても、おそらく多くの企業で優先するのが若さであることは間違いない。(なぜなら、こんな零細個人塾経営者の私ですら、書面の経験値よりも1歳でも若い方を優先的に評価するからです。)

塾講師ステーションの記事で、私の塾の応募記録の実録を書きましたが、本当に年齢が高い人ばかりが応募してきてくれました。きっと、私のような豆粒レベルの零細個人塾の前にいくつもの学習塾の応募で断られてきたのだと思います。正社員塾講師への道は、それだけ年齢が厳しいハンデになっている。

(逆に若ければ正社員塾講師はホイホイ通っちゃう気もしますが…。)

塾講師に戻るためにどちらの道に賭けるのか?

覚悟

ココからは無責任な私の考えになってしまいますので、ホントに1ミリ程度の参考にしてもらえれば。そもそも塾講師に戻らなくたっていいわけですし…。ただ、年齢のハンデを負った方たちがそれでも塾講師に戻りたいと考えるなら、次の二つの道、どちらに自分の人生を賭けるのか?という話にもなると思うんです。

どこかの会社に就職する道

王道ですけど、色々難しいですよね。まず、さっきも言ったように年齢のハンデがある場合は採用にこぎつけるまでが難しい。

そして、実はその後がもっと難しい。

ブラックな環境が原因で塾講師を辞めたのに、復職した先がまた同じようなブラックである可能性も十分ある、ということ。で、その可能性が極めて高いのが、この学習塾業界だということ。

たとえば、仮にどこかの学習塾に採用が決まったとします。年齢のハンデがあるのに、なぜ決まったのでしょうか?経験値があるから?いや、たぶん違う。書面上の経験値なんて、それこそ私のようなへっぽこ零細経営者でさえほぼ見てません。「集団指導歴10年あります!」「へぇ~そうなんですねぇ~」と言いながら心の中では(あ、そうですか。)程度です。

採用された最大の理由は、おそらくその会社に応募する人が極めて少なかったから。じゃ、何で応募が少ないんでしょうか?ブラックだからです。

という論法がかなりの確率で成り立つ道が、どこかの会社に就職する道なのかな、と。いや、もちろん例外もあるでしょう。年齢のハンデがあってもいわゆるホワイト学習塾起業に巡り合うこともあるでしょう。しかし、現実論、その確率は相当低い。

零細個人塾なら、Mr.M塾のように休みもしっかり取れて労働時間も適正な塾がある?いやいやいや、私がたまたま休みや労働時間を相当気にする経営者なだけであって、周りの個人塾経営者の方々はむしろ大手塾以上に休まない人もたくさんいますから。

そもそも零細個人塾で正社員を募集しているところなんて、相当に少ないですし、その中から労働時間・労働環境を重視している塾を見つけるなんて宝くじを当てるようなもんです。

塾講師に戻りたい、でも前の様なブラックの環境は絶対に嫌だ、しっかり休みも取れる塾に就職したい。このような動機だと、就職するのは博打になります。もはや宝くじで当たりを引き当てられるかどうかの運試しと同じです。

自ら独立開業で学習塾を立ち上げる道

こっちも博打ですけどね。ただし、博打の質が違う。どこかの会社に就職する道は、本当に運試しの博打。でも、独立開業は博打は博打でも、自分自身の能力とか成長への博打。自分自身が学習塾業界でどの程度通用するのか(通用するようになれるのか)の博打。

どこかの会社に就職する道の場合は、ハズレを引いたらまた辞めるしかない。極論をいえば0か100かの話。100のあたりが出るまで引き続ける運試しゲーム。

でも、独立開業の自分自身への博打はそうじゃない。1年経ってハズレだった。自分自身はその1年で満足できる集客が出来なかった。でも、2年目はもっと努力し、もっと工夫し、もっと成長すれば20くらいの当たりになるかもしれない。3年目は40の当たり、4年目は50の当たり。

0か100の話ではないんです、独立開業の自分自身への博打というのは。(もちろん、2年目、3年目への自分自身への成長の博打ができるほどに資金がないとヤバいですけど。)

100になるまで自分自身を成長させる連続性のゲームなんです。

分かりませんよ?どっちの方が確率が高いかなんて。独立開業の方が確率が高いなんて言うつもりはサラサラないです。そもそも100になるまで成長させるって言っても、その人自身の経営者としての能力の上限が15くらいまでしかない場合だってあると思いますから…。

「どこかの会社に就職する道」と「自ら独立開業で学習塾を立ち上げる道」、ハッキリ言えばどちらも確率は低い、これだけは間違いないのかなと。

で、あと私がハッキリ言えるのは独立開業してもらった方が、こんな経営ブログと称してブログ運営している私としては有難いのかな、と。Mr.Mのブログを見て独立開業してやったぜ、という人が増えれば私としてもメリットがありそうですし、ブログ運営している遣り甲斐もでますので。ま、この辺りは皆さんの人生がかかってますので、どうでもいいことですけど…。

学習塾出戻り組の方々は、ぜひ「自ら独立開業で学習塾を立ち上げる道」も選択肢の一つとして入れてもらえれば。