「塾の授業についていけるか心配」という問合せ。

塾講師ウソつかない

集団指導塾の宿命かもしれません。

さらに言うと私の塾の様に成績や合格実績を前面に打ち出す塾なら尚の事。

厳しい塾、なんて評判であればもう絶対に避けては通れない。

それが「塾の授業についていけるか心配なんですが…」という問合せ。

「それならウチなんかに連絡しないで個別指導塾に行けばいい!」そんな風に思っちゃいけません。

そんなことはお客様だって分かっている。いや、むしろこういう不安を持ちながらも私のような塾に連絡してくれるお客様は、すでに個別指導塾などを渡り歩いている可能性が高い。

つまり、集団指導塾の授業についていけるか心配で個別指導塾に通ったものの全く結果が出ないので、ついていけるか非常に大きな不安を持っているにも関わらず、最後の希望で厳しいと評判の集団指導塾に望みを託している可能性が高いのです!

集団指導にはとてつもない不安を持ちつつも、それでもなお自分の塾の指導力とか、実績を聞きつけて自分の子どもを預けようとしてくれているという魂の叫びだと!(ちょっと大げさですけど…)

たとえばですよ。虫歯になりました。とても治療が上手なA歯科医院があります。でもA歯科医院の先生は見た目も怖いし、子どもが泣いても容赦なく治療を進める先生なわけです。そんでもってA歯科医院にはアンパ〇マンだとかミッ〇ーマウスだとか子供が好きそうな壁紙とか一切ないわけですよ。

それなら今風の優しい先生がいるB歯科医院にまず行くわけです。新しくできた歯医者でキレイだし、予約もネットでちゃっちゃとできちゃうし。オモチャもあるし、先生の対応も柔らかいし。なんですけど、いっこうに治療は終わらないし、先週入れた歯の詰め物的なヤツが今週ハイチュウ食べたら、いきなり抜けるという…。

そんなこんなが続いて、いよいよちゃんと治療せねばならんと。じゃあどうする?ってなったとき、メッチャ怖くて、電話するのもビビるレベルのA歯科医院に頼るわけです。もうね、雰囲気とかこっちが耐えられるとかそんなん抜きで、先生の腕だけを信じて電話をかけるわけです。覚悟を決めて治療を受けに行くわけです。

ま、そんな感じの問い合わせと一緒かなって。だからこそ、私は有難くそれを受けるのです。

「絶対に上げます。」とは絶対に言わない。

ただし、無責任に「絶対に上げます。」とは言いませんよ。いや、言えません。

だって、絶対に上げる、なんてこと出来ないんですから…。

どれだけ勉強をやらせても、(いや、こっちがやらせたつもりになってるだけかもしれないのですが…)現実、上がらない生徒を何人か見て来ています。本当に手は動いているし、課題は提出するし、こちらの指示は聞いているし…。でも、上がらない。そういう生徒が今までに3人くらいはいました。

本当に申し訳ないのですが、正直今でも理由は分かりません。

やれば上がる、本当に99%くらいはその通りだと思います。(つまり、上がらない生徒の99%はやってないだけ、ということ。ただ机に座ってるだけ。ただ機械の様に字を書いているだけ。)

でもね、残り1%(いや、本当はもっと多いのかも…)は少なくともMr.M塾では成績を上げることができない生徒が存在していた…。

だからこそ、絶対に上げるとは口が裂けても言えないのです。

いや、本当は言いたいですけどね。「絶対に上げる。」って。

以前もたしか書きましたけど、NHKのプロフェッショナルで見たガン専門医の方はどんな末期ガンでも必ず「絶対に治ります。」って言うと。最後の砦の自分がそう言わないと、患者さんは戦う気持ちになれないと。

すげぇ~なって思いましたけど、やっぱり自分はそこまで仕事に覚悟が持てていないですよね…。どこまで行けば、そういうことを言い切れるのか。「絶対に成績を上げる」って心から言い切れる塾講師の方がいたら、ホント話を聞かせてもらいたい。

「学力では切らない。」宣言

クビ

私が伝えられるギリギリは「どんなに学力に不安があってもそれで切ることはしない。」という宣言を出すところまで。

いや、以前の記事でも書きましたけど、経営のことを考えれば切った方がいいとは思うんです。その方が塾の力を分散させることなく、発揮できるじゃないですか。(下位層1人の成績を上げる労力って中堅層5人の成績を上げる労力と同じくらいだと…。)

でも、私の塾ではこっちが指示した補習や自習に来てくれるのであれば、どんなに学力が低くても退塾させることはない、という方針でやっています。ま、その理由はいろんなところで書いてますので今回は割愛しますが。

開業したての人は分かると思いますけど、ホントに最初は底辺層ですよね、塾に来てくれるお客様。数学1ケタとか、5教科で200点未満とか。でも、そのお客様のおかげで飯が食えて今日の仕事をさせてもらえる。そこから何とか希望をつないでつないで、今のMr.M塾の生徒数100人があるわけですから…。

底辺層のお客様は最近は本当に減ってきましたけど、やっぱりそういうお客様が来るとね、原点回帰ってやつじゃないですけど、燃える部分はあります。

事実ははっきり伝える。

絶対に上げます、と言えない理由というか、事実ははっきり伝えます。それはもう、保護者がメチャクチャ不安になるくらい伝えます。

まず、「授業についていけるか」の心配なら無用だと。間違いなく付いていけないと。最初は何とか話を聞くだけ(理解は出来なくていい)。必死にノートを写すだけでいい、と。相当授業もつまらないだろう、と。(ただ、底辺層の生徒たちは必死にノートを写すだけでも意味があったりします。そもそも知識とかテクニック以前に、授業を受ける姿勢の部分でかなり問題がある場合が多いので。)

中2のスタートで前回テストが数学20点以下とか英語20点以下とか。当たり前ですけど普通の事やってて成績(学校のテストの点数)を伸ばすことなんてできるわけない。週一授業だけなんてまずあり得ないと。

このレベルなら週5です。1日3時間×週5日。これは覚悟してくれと。そうでなければ穴を埋めている間に、学校の授業はどんどん先に進んで行ってまず追いつかない。

さらにこれだけやっても上がる保証はどこにもない、と。それだけ致命的に学習が遅れている。

ただ半年後には90%以上の生徒が成績を上げることはやっていくと。それだけ追い込んでいく。でも、90%の中にお子様が当てはまっているかの保証もどこにもない。

ま、相当キツイです。分数の計算もままならない、be動詞・一般動詞も分からない状態の(というより英単語を20個程度しか知らない…)生徒を3か月後に連立方程式、動詞の過去形、未来形まで5割、6割でできるようにするわけですから。(このくらいやっても普通は40点、50点くらいです。ま、ほとんどの生徒、保護者が「これだけやったのに、このくらいなのか…」と思うんですよね。認識が甘いんですけど、ま、お客様がそう思うんなら、やっぱりこちらの力不足を認めないといけないわけで…。)

小学生とか中1から塾には行って慣れている生徒とか、友達がいて塾に来るストレスがそれほどかからないとか、我々との相性がバチッと合って塾に来るのがなぜか楽しいとか、自分の中で目指すべき目標があるとか(ま、そういう生徒が底辺層であることは稀ですけど…)、そういう要素がない限りは辞めちゃいます。辞めるか上がるかどっちかしかない、そのくらいのつもりで入ってくれと。

そういうことを保護者も生徒自身も受け入れた上で入塾してもらう。ま、そのあたりも以前に記事に書きましたが。

行き着くところは無責任論…

同じような記事をいくつも書いてますけど、先日まさにこのタイプの問い合わせがあったんです。で、私は電話口で最後に話したんですね。究極の無責任論を。

「結局、来てもらってしばらく続けてもらわないと何も分かりません。われわれもそうですし、たぶん本人もそうです。体験授業で大丈夫だと思っても、それはたった一回ですから。本当に入塾したら、その後ずっと嫌いな勉強が毎日毎日続くんです。実際にやってみないと、その出口のないトンネル感というか、先の見えない戦いの辛さは分からない。そして必ず壁にもぶつかる。それはもう、やってみないと我々もご本人も、お互い分からないんです。たしかに一回見ただけで、成績が上がりそうだな、と感じる生徒もいます。でも、そういう生徒でも成績を上げるのに苦労する子もいますし、逆にあんまり覚えるのが得意ではなさそうだな、と思った生徒でも成績を急に上げる生徒もいるんです。申し訳ないんですが、こういう無責任なことしか実は言えないんですね。それでもクチコミだったり、満席になったりって部分を信じてもらうしかないんです。当たり前ですけど、どんな生徒でも成績を上げるという覚悟は持っています。ただ覚悟なんて目に見えないんで、いくら言ってもしょうがない話ではありますが…。」

長々しい文章を書いてしまいましたけど。結局、今の自分が言えることってこのレベルだったりする訳です。(開業当初はこんなこと言えませんでしたけど。よく分からないときって、自分の限界も分からないんで何でもかんでも「大丈夫です!」って言ってた気もするし…)

こんな無責任レベルでも体験授業に来てくれるわけですから。そこはホントに感謝をして真摯に向き合わないと行けないんです。

ということで、結局、タイトルの「塾の授業についていけるか心配」というお客様に対して、「心配しないで大丈夫です。まず付いていけないんで、授業の先を心配してください。」という冷酷無慈悲な受け答えをするという記事でした…。