連休中ですが、相変わらずMr.M塾ではテスト対策が続いております。

令和初日から、ま~それはそれはなかなか手のかかる生徒と対峙しているわけですが…

ま、そりゃそうです。勉強ができないからこそ私の塾に通ってくれているんですから。

ただね…、う~ん、そのくらいは出来ようよ?中学生なんだから…。

というレベルの生徒は居ますよね…。

いや、学力的にという話ではないんです(ま、学力も低いですけど)。

何というかね、普通に人の話を聞いて、普通にペンを持って、普通に教科書開いて、普通に文字を読んで、普通に考えることはやってもらわないと…、という話。

コレね、私の塾って結構厳しいとか、鬼がいるとか、そんな感じの噂が流れているんで古き良き時代の不良みたいな生徒とか、明らかに勉強放棄している甘えん坊の生徒は基本いないんです。

でもね、机にまともに座ってそれらしい恰好はしながら、魂ココにあらず…、目を見るとエネルギーが全く感じられない…、そういうえばさっきから筆箱のフタを開けたり閉めたりを繰り返しているぞ!?という生徒はいるんですね。(ま、黒魔術的な方法で学習を試みている可能性は否定できないんですが…)

令和初日から、何かの呪いにかかって黒魔術を試みるこの生徒を何とか解放せねばならん、というMr.Mの普通の一日。

はぁ~…、でも、コレが私の仕事ですから。真摯に取り組まなければならない、ということで…。

何も一人で出来ないレベルの生徒の実例

ショック

ま、一言で。

このレベルの生徒は目を離したら終わり。

シャットダウンしたまま再起動はありません。

一人じゃ何も勉強できません。

とりあえず何かを写すだけ。とりあえず丸をつけるだけ。頭はほぼ使われていない。覚えようという気もまるでない。

でも、怒っても無駄。当たり前ですけど、中学生になるまで親、学校の先生、その他大勢に怒られてきていますので、怒られ慣れています。

こっちが怒りモードになった瞬間に自分は反省モードになる自動制御システムがすでに搭載されている最新型ですから。

顔は反省してますけど、話は全部、雨の日の越辺川の流れの如く流されてますからね。

驚異の解答…

今回、令和初日にあらわれたこのレベルの生徒。(ま、今は有難いことにMr.M塾ではこの1名だけです、このレベルの生徒は。)

どのくらいの実力かお見せしましょう。(全く同じ解答は避けます。大事なお客様のことなので…。このような感じということで受け取ってください。)

Q.アラビア半島から広まり、インドから北アフリカ、イベリア半島まで勢力を広げてきた宗教は何か。

A.大航海時代

Mr.MMr.M

・・・

Q.1549年、布教のために来日したイエズス会の宣教師はだれか。

A.バスコ・ダ・ガマ

Mr.MMr.M

ギリギリね…、人の名前だからまだ許そう…。

Q.ヨーロッパの文化から影響を受けて成立した芸術や流行の風俗を何文化というか。

A.バスコ・ダ・ガマ

Mr.MMr.M

いい加減にしろッ!香辛料、鼻に詰めるぞッ!

というね、驚異の解答力を持っているんですね…。

ま、たぶん塾講師を5年も続けているとこの感覚というか、「あぁ、何となく分かるわ、いるいる、この感じの生徒。」って共感してもらえる部分もあるかと。

要はね、何も読んでないわけです。というよりも何も考えてない。覚える気もまるでないし、もっと言うとこんな解答引っ提げてMr.Mに提出しようものなら、100%怒られるのにそれすらもどうでもいいという…。

ま、怒ってもしょうがないとは言いつつ、怒ってますけどね。いや、だってキレるでしょ、そりゃ。大航海時代のページだけで全ての解答を作ろうとするって、どんだけ怠けたいんだって話。ページめくるのすら面倒くさいってこと?いや~、オジサン困っちゃうぞ?

いつまでもその場に居続けられる凄まじい忍耐力

でね、あまりにも何も読んでないんで、「あ、コイツは問題やらせてもダメだこりゃ」、ってことで「まず、そのプリントの範囲の教科書を読みなさい。」と。

「読んで分からない言葉とかはすべて聞きなさい。」と。

10分、20分、30分…まず何も質問してこないわけですよ。そんな馬鹿な話あります?あんだけ「困ったときのバスコ・ダ・ガマ」みたいな解答作ってた人間が、何も質問ないってあり得ます?

で、様子見たら最初のページから全く進んでないわけですよ。全く同じ姿勢で全く同じページの全く同じ場所に視線を落として30分そのままでいたんですよ!?

いや、そんな馬鹿なッ!?って思いますよね?

コレはマジなんです!

一歩間違えれば、これは拷問ですよ!ハッキリ言いますけど、そんな拷問、私、してないですからね。30分間同じ姿勢で全く何もするな!なんて拷問、土方歳三だって考えつかんですよ。(いや、これはもしかしたらドラゴンボールで悟空がミスターポポとの修行で、無の境地になったときのアレかもしれないのですが…。)

よく街中で見るバイトあるじゃないですか。新築一戸建てとかできたときに、「4LDK新築一戸建て2400万台~こちらです☞」みたいな看板をひたすら持って座っているという仕事。アレ、聞くところによるとすさまじい苦行らしいんですよ。何もやらないってことは人間、超辛いらしいんです、普通は。

でもね、彼はたぶん全然できますよ。凄まじい忍耐力を持っていますから(もしくはミスターポポに無の境地を教えてもらっているから)。

30分間何もしないって普通は出来ない。普通は出来ないことができちゃう当たりに闇の深さを感じるんですけどね…。

Mr.M的時間制限プリント演習法

テスト勉強

ということで、やり方を変えないといけないわけです。皆さんに一つ聞きます。これは本心から。

どうしたらいいでしょうか?教えてください…。

一応、私が講じた策は紹介しますが、これが突破口になるかどうかは分かりません。というか、全く自信がありません…。

この手の生徒に何か強烈に効果的な学習方法があれば、ぜひ教えてくださいッ!

条件

教科書を読ませるのはダメだということで、結局、バスコ・ダ・ガマばっかり書いてあるプリントの直しをさせることにしました。ただ、単純にやりなさい、って言っても時間ばかりが経つだけで、どうせ次はバスコ・ダ・ガマがマゼランに変わるだけだろうと思い、いくつか条件を出しました。

①15分以内に必ず一回提出すること。(全ての直しが終わってなくてもよい。)

②必ず一つは〇が増えていること。

③〇が一つも増えていない場合はその時点で帰らせる。

④15分以内に一つも直しが出来そうにない場合はいつでも質問しに来て良い。

①はとにかく一人の時間を作らせないということですね。短い時間間隔でコミュニケーションをとらないとまずシャットダウンしますから。

②はハードルを低くしてあげるってこと。「全て直せ」だとこのレベルの生徒はまず心理的障壁が高すぎてあきらめの境地に至ると。あきらめないで手と頭を動かさせるために「できそうだ」という希望を与える、ということで。

③何か本人にプレッシャーになることも必要だと。それがないとすぐに甘えますから。どうせできなくたっていいや、みたいな。この生徒に関しては幸いにしてご家庭がかなり厳しく言ってくれるので、塾の途中で帰らされたら、本人的にはヤバいわけです。家で相当怒られるわけですから。

④これもあきらめさせないための策。とにかく「あ、もうどうせ無理だ。」という気持ちにさせない。何とかなるんだという気持ちで取り組ませる。「あ、ヤバい、もう時間がない。これは聞くしかない。」って言うのも、このレベルの生徒にとっては十分に頭を使うってことになると思うんです。頭を使う前に「時間がない、ヤバい。」って気持ちを動かすことも、もしかしたら重要なのかもしれないし。

とにかく、仏の気持ちで悟りを開いて泰然自若するのは辞めろ!と。もっと感情を動かして頭を動かして、今やってることが自分自身の何かのために自分自身がやらねばならんことなのだ、と少しでも分かってもらえれば。う~ん、表現が難しいですけど、とにかく頭とか精神のエネルギーを使え!と。訳の分からん淀みをなくせ!と。

結果

彼ね、このプリントを最初にやったときは1時間以上かけて2問しかあってなかったんですよ。20問中2問…。

それがね、この方法でやったら15分で12問正解させて来たという…。(さらに次の15分で残り2問まで行きました。)

嬉しさ半分、ふざけんなよ半分…。(最初からやれって話)

ま、とりあえず暗記系の教科の勉強法として、彼にはこの方法が少しは合っている可能性はありますけど、まだまだ不安ではあります。

もちろん、たかだかプリント1枚の話ですから。これで定期テストの点数がどうのこうの話ではぜんぜんありません。定期テストの点数を語るにはまだまだ先が遠い…。

それでも、この生徒が多少は頭とか精神を使う方法が見えたような気がしたんで、そこはとりあえずホッとしましたけど…。(ま、ただ英語とか数学はまた違いますからね…。国語なんて想像しただけでゾッとしちゃいますけど…)

この学習法の問題点

いつまでも同じことはできないということです。

ウチは集団指導塾なので、この生徒にばかり手をかけてはいられない、ということ。

「先生が俺の勉強をガチガチに管理してくれる」、なんて甘えられると困っちゃうわけですね。

たまたまこの生徒を見る時間があっただけであって、これから先、テストが近づくにつれて他の生徒たちからの質問も多くなりますし、他の生徒の様子も見ていかなければいけなくなります。

15分刻みでこの生徒だけを管理するなんて特別待遇は今回限りにしないといけないわけです。

さらにこの学習法の問題点は、アルバイトでは難しいということ。

なぜこの生徒が素直に15分刻みでプリントを提出して、さらに必死に取り組むかというと、私が怖いからです。

私が「やると言ったらやる」ということをこの生徒も知っているので、本当に条件通りやらないと帰らされると恐れてくれているのです。

たぶん、このあたりの強迫観念みたいなのを植え付けるのは、アルバイトだけじゃなく、相棒正社員講師でも難しいかもしれません。(彼は基本穏やかな性格をしているので。それに一つの塾に何人も恐怖の対象がいたんでは生徒たちも大変でしょうから。)

つまり、時間的にも人的にも再現性の乏しい指導法なわけです。

なので、私もこの生徒には「この方法で私があなたを管理するのは5月1日、2日の2日間だけ。それ以降は自分で出来るようにならなければ、もう同じようには手を貸さない。」と伝えています。ま、何とかこの2日間で自分でも10%くらいは出来るようになってくれればいいんですけど…。

だからMr.M塾はバリバリの進学塾になり切れないのだが…

覚悟

ま、こんな話をするとバリバリの上位生を教える個人塾経営者の方からは言われそうです。

「Mさんのところは生徒が集まってきているんだから、そのレベルの生徒は切っちゃえばいいのに。どうせ代わりの生徒も入ってくるでしょう?」って。

いや、経営的にはそっちの方が大正解な気がします。

だって、手間がかからないじゃないですか。雰囲気も良くなるでしょうし。それに進学実績も出るだろうし、評判だってそっちの方がぜんぜん上がる気がしますし…。

こういう生徒に手間をかけている時間、普通に成績が上がるだろう生徒に手間をかければ、もっと違う結果が出る可能性はあります。「うん、そう言われれば本当にそうだ」と、私自身納得しちゃうんです。

『陽だまりのグラウンド』って映画知っていますか?主人公はキアヌ・リーブスがやってるんですけど…、私的にはキアヌ・リーブスはマトリックスでもなく、スピードでもなく、この映画が一番好きなんですけど、いやマトリックスも1しかまともに見てないですし、映画好きってわけでもないんですけど。

すいません、話が脱線しました。『陽だまりのグラウンド』の主人公ってクソ野郎なんです。で、そのクソ野郎が借金を返すためにスラム街の野球チームのコーチをするんですけど。物語の終盤でその野球チームの一人の少年が事件に巻き込まれて亡くなるんです。その葬式でこの主人公が言うんです。「彼が私を意味ある存在にしてくれました。」みたいなセリフを。

ずいぶん前に1度しか見ていない映画なんで、セリフもはっきり覚えてないんですけどね。(ちなみにこの映画では少年たちは健気に頑張る子たちであって、ダメなのはコーチの主人公なんですけど…)

ま、それと同じだって言っちゃうとおこがましいですし、カッコつけになっちゃいますけど…。こういう本当に勉強をできない生徒を何とかできたときって、やっぱり自分自身の仕事の意味を再確認することにはなるのかな、と。自分がやってることは確かに意味のあることなんだって。

そういうところが抜けないんで、Mr.M塾はバリバリの進学塾にもなれないし、受験で苦戦することも出てきちゃうのかもしれませんけど…。

何というか、この辺りは商売を抜きにした塾講師って仕事へのやりがい的なところが出ちゃってどうしてもね…。勉強をやる姿勢がある限りはどんな生徒でもやっぱり最大限手を尽くしたいとは思うんです。私のただのカッコつけですけど。

最後に改めて、皆さん、このレベルの生徒への指導で何かウルトラCがあれば是非教えてくださいッ!