ティッシュおじさん

今回は教室の店舗家賃で悩んでいる人に少しでも参考になればという記事です。

家賃交渉してますか?

私はします。相当にします。契約更新の度にしますし、教室拡大の度にガンガンします。

一人塾長でやってるなら良いですよ。

大家さんに嫌われたらイヤだとか、ケチ臭い人間に思われるのが恥ずかしいとか。

そういう個人的な悩みを優先させても、困る人間は自分一人ですから。

でも、スタッフを1人でも抱えているなら話は別。

こういうことでコストを削減するのは、経営者の役目です。

だって、家賃を削減できればスタッフの給料を増やせるわけです。

スタッフの懇親会を月一回開けるわけです。

で、家賃の交渉は経営者しかできない仕事なわけです。(従業員を100人くらいかかえる会社なら別なのかもしれませんけど。)

必死こいて家賃交渉するのが経営者としての役割だと。個人的感情を優先させている場合ではないと。

実はここ1カ月、それこそストレスをMAXでためて(普段ストレスをためることはほとんどないのですが…)夕飯をほとんど食わない日もあるくらい神経をすり減らして、大家(兼管理会社)との交渉を重ねてまいりました。

そして、先日、ついに決着がついたので、その様子を記事にしたいと思います。

家賃交渉で悩んでいる個人塾経営者の方々、少しでも参考になれば幸いです。

埼玉県の片田舎の小者個人塾経営者でもここまではやる!

交渉の前のMr.M塾と物件の状況

●中学生満席状態が2カ月続いている。

●正社員の採用が決まっている。

●今後の利益のことを考えると教室規模の拡大が必須。

という状況でありました。

大家への要望

今回は、ただ単純に「家賃を下げろ」という交渉ではなかったのです。

簡単に言えば、「あと一つ部屋を多く借りたいから、坪単価を下げてくれ。」という交渉だったのです。

タダですね…、この辺りがお前はどんだけ図々しいんだ?と思われるかもしれないんですが、「空いている部屋をもう一個貸してくれ!」という単純な要望ではなかったのです。

ダメなヒトダメなヒト

え?世の中、空いていない部屋でも借りれるの!?

Mr.MMr.M

普通は借りれません。当たり前ですけど…。

私は現在、大家さん(管理会社)から4部屋借りています。つまり、次に借りたいのは5部屋目になります。その5部屋目は当然、今の4部屋と連結していた方が管理面で圧倒的に有利です。ということは、是が非でも隣を借りたいわけです。でも、隣は現在、管理会社が入っているわけです。

ダメなヒトダメなヒト

ということは…?

管理会社にどいてもらって、そこを借りる!と。

ダメなヒトダメなヒト

図々しい!頭おかしいでしょ!

いやいやいや、こういうことに図々しいも何もないんですよ。教室の未来がかかってるわけです、初めから丁度いいを狙ってどうするんですか?と。まず、理想を追わないといけない。一番良い結果を最初は求めないといけない。最初から妥協は絶対にダメ。

で、実は大家(管理会社)の向こう側はカラオケスナックなんです。当然、騒音が気になりますよね?そのカラオケスナックもどうにかならないかと…。

ダメなヒトダメなヒト

ハッキリおかしい!頭おかしいでしょ、キミ?

いや、もちろんド直球で「スナックもどかしてくれ!」なんて言ってませんよ?「スナックうるさいですよね~?それだと借りれないんですよね~…。でも、教室大きくしたいんですよね~。どうしましょ?」的に濁らせてますよ。ま、言いたいことは100%分かる形で濁らせてますけど…。

つまり、私の要望はスナックにどこか行ってもらって、そこに大家が移って、大家が借りていた場所を私が借りるという夢の大作戦。なぜ、大家にスナックがあった場所に入ってもらうかというと、スナックのとなりもカラオケ備え付けの居酒屋だからです…。ややこしいんで図にしましょう。

大家との交渉

この要望が通れば、Mr.M塾は大きくなるし、さらに居酒屋との間に大家(管理会社)が入ることによって、カラオケの騒音問題も解決するし、一石二鳥です!

ダメなヒトダメなヒト

いやいやいや、大家は大変でしょ?カラオケスナックだって何で君のためにどこか行かなきゃならんのよ?

実は、この話も何もないところから出ている訳ではないのです。事前情報として、カラオケスナックの経営がヤバいということを保険会社の営業マンから情報のタレコミがしっかりあったのです。大家的にも、カラオケスナックよりも家賃の支払いが開業以来滞りのないMr.M塾に借りてもらった方が良いのではないか?という読みがしっかりあったのです。

しかも、私は今までにこの管理会社移動方式の教室拡大2回ほど成功させているので、十分に勝算がある交渉だと考えて勝負に臨んでいるのです!

ダメなヒトダメなヒト

エグイなぁ~、キミ…。

改めて言いますけど、こういうことは絶対に遠慮したらダメですよ。自分の人生だけじゃなくて、スタッフの人生、お客様の満足度がかかっているんですから。ここで仕事ができない経営者はどこで仕事するんだ?って話です。

大家との交渉の記録

では、管理会社との交渉の記録を順を追って見ていきましょう。

第1回目

●要望を伝える。

●要望が通らなかった場合の動きを匂わす。

先ほどの要望を伝えます。

今回は私の予測した通り、大家としてもカラオケスナックの経営がずいぶんと微妙であるとの判断をしていました。「M先生に借りてもらった方が安心だ」的な発言まで出たので好感触。

私としては、すぐにでも教室拡大をしたいので、仮にできなかった場合、つまり要望が通らなかった場合の動きも合わせて伝えます。

ズバリ、移転です。

先ほどの図を見てもらえば分かる通り、私はすでにこの大家さんから4部屋(事業用)を借りています。家賃総額は税込みで35万程度です。私の塾は、この建物では圧倒的に部屋の占有率が高いテナントです。私がこの物件を出てしまうと、大家的には相当の痛手になると、以前にこの大家(管理会社)に勤めていた事務の方から聞いたことがあります。(私は抜け目がないので、この事務の方の個人的な携帯番号を知っており、交渉の度にアドバイスをもらっているのであります…。)

こういうことって、人によってスピード感が違うんで「ま、いつか動けばいっか。」とされるのは困る。即動いて、即結論を出してもらわないと…。ということで、「早くしないと移転しちゃうよ。」という軽いジャブは打っておきます。

ただし、この時の注意点。本当に移転を考えること。タダの当て馬みたいな感じだとたぶん、見透かされます。本当に移転を考えれば、当然ですけど、移転先のめぼしい物件の一つ、二つは用意しておくこと。ここに関しては私はずーっと気になっている物件があり、その物件の話については以前にも大家さんに話したことがあるので、向こうも知っています。

同時に家賃についてもジャブを出しておきます。これも周辺の相場(坪単価)を調べておいて、そこから現実的に無茶のないレベルの金額を伝えます。もともと私が借りている物件は、周辺よりも坪単価が高い設定になっているので、周辺坪単価と同程度の金額を今回は伝えました。

ま、どちらにしても第1回目はジャブです。大家も細かいことは抜きにして、まずカラオケスナックに探りを入れるという約束をしてもらって終了です。

第2回目

3日後くらいに大家さんから呼び出されました。

カラオケスナックと話をしたとの報告。

「このまま、ここで経営を続けるかどうか、考えてください。」と話したのだとか…。

Mr.MMr.M

おえぇぇぇ~ッ!?大家さん、直球投げたぁぁぁぁ~!

いやぁ~不動産業界ってのは残酷です。

家賃の支払いが悪いテナントには容赦ないんですね…。

とにかく、「すぐに出ていくかどうかの結論はさすがに求められないので、数日待ってくれ。」との回答。

自分としては、速攻で動きたい気持ちがモリモリですが、それはわがままが過ぎます。とりあえず、「5月半ばまでは待ちます」と返答。大家さんもそれまでにはカラオケスナックからの回答を必ず得るとの約束。

ここで大家さんから一つの提案が。仮にカラオケスナックが移転、もしくは廃業をしない場合、防音壁を設置する条件で、部屋を借りないかとの提案。その防音壁の工事費は大家と私で折半するという条件。私は即却下。その金を出すくらいなら移転費用に回すと。

防音壁作ったって、本当に音が聞こえなくなるのか未知数じゃないですか。未知数のものにいくらも払いたくないと。ここは結構強めに言いました。

次善案を了承してしまうとそっちに流れる可能性がありますよね?ここは何としてでもカラオケスナックにどいてもらい、管理会社がそこに入るという、Mr.Mの第一希望のために全力を尽くしてもらいたい。そのために次善策に甘えられては困る、ということで。

大家との交渉(防音壁)
防音壁の工事費折半という部分が結構気になる…。だって、工事費に上乗せされて折半とか、いろいろできるじゃないですか。それにレオ〇レス問題みたいな手抜き工事とかも嫌ですし…。

第3回目

2日後に呼び出しがかかりました。

かなり早い呼び出し。これは期待できる!と意気揚々で隣の大家(管理会社)に向かう私。

(カラオケスナック、どこかに移動してくれるのか~♪いや、廃業するのかなぁ~。さぁ、あとは家賃交渉だぞッ!)

100%の勝利を信じて疑わない純粋無垢なバカ中年のMr.M。

Mr.MMr.M

こんにちは~♪

と管理会社のドアを開ける。

Mr.MMr.M

ムムムッ…?

何やら様子がおかしい…。全然、ハッピーは雰囲気じゃない。

「カラオケスナックは続けるようです。滞納分の家賃を全て支払ってくれる限り、追い出すわけにはいきませんので…。」

(えぇ~ッ!マジで~ッ!?)

結構普通の成り行きなんですけど、勝利を確信していたMr.M的にはびっくりの結果…。

「防音工事の件も含めて、お話しできればと…。」という若社長。

「はぁ…。」意気消沈のMr.Mは気のない返事を残して大家の事務所を去るのであります…。

第4回目

この時点での自分の決着点は、「防音工事を大家に全額負担でやってもらい、さらに防音工事が効かなかった場合に解除できるという契約」に変わりました。

ダメなヒトダメなヒト

都合良すぎじゃない?

Mr.MMr.M

そうなんです、都合良すぎなんです!

でもね、物件の賃貸のことって素人には全く分からないじゃないですか。その分からない世界で、最初から妥協したら、それこそドンドン足下見られて余計な費用まで取られることなんでザラだと。素人なんですから、どこがちょうどいい決着点なんて分からないわけで。だったら、できる限り都合のいい条件を追うべき。

ただし、今回の私からの提示。大家(管理会社)の若社長の何かを刺激しました。明らかに表情が変わり、口調が強くなりましたよね。

「さすがにそれは無理だ。」とのこと。

「仮に工事費をこちらが負担して、それでもダメで出て行く、となられたらこちらは丸損だ。」とのこと。

ダメなヒトダメなヒト

おっしゃる通り!

そうなんですよね、それは分かっててこっちも言ったんですけど、さすがに調子に乗っていたようです…。

でもね、大家には大家の都合があるように、こっちもこっちの都合がある。100%の要求は通らないかもしれないですけど、塾のこと、スタッフのことを考えれば100%の要求を通す努力はしないと。

ただ、今までは「何とか、M先生の希望に近づくように…。」みたいなニュアンスで話が終わることがほとんどだったんですが、今回に関しては明らかに若社長は「譲らん!」という感じに見えました。

この若社長の態度が私をある行動に走らせることになるのです…。

第5回目

若社長の断固たる決意みたいなのを感じた私は、「これはひょっとすると物件自体借りれないかもしれないぞ…。」と最悪の事態を想定し始めました。教室の発展を考えると、それだけは絶対にマズイ!家賃うんぬん、防音工事うんぬんは別として、教室拡大の道を閉ざされることだけは避けたい。

ということで、これはもう移転しかないかも…。という弱い気持ちになったのです。で、不安な気持ちを抱えるのが極度に苦手な私は、次の日には速攻で気になっていた物件の内覧をしに行ったのです。

駅の真ん前。築35年以上の古ぼけた物件。広さは十分、でも汚い…、ボロい…、トイレは和式…。う~んないなぁ…。

私の表情を見てか、紹介してくれた不動産屋の営業マンの方が、「Mさん、お時間あれば事務所まで来ませんか?他にも物件が紹介できるかもしれませんから。一応、この物件の資料も渡しておきますね。」と。

期待ほぼゼロで不動産営業マンの車に乗り込む私。色々話をしてくれるのを何とな~く聞きながら、何とな~く、さっきのボロい物件の資料を見る。

…んっ?なんかネット情報と違うぞ?

この辺りは先日の記事にも書きましたが…。

何とネット情報よりも10万円も安い賃料がそこに載っているではありませんかッ!

今現在の私が払っている家賃と比べたら、20万円も安いことになりますッ!

教室に帰った後、直ぐにエクセルで試算表を作ると…。

初期投資に600万円、700万円つぎ込んでも3年間いれば十分元が取れてしまう!

さらに、この物件の不動産屋さんから非常に有益な情報が…。

「たぶん、Mさんが今学習塾をしている物件は、Mさんが出たら借り手つかないですよ?うちの会社だったら、絶対に手を出しませんから。ある程度、目をつぶってでもMさんに借りてもらった方が絶対に大家さんとしても得なはずなんですけどね。」と。

ここにきて完璧に形勢逆転です。もう、私の中では移転全然あり!いや、むしろ移転したい!会計事務所に速攻で融資が下りそうかどうか確認し、いざ大家の下へ!

Mr.Mの新たな要望

●防音工事、ドアの設置、などは大家が負担する。

●家賃はすべて合わせても、今までの家賃+7万円までしか出さない。(これが通ると、教室全体の坪単価が500円以上の減額になります。私の教室が今回の拡大で50坪を超えてきますから、500円×50坪=25,000円は少なくとも下がることになります。)

●要望が受け入れられない場合、即移転に向けた準備を進める。

との要求。その要求をする前には内覧した物件の資料や、エクセルの試算表も見せて説明。「感情論とかではなく、もうこれは冷静な経営判断です」とカッコつけて言い放ったMr.M。

前回の交渉とは打って変わって若社長。

「その辺りの金額については、M先生の希望通りの範囲内で考えていますので…。」と。

強気のMr.M、一週間以内で結論が出せるようにと改めて要望。

第6回目

第5回目交渉から5日後、新たな提案を大家(管理会社)から出されます。

基本的に全ての要望が通りました!

ただし、これだけの工事(ドア設置、防音工事、大家さんの新たな事務所建設費)を大家が負担するのだからすぐに出て行かれては困るとのこと。

ま、そりゃそうです。

ということで、解約の違約金規定を作りたいとのことで…。

6年間の居続けるという制約を提案してきました。途中で出て行けば違約金が発生するという契約。向こうも必死です!

却下、3年までなら良し!⇒3年で妥結。

5個の部屋を一括にまとめて新しい契約に変え、礼金を2カ月欲しいとのこと。

却下、礼金なし!⇒懇願され、礼金0.5カ月で妥結。

「あとは従前の契約を基本的に踏まえますので…」という感じで交渉終了。

まあ、防音工事、ドアの設置、さらに管理会社の事務所移転費もありますので、礼金0.5カ月、解約規定3年くらいは妥協しようかと…。坪単価で考えれば、家賃は相当に安くなりますので。

(なんと大家の移転先は、今の建物のそばに新たに作るとのことで…。「何か、悪いことしちゃったな…。」と微妙に思いつつ、こっちも命がけの経営なんで。)

交渉の決着点

ここまでやってもらったんです。もう、これでいいでしょ?と思うのが普通ですよね?

でも、この交渉には最後の最後、とてつもない爆弾が潜んでいたのです…。

というのも、色々、大家兼管理会社の若社長と交渉しましたが、実は結構大事な部分がサラッと流されていたんですね。

1つは各部屋の契約をまとめて一括契約にするということ。大家サイドはあくまで「契約の煩雑さを解消するため」という説明で流しましたけど、コレ、一括契約にすることによって解約規定がモロに効いてきますよね?従前どおりの各部屋の個別契約であれば、解約に引っかかるのは一部屋だけです。一部屋分の違約金で良いわけです。それが一括になれば5部屋分の違約金がのしかかってくる…。(勝ち誇って意気揚々と交渉に臨んでいた間抜けなMは、その場では気づかなかったんです!)

もう一つが、ホントにサラッと流された保証金の部分。「では保証金は3.5カ月で…」という感じで、あたかも今までもそうでしたよ、的に説明されたんですね。で、金額を確認すると「結構高いな」と。そうは思ってたんですけど、大家サイドが他に何も言わないので、ま、今までもそんなもんなのかな、と。

勝利を確信して油断をしている人間ってのは、本当にダメなんです…。これだけワガママな要求をガンガン出しておきながら、最後の最後で油断するという…。

その日の夜に改めて今の契約書を確認すると、なんと保証金は2カ月で締結しているのです!新しい契約はなんと保証金が1.5倍になるという改悪を含んでいたのです!

猛烈に怒りが沸き起こったMr.Mは、もはや移転しかない!と。「あの野郎、バカにしやがって!」という気持ち100%ジュースが耳の穴から漏れ出してきたのです!

第7回目

居ても立っても居られない私は、朝っぱらから管理会社に電話。「今から行く」と告げ車を走らせる。

前日の夜には相棒講師に「いや、もうね、移転するから。ま、感情的にはならないで話はするけどね。」と言い、当日の朝には食欲のない私を心配する妻に「ま、感情的になってもしょうがないからね。保証金と一括契約を指摘して、修正しないようなら移転するだけだけどね。」と。

で、管理会社のドアを開け2分後、キレてました…。ふざんけんな、と。だますようなことするな、と。結構な感じで言ったためか、大家(管理会社)の若社長も感情的になってきました。「そんなことは言ってない。説明もちゃんとした。私は昨日から契約に向けて準備している。それを即日反故にするとは常識的に考えてどうなのか。」的な…。

ま、おっしゃる通りなんですけど、やっぱりね、どう思い返しても説明不足でしょ?って部分はぜんぜんあると。不動産の素人相手に、その説明ですべて分かれというのは無理があると。

売り言葉に買い言葉とはまさにこのこと。

最後には当たり前ですけど、「キィ~~~~、出てってやる~ッ!」です!ま、もともと出ていくつもりで、この日は管理会社に乗り込んだんですけどね…。

と、ここまで私と若社長は立ちながら言い合いをしていたのですが、横で見ていた若社長のお姉さんが「二人ともとりあえず座って話したらどうですか。」と。

座る二人。すると、なぜか気持ちが少し落ち着き、「本当は昨日の時点では、今まで育てて来てもらったここでこれからも塾を大きくしようと覚悟を決めていたんです。」と口からポロっと出たんですよね。そしたら、今度は若社長が「たしかに説明不足があったんだと思います。でも、本当に工事費など考えるとギリギリなんです。どうしても保証金の部分でご協力いただきたかった。」と。

何かこんな感じの会話が出た後、流れが一気に変わったんですね。お姉さん再び、「M先生が気になるのは保証金の部分と一括契約の部分だけですか?」と。「保証金の部分に関して、今回だけ協力いただけませんか?次回の契約更新時には従前の2カ月に戻しますから。解約規定がどうしても気になるなら、一括契約はなしで各部屋の個別契約でもいいですし。」とのこと。

本当は今回も保証金は2カ月にしてほしいですし、解約規定もない方がいい、けど、何でもかんでも100%要求を通そうってのはやっぱり都合が良すぎるのかな、と。そもそも金額に関しては前日に了承していたわけだし…。ということで、大家さんに協力するという意味でも最初の保証金3.5カ月は飲むと。あとは一括契約なしで、個別契約にしてもらえれば昨日の話の通りで契約すると。

大家側もそれなら、ということで、ここに7回にわたる物件交渉が終着を迎えたわけです…。

Mr.MMr.M

いやぁ~長かったなぁ。

この日の夜、大家(管理会社)から突然呼ばれ、「何だ?何だ?」とちょっと不安に思ったんですけど、「となりのカラオケスナックで社長が今歌っているんで聞いてください。」とのこと。いや、社長の歌声を聞くんではなくて、となりで歌ってるとどのくらい響くのか確かめてみてくれ、ということです。

でね、これがほとんど聞こえないんですよ!実は防音工事うんぬんの話が交渉の一つの懸念材料になっていたんですけど、すでにカラオケスナックは防音工事がされていて、音がかなり軽減されていたんですね。とりあえず防音工事なしでも全然いけそうで、「どうしもてダメだったら、言ってください。そのときは防音工事の措置を取らせていただきますので。」という話に。

(最初からこの事実を知っていれば、こんなに紛糾することもなかったんじゃないか?という気持ちはしまっておきます!)

色々あった今回の物件交渉。最後は大家のカラオケで終わることになるとは…。

家賃交渉をするために必要なこと

今回の7回にわたる交渉を経て、私が感じた大家との交渉で必要なことを挙げてみます。

①有利な立場

これが最も大事かもしれません。大家さんも結局はビジネスです。人間的な好き嫌いは多少は関係するでしょうけど(そういう意味では私は嫌われてる可能性が高いですが…)、儲かる相手を邪険にはできないわけです。

私の場合は、この建物では圧倒的に賃料をおさめているテナントであること。私の塾がこの建物を抜けると、大家にとっては相当の損失なわけです。(それこそ年間賃料で、大家所有のハイブリットカーが一台吹っ飛ぶ額なわけです。)

「別にあなたが出て行っても全然大丈夫だよ~♪」という立場で交渉というのは結構厳しいでしょうね。交渉したいなら、まず有利な立場になることを目指しましょう。

②対抗となる物件

今回、実際に移転を決めかけた物件がありました。完全な当て馬状態だと見透かされて効き目がないかもしれませんが、本気で移転を考える物件なら効果があるでしょう。

私は今までも数回、移転を本気で考えたことがあります。その際も大家側から家賃の減額の話などがあり留まった経緯があります。

大家側から見て「あ、コレ、本当に出て行くな。」という物件が見つかった場合は、家賃交渉の武器に使ってもいいかもしれません。ただし、交渉決裂の際は本当に出て行く覚悟がないとダメですよ。

③情報

今回、ある程度自分の思うような決着点を見たのは、対抗物件の本当の家賃が分かったこと。そして、対抗物件の内覧にて話をした不動産営業マンの言葉。「Mさんの塾に出て行かれたら、あの物件を借りる人はいないのでは?」という話。

その2つの情報が一気に交渉を有利に持っていきました。対抗物件の家賃に関しては、大家サイドも「確かに安い…。」とうなっていました。不動産営業マンの話は、大家サイドには言いませんでしたが、私にとっては強気に出るための大きな材料になりましたよね。

あとは自分が要求した家賃も、周辺の同程度の物件の坪単価を調べて出したものです。これについては不動産賃貸サイトを調べればすぐに分ります。突拍子もない家賃交渉をすれば、速攻で拒否られて印象を悪くするだけになるかも…。

家賃交渉の際には不動産賃貸サイトで、坪単価くらいはおさえておきましょう。

④覚悟

「ちょっとでも安くなったらいいな。」くらいの気持ちでは、この戦いは勝ちきれないでしょう。経営者として自分にしかできない仕事、教室を守るための仕事、スタッフの生活を守るための仕事、そういう覚悟で臨みましょう。

この物件で自分は何としてでも戦い抜くのだ!そのために大家さん、何とか協力してくれ!俺の人生がかかっている、俺の塾の存亡がかかっている、だから家賃を下げてくれ!そのくらいの覚悟が必要です。

大家さんに言ってみたらちょっとだけ安くなった!ラッキー!

自分が住むアパートとか、自分一人でやってる塾なら別にそれでいいですけど、他人の人生も巻き込む仕事でそんな中途半端は無いと。

⑤信頼関係

こんなゴリゴリ交渉しておいて自分が言うのも何なんですけど、大家さんとの信頼関係は超大事です。というのも、今回、私は家賃交渉を初めて若社長としたんです。以前は、この若社長のお父さん、もしくは、その時にいた事務さんとの交渉だったんです。

で、とくにその事務さんとは普段からかなりコミュニケーションをとっていて(息子さんの学習相談なんかもちょくちょくしたり)、交渉はいつもスムーズだったんです。(この方は、最初の方に書いた交渉の度に私がちょくちょくアドバイスをもらっている方です。)

「先生に有利になるようにできる限りのことはします。」「はい、じゃあ、それでお願いします。」

これで済んだんです。

でも、今回はほとんどコミュニケーションを取ったことのない若社長。やっぱりこっちも警戒する。で、向こうも向こうで警戒する。なかなか話が進まないのはお互いがお互いを知らないからかもしれません。

ま、今回の一件を通して、何となく若社長のことが分かりましたし、向こうもこっちのことが分かったと思います。第7回目の交渉の最後は結構ぶっちゃけトークも出ていましたし、今後のお付き合いはスムーズにいくような気はしてます。

ダメなヒトダメなヒト

若社長よりもキミが問題だと思うけどね…。

⑥正常な家賃の支払い

当たり前ですけど、やることやらない人とは誰も話をしてくれませんからね。

払うべきものも払わないで協力してくれるわけがない。

家賃交渉をしたいなら、毎月しっかり遅れずに家賃を入れましょう!

⑦冷静な対話と判断

最後の交渉。きっと私が感情的にならなくても、気になる点を普通に伝えれば同じ結果になってるような気がします。だって譲ってくれたのは、感情的になってる若社長ではなくて、横で見ていた若社長のお姉さんだったんですから。多分、普通に話を進めていてもお姉さんはこちらの意図を組んでくれたと思うんです。

お互いが感情的になって、交渉決裂寸前まで行って誰も得にならないという…。

いや、移転してれば家賃の安い場所でもっと利益が出ていたって?実はですね、この話には恐怖の後日談がありまして…。

全ての決着がついた後、スタッフや卒業生に「いやぁ~実は移転も考えていたんだよね。ほら、駅前のあの建物なんだけど。」って話したんです。

そしたらですね、話す相手が百発百中、顔が曇るんです。で、「えっ?あそこですか…?あそこはダメじゃないですか…?何か暗いし。」みたいに言うんです。こっちとしても移転を本気で考えていただけに「いやいやいや、内装とか外装にもそれなりに費用を出すつもりではいたんだよ。キレイにすれば行けるっしょ?」って反論するんですけど、「いやぁ~…、何かそういう問題じゃないような気が…。」とみんながみんな、そういう反応をする訳です。

駅前なのに?私も相棒講師も生活圏ではないだけに、よく分からなかったんですが、普段使いしている人間からすると、どうやら完璧にアウトらしく…。「あそこに移ったら塾潰れるんじゃないですか?」なんて言うスタッフもいる始末…。

Mr.MMr.M

あぶねぇッ!

家賃の安さに釣られ、そして感情に任せて決断していたら今頃どうなっていたか…。(こんなバカな私を止めてくれた若社長のお姉さんと不動産の神様に感謝ですッ!)

⑧感謝と今後の展望を伝える

100%要求が受け入れられることは少ないと思いますけど、でもある程度の要求が受け入れられた場合には感謝の言葉とか、今後の展望なんかを伝えるべきです。交渉が妥結したということは今後も付き合いが続きます。「譲ってやったのに何だその態度は?」って思われたら、次の交渉は応じてくれないかもしれません。

やっぱり、「まあ色々あったけど、一生懸命な奴だから応援してやろうかな。」って思われた方がいいじゃないですか。

ホント、私の場合はコロコロ態度が変わる厄介者なんで、最後にはメチャクチャ感謝をして終わりました。でもって「あと少し、この場所で塾を大きくできればもう移転うんぬんではなくて、2教室目って形に持っていけるはず。そうすれば、もうここから出る出ないの話はなくなると思うから、それまで力を貸してください!」的なことも伝えました。ま、それは本気でそう思ってますし。

こういう交渉ごとって、90%以上は金の問題だと思うんですけど、残り10%くらいは気持ちの部分が大事だったり。われわれもそうじゃないですか?月謝さえもらえれば当然きっちり教えないといけないですけど、「金払ってるんだからちゃんと教えれくれよ。」的なお客様よりは、「信頼してますので、何とかよろしくお願いします!」ってお客様の方が力を尽くしたいって思いますよね?

Mr.Mが勝ち取った交渉結果

●大家(管理会社)の移動と新たな教室の賃貸

●坪単価500円以上の家賃減額

●ドアの設置、防音工事の貸主負担(※保証金に含まれているんで微妙ですけど…。)

●次回契約の保証金を3.5カ月⇒2カ月に

●違約金の6年縛り⇒3年縛りに

●すべての部屋の一括契約⇒各部屋の個別契約に

ま、単純な家賃交渉ではないので参考になる方は少ないかもしれませんが…。

アパート1室開業から、どんどんその建物を侵食するように部屋を増やしていくと、このくらいの交渉をしても何とかしてもらえたりします。(借り手がガンガン見つかるような人気物件だと厳しいかもしれませんが…)

最後に断っておきますけど、私も最初っからこんなワガママな要求して来たわけじゃないですから。アパート1室開業の当初は、「家賃を下げてもらえたら嬉しいんですけどね~、アハハ。」くらいしか言えませんでした。ま、そのくらいの感じだと家賃を下げてもらうことはできませんでしたけど。

Mr.M的にガンガン押していくのは、その建物内でそれなりの占有率になったときに発動すべき、ということで。以上!