今回の記事は問題行動があるアルバイトへの声がけについて。

どうやって注意したら、そのバイトが嫌な気持ちにならずにさらに問題行動を改めることができるようになるか。

ま、われわれ塾業界というのは若い学生アルバイトと働く環境が多いです。

それだけに若者を成長させるということも、われわれ塾経営者にとっては一つの使命だと。

Mr.MMr.M

カッコつけてます!

ダメなヒトダメなヒト

俺なんて楽だよね。「俺みたいになるな!」の一言でいいんだから。ま、バイト雇うほど余裕ないけどね、はっはっはっはっは

実際に先日私の塾であったケースから考えてみましょう。

あるアルバイトの問題行動

アルバイトを統括している相棒講師から、たびたび話があったんですね。

一人のアルバイトがミスを隠す、と。

さらに分からないことも分かったふりをして、適当に仕事を流している、と。

そして自己判断が行き過ぎている、と。

たとえば、丸付け。

生徒が約分ミスをしているのにも関わらず、あと数点で合格だからと自己判断で〇にしてしまう。

そして、そのことを相棒講師に報告もせずに「Aくん、全部正解でした。」と。

相棒講師がチェックしてみると、約分し忘れが2,3問あるのに見逃している…。

これは結構致命的で、とくに数学なんか「これでもか」という見直しの癖とか、計算問題を完璧に仕上げ切る意識って大事じゃないですか。相棒講師はその辺りの部分にそれこそ数学講師としての命を懸けている部分があるので、絶対にやって欲しくないことなんですね。仕事の根幹にかかわる部分って言うか。ま、私も厳しい塾で売ってますので、こういうことが続くと塾の看板に関わる部分だな…、と結構深刻に聞いていたんですが。

さらに国語の記述問題でも、明らかに問題の主旨と外れている解答でも〇をつけてしまったり。で、自己判断って仕事の上では必要なんですけど(私も自走式のスタッフじゃなければ要らないと思ってるんで)、このバイトの子はまだ入社して3か月目なんですね。われわれ講師陣に何の相談・質問もしないで自分流で仕事を進めていることに、相棒講師はかなり不安を覚えていたんです。

ま、私もバイトの仕事ぶりとか、生徒指導を相棒講師に任せることが多くなってきたので気づかなかったんですが、「あ、コレ、結構ヤバいな…。コイツ、このままだと塾の看板に関わるな。」ってアンテナが反応しまくったわけです。

※このバイトの子は、生徒だった当時、わりと優等生で性格も元々わがままで、さらに私も当時は今よりも3倍くらい甘かったので、そのときのMr.M塾の感覚が抜けてないんですね。ま、簡単に言えば塾では自分の思い通りやっても許される、みたいな。で、優等生なもんでミスを他人に見られたくない部分も結構あったりして…。ただ、誤解しないで頂きたいのが、このバイトの子は仕事も早いですし、基本まじめでシフトもたくさん出てくれるんで、いわゆるダメバイトでは全然ないのです。

声がけのための事前準備

生徒を叱る場合もそうですけど、スタッフを叱る場合も準備をしないといけません。感情論で怒れば失敗するのは目に見えています。(ま、生徒に対しては感情論で怒っちゃう場合もありますけど。実際に注意する段階、叱る段階になったら感情は込めるんですけどね。その事前段階では冷静に作戦を立てる必要があるってことです。)

目的の明確化

何のためにこのバイトに注意するのか。そこはハッキリさせないといけません。

で、一度の注意で何でもかんでも要求するのはダメ。

要求することは1つか、2つでしょうね。

今回のバイトの例でいえば、私が要求したいのは「お客様への意識をもっと高めて欲しいこと」「仲間を信頼して欲しいこと」です。これさえ意識してもらえればそれでいいかな、と。(ま、誰でもミスはありますし、なくすことなんてできませんから。お客様をもっと大事にする気持ちがあれば、自然にミスは減っていくでしょう。仲間を信頼できれば、ミスを隠したり、自己判断が過ぎることもなくなるのかな、と。)

バイト統括者との話し合い

情報を集めないと、注意が逆効果になる場合もあります。たとえば言い方を間違えれば、本人の機嫌を損ねて「じゃ、全部が全部、自己判断はダメなんだ?じゃ、超細かいことまで聞かなきゃならないんだ?そしたら自分で考えることなんてや~めよ!」ってへそを曲げたり。

「適当に?こんなにシフトに出てあげているのに、そんな風に言うならもうシフト入らない!」なんて思われることだってあるかもしれない。

(ま、こんな風に考えれば考えるほど「ま、大したことないし、今回は注意するのは辞めようかな…。」って気持ち出ますよね?分かります。もちろん、私にもあります。でも、こういう細かい部分をスルーしていくと職場のモラルとか商品品質は確実に下がっていくと。でもって、最終的にはバイト自身もモラルのないプライドの持てない仕事に嫌気が差して辞めて行ってしまうんです。話が反れてますね、戻しましょう。)

注意が失敗しないためにも、そのバイトの様子をよく知っているバイト統括者(相棒講師)との話し合いには結構時間を使います。

普段どういう発言をしているのか、どういう仕事の精度が悪いのか・良いのか、どういうことを嫌がるのか・楽しむのか、どういう生徒にどういう対応をしているのか、など。

そういう情報を集めていくと、やっぱり頑張っている部分の方が多くあるわけで、問題行動の部分の方がはるかに小さいんです。ただ、その小さい部分がMr.M塾の看板に致命的に関わってしまう部分なので、改めてもらわないと困るということで。

冷静にそのアルバイトの仕事ぶりの全体を捉えれば、感情論とか人格論にならずにピンポイントで問題行動を改めてもらうための言葉も見つかるのかな、と。

あとはボスである私が話すべき段階なのか、それともバイトリーダーだったり、相棒講師が話す段階なのか、そういうことも話し合います。(今回は早いところ改善してもらった方が、そのバイトの子も我々もお互い傷口が小さいだろうということで、私が話すことになったんですが。)

時間・場所の設定

あとは注意をする時間と場所ですよね。私の教室は狭いんで時間帯によっては、どの教室にも生徒がいる場合もあるんです。

基本、スタッフを注意するときは1対1がいい。とくに今回の子の様に優等生タイプの子は、プライドが高いんで、人前で注意するのはご法度。

何とか1対1で話ができる時間と場所を考えておく。で、その時間(わずか5分くらい)に確実に注意が出来るように、他の仕事は片づけておく。また、急に電話が入ったときに他のスタッフが出れるように待機させておく。(で、今はMが取り込み中なので、折り返し電話することを伝えさせておく。)

とにかく、注意の5分間のために他の仕事は一切やらないで済む状況を作っておくんです。

ダメなヒトダメなヒト

注意できるときにパパッとすればいいんじゃない?

なんて軽く考えているから、バイトが成長しない。で、バイトが仕事にやりがいを持てない。だからバイトがどんどん辞めていくんじゃないでしょうか?

バイトを注意するときって言うのは、その子が成長するかどうかの大事な分かれ目なんです。で、注意したことによって逆効果になるリスクも潜んでいる難しい仕事なんです。表情一つ、話すトーン一つ、手を抜いちゃいけない仕事。そのくらいこっちが真剣に覚悟を持って話をしていると伝わるからこそ、バイトも仕事で応えてくれるようになるんだと。

バイトが成長して仕事の質が上がって、お客様に満足してもらえるようになって一番得をするのは誰でしょうか?経営者自身じゃないですか?経営者自身がいちばん潤うんじゃないですか?だったら、このくらいの準備は当たり前のような気もするんですけどね。

材料の入手

数日前からこのバイトの子を注意するかどうかの機会は伺っていたのです。ただ、相棒講師からの話をネタに注意するのは弱いな、と。すでに過去のものとなっているし、相棒講師が間に入っちゃっているし、具体性が乏しい。

怒られる方としても過去の漠然としたネタで怒られるのは癪に障る。

注意される身としては、注意されるだけの理由が明確な具体的に説得力のある材料が欲しいはずなんです。できれば、現物として目の前に見せられる形。

で、機を伺っていると漢字テストの解答を作ってもらった際にミスが2つ出ました。もちろん、解答のミスはマズいんで、何度も確認するように言って、さらに不安な場合は講師に聞くように言っていたにも関わらず、スルーして提出してきたんですね。

これを材料に注意をしようと。

成長させるための声がけ

覚悟

私は注意をする文言や状況まで、かなり細かくイメージトレーニングします。(だから、注意すると決めたときからクソ疲れるんですけど…。)

今回はさっき書いた二つの目的、「お客様への意識をもっと高めて欲しいこと」と「仲間を信頼して欲しい(チームワークの意識を高めて欲しい)こと」に対する言葉を考えました。

あとはフォローの言葉ですね。怒られた⇒やっちゃいけないんだ、この意識になると成長が止まりますのでそこをケアする言葉。

お客様への意識を高めるために

自分が生徒時代に、こういうことをする先生がいたらどう思ったか、想像してみて欲しい。君がこの塾に来た理由、この塾で3年間を過ごした理由は、私が本当に細かい部分までしつこいくらいに妥協しなかったからではないか?

私が「このくらいでいいか。」で済ましてしまう講師だったとしたら、君は3年間もこの塾に通っていただろうか?しかも、バイトとしてこの塾に戻って来ただろうか?

その辺りを考えれば、これからの仕事をどうするべきかは分かるはず。中学生時代の君自身に評価されるようなスタッフになって欲しい。

という感じで話しました。

できるだけ「こうすべきだ。」とか、「これはダメ」という言葉は使わないことを心がけました。数年前の私はまさに「こうすべきだ。」「これがダメ。」人間でしたから。でもって、そうやって注意してスタッフの労働生産性が上がったかというと甚だ疑問な部分が多い。ま、結局、他人から押しつけられた言葉なんて、心には響かんのでしょうね…。

チームワークの意識を高めるために

今回のあなたのミスは、バイトの先輩が万全を期すために辞書を開き、さらに私に確認して直してくれた。

さらに、あなたに注意をしようとA先生(相棒講師)に言ったところ、A先生は「それは確認をしなかった私のミスです。あの子は怒らないでください。」と言っていた。

今までは学生として一人で勉強を黙々と頑張れば活躍できたかもしれない。でも、仕事はそうじゃない。皆が君の仕事を支えていて、そして、君も皆の仕事を支えているんだ。

プライドが高かったり、自分の能力を過信している人だと難しいんですよね。他人からの助けを意識することって。私もそういうところがかなり多い人間なんで、他人の助けに感謝できるようになったのって本当に最近ですから。

でも、実際他人の助けなしでは仕事は出来ないですし、それをしっかり認識して感謝できた方が仕事は楽しいですから。ま、この子にもそうなって欲しいなと。チームの一員として頑張って欲しいな~と。

萎縮をさせないために

ミスを減らす意識や努力は必要だけど、ミスはなくならないのはしょうがない。それは私も同じ。どんなに優秀であっても他人と仕事をするうえで迷惑はかけてしまうのも仕方がない。ただ、迷惑をかけたときに謝罪と感謝の気持ちを持って、自分がかけた迷惑の2倍仲間を助けられればそれでいい。

「~するな」という声がけは委縮させてしまうような気がするんです。それよりは、「~してくれ」の方が前向きになれるのかな、と。

いや、ミスして良しッ!迷惑かけて良しッ!なんて言うつもりはないですよ?そんな図々しい人間、嫌われちゃいますから。でも、人間、カンペキじゃないじゃないですか。私なんて欠陥だらけの人間ですし。もうね、生きてくうえでミスしたり、いろんな人に迷惑をかけちゃうのは避けて通れないわけですよ。

そんな奴が偉そうに「ミスをするな、迷惑をかけるな」とは言えないんですよね。もう、ミスした分、迷惑かけた分、取り返すってことしかできないかなって。

と言いつつ、つい2年前くらいまで連呼してましたけどね、「ミスするな!」「迷惑かけるな」って…。職場の雰囲気悪かったんでしょうね~。相棒講師もよく耐えてくれたな~と。

感謝の意を示しつつ、今回の記事は以上で!