大手にできないことをやるのが個人塾の生きる道?

生徒数減

もうね、これ聞いちゃうと吹いちゃうんですけどね。

よく言うんですよ、個人塾の先生方集まると。

「大手にできないことを我々はやらないとね~。」って。

セミナーとかでもよく聞いたりしますか?(ちょっと私はセミナーに行かないんで分からんのですが…。)

ま、コンサルタントさんのホームページには書いてあったりしますよね~。

いや、本当に大手に出来ないことやってる個人塾もありますよ?

で、滅茶苦茶生徒集めてる塾とか。

でもね、そういう先生方ってあんまりそういうこと言わない。

そんなの大前提だから、と考えてるから話題にも上らないんでしょうね~。

だって大手に出来ないことやるしかないじゃないですか。だって大手がやること、ほぼ何一つわれわれって出来ないんだから。金もないし、人もないし、しまいには時間もない。

同じことやれるっていう考え方自体がおかしいんです。大手と違うこと?そんなの呼吸するのと同じレベルで当たり前。税務署に開業届出した瞬間から、大手と同じようにできないってのは運命なんです。

「大手にできないことを我々はやらないとね~。」

次に来るのが「大手は儲け主義。われわれは一人一人に親身になって…。」って?

古き良きですよ、その発言。

古き良き時代なら通用しますけど、今、それを本心から当たり前のように口に出しているなら、潰れ行く、ですよ?潰れ行く塾の代表として、潰れ行く運命に対して、適切な発言をしていると自覚した方がいい。

親身に丁寧にって言うなら、たぶん私は大手学習塾時代のときの方がすごかった。

ま、儲け主義だからってのがあると思いますけど(今も儲け主義ですけど、立派に。)、そりゃ退塾かましたら会議とかでメチャクチャ焼かれる運命が待っていたんで。

退塾しないようにそりゃもう親身に丁寧に接しましたよ?

え?それは形だけだって?じゃ、心の中味って誰か見えるんですか?で、それを誰かが評価してくれるんですか?

申し訳ないですけど、上場企業の儲け主義の大手塾だって、現場で働いているのは一個人ですよ?熱心に丁寧に指導している人は、やっぱり気持ち入れてやってますって。(上は知らんけど。)

大手塾=儲け主義=機械的・ビジネス的

そんなのステレオタイプもいいところで、それはアメリカ人が日本人は皆ちょんまげつけて、年がら年中納豆食ってるって思っているのとそうは変わらんですよ?

生徒指導している講師の一人一人は、それこそ個人塾経営者よりもハードな勤務状況で、それこそ「生徒のために」を最後のよりどころで頑張ってる人、たくさんいるんですから。

ま、ちょっと話が外れてる感じですけど、つまり多くの人が発言なさってる「大手塾に出来ない個人塾の強み」みたいな話ってのは、ホント的外れですよ?ってこと。世の中には個人塾の人間よりも親身に丁寧に、一人一人の生徒のことをそれこそ自分を犠牲にしてでも考えてる大手塾の講師はたくさんいますよ?ということ。

大手塾にできないこと、なんてこと本気で考えるんだったら、生徒が辞めるくらい週5でガンガン補習に呼んだり(大手は退塾が怖くてできないんで)、カリキュラムなんかなしでガンガン授業進めたり、スタッフ一同残業なしの週2で休んだりとか、そういう形として見えるものじゃないと。

で、それって後で書きますけど、別に「大手に対抗」なんて大げさなことじゃないでしょ?仮想敵とかそんな言葉使っちゃう人もいますけど、そんな大それた経営レベルまで行ってる人ってなかなかいないですよ?生徒数100人未満で大手塾に対抗も仮想敵もクソもないと思いますけどね、私は。

前提として間違ったスタートラインに立つ個人塾

「大手に出来ないことを」思考の人に対して、なんで私がこうも否定的なことを書くかって言うと、なんか塾経営の前提として間違ったスタートラインから始めちゃってる気がするんです。

スタートラインが間違っちゃってるから、やることなすこと見当はずれ。

身の丈に合ってない戦術というか…、個人塾がリスティング広告出す意味がどれだけあるのかって話だったり…。業者にそそのかされてSEO対策に金出したり、何かよく分からん予約システム導入させられたり(美容院じゃないんだから…、しょせん生徒数100人未満の個人塾なんて、そんなシステムなくても全然面談とかさばけるでしょ?で、予約システムあった方が問い合わせが増えるって?いや、そんなシステムがなければ問合せしないような軽い動機なら、訳の分からない個人塾なんか絶対に選ばない。予約システムもあるし、受付だって常時いるような大手塾に行くでしょ?)

「大手に対抗するために」これがどれだけ空しい浪費を生むことか…。

たとえばですよ、私、車に関してはど素人なんです。運転は毎日のようにしますけど、いわゆる車ってのは走れば良しッ!って考え方の人間で、全くこだわりとかないんです。そういう人間にとって、たとえばタイヤ交換したいだの、オイル交換したいだのって場合、どこ行くかって言うと、イエローハットだの、オートバックスだの大手カー用品店に行くわけです。

そのときに決して町の整備屋さんは選択肢に入らないんですよね。イエローハットとオートバックスと、埼玉なんでオートアールズの比較はしたとしても、そこに町の整備屋さんが入ることはまずない。仮に町の整備屋さんが、イエローハットやオートバックスに対抗しようとムキになってリスティング広告かまそうが、予約システム導入しようが、私レベルの車ど素人顧客がいきなり町の整備屋さんを選択肢の一つに挙げることはまずないんです。

仮に町の整備屋さんを選択肢に挙げるとすれば、大手カー用品店に何かしらの不満を持ったとき。もしくは信頼できる知り合いから紹介されたとき。そのとき初めて町の整備屋さんが選択肢の一つとして浮上するわけです。

ココが理解できてないと、まず経営の入り口の時点ですべてを誤る。完璧に間違った戦略にもとづいて仕事を進めることになる。どんなに頑張ってもがいてみても「なんで一生懸命やってるのに、ぜんぜんうまく行かないんだろう…?」ってストレスためて、目の前の仕事も終わらず、まさにバタバタ貧乏を地で行くような経営者になってしまう。

町の整備屋さんが、イエローハットと同じレベルで商品数増やしたって無駄ですよね?オートバックスと同じシステムを大枚はたいて導入して、なんか良いことあるでしょうか?金の無駄ですよね、きっと。

そうじゃない、町の整備屋さんがやるべきことは、大手に対抗したり、大手の真似をすることじゃない(そもそもそんなのできっこない)。町の整備屋さんがやることは、自分のキャラを売る、そのためにホームページでブログを頻繁に更新する、お客様が来てくれたら色々話を丁寧に聞いてそのお客様のことを趣味や家族構成まで覚える、何かある度に手書きの手紙を送る。そういうことですよ、やるべき戦術は。

間違った認識とは下のようなイメージ。

大手に対抗意識を持った個人塾の間違ったスタートライン

何かにつけ「大手が」「大手が」って、口癖になってる人は頭の中がこういう感じなんだと思うんです。で、自分でもこの競争には勝てないって頭の中で分かっているから、経営的にはもちろんですけど、精神的にもどん詰まり感半端ないんです。

個人塾は「おこぼれ思想」で戦え!

本来、こういうイメージで個人塾経営はやるべきでは?というのが下。

個人塾の主戦場

大手との競争なんかないんですよ。そもそもいる場所が違うんだから。スタートラインに立つ資格さえないんです、われわれ零細個人塾は。

でも、それでいい。別に上場企業の社長になろうって人はいませんよね?年間5000万超稼ぎたいって人も、個人塾開業者じゃなかなかいないですよね?せいぜい1000万円プレーヤーを夢見るくらいだと思うんです。

だったら、大手塾のおこぼれ、脱落者、つまり大手塾からの退塾者をまずは狙うべき。脱落者が落ちて来る場所、それこそが個人塾がいるべき場所。自分のいるべき場所を受け入れることができれば、戦い方が変わるんです。大手塾に置いて行かれないようにする必要は全くないんですから。だって大手塾と競争してるわけじゃないんですから。

「おこぼれ思想」を受け入れて、「おこぼれ思想」で戦う個人塾こそが学習塾乱立時代で生き残るのだと。

隣の個人塾にできないことをやる個人塾が生き残る。

勝つ

さっきの図を見れば、われわれ零細個人塾の敵って誰だか分かりますよね?

そうです、個人塾です。われわれの敵は、われわれの隣にいる個人塾なんです。

大手塾の集客力には絶対に勝てないですよ?勝てないどころか対抗すらできません。

でも、大手塾からも脱落者は必ずいるんです。で、その脱落者のうち何%かは、「大手塾ってやっぱり言ってることがどこも同じっぽいなぁ…。」「もう、大手塾じゃなくて、小さい塾でガッツリ勉強教えてもらわないとダメかもなぁ…。」という生徒が必ずいます。

そういう生徒たちが、われわれ個人塾が待ち構えるテリトリーに入ってくるんです。ここを狙う。ここの勝負を意識できているかどうかで、戦い方が変わる、勝敗が変わる、生き残りの可能性が大きく変わってくる。

大手からの脱落者をどの個人塾が一番初めに拾い上げるか?どの個人塾が一番多く拾い上げるか?

肉弾戦なんですよ?白兵戦なんですよ?弱者同士のガチガチの奪い合い。カッコつけてる場合じゃない。流行りの画期的な集客方法に心奪われている場合じゃない。今、塾の前を通りがかった生徒、その子が大手塾に嫌気が差して、家の近くの塾を探している1人かもしれない。その子をいち早く確実に自分の塾に引き込む戦術を真剣に考えなきゃいけないんです。

私が提唱している「塾ロードの端」理論なんて、まさにその戦いを想定しての考え方。「コバンザメ商法」も個人塾の戦うべき場所を意識しているからこそ出てくる考え方。大手塾と同じ目線で戦っている限り、たぶん私の言うことは理解してもらえないでしょう。でも、大手塾と同じ目線で戦っていて、生徒数増えました?「大手塾が」「大手塾が」って嘆き続けて何かいいことありました?

われわれが生き残るためにやることって、隣の個人塾にできないことをやること、ですよ。隣の個人塾よりも早く「おこぼれ」を獲得できるか。隣の個人塾が拾った「おこぼれ」をどれだけの確率で奪い取れるか。(悪口とか言ったらダメですよ、それは経営的に最悪の一手です。他塾の悪口を言う塾は、まず間違いなく流行りません。)

隣の個人塾が出せない実績を出す。

隣の個人塾が出来ないくらい長時間生徒に勉強をさせる。

隣の個人塾よりも大きな声で元気で楽しくエネルギー持って指導にあたる。

隣の個人塾よりも教室をきれいに保つ。

隣の個人塾よりも目立つ面白いチラシを作成する。

隣の個人塾よりもチラシの部数を多くする。

隣の個人塾よりもホームページの検索順位で上に来るようにする。

隣の個人塾よりもブログの更新頻度を上げる。

隣の個人塾よりも性能の良い印刷機を使う。

隣の個人塾よりもバイトの離職率を下げるために、バイトのモチベーションを高く保つ工夫をする。

隣の個人塾よりも質の良いトイレットペーパーをお客様に使ってもらう。

隣の個人塾よりもオシャレなゴミ箱を設置する。

隣の個人塾よりも面白い掲示物を作り続ける。

私はそういうことだと思いますよ?そういうことの積み重ね、そういうことの継続、そういうことの徹底が生き残る道だと。

少なくとも私はこの程度のことしか考えてないですし、この程度のことしか実践していません。ま、能力が低い私だと、こういう地道で小さいことを半径1㎞以内のどの個人塾よりも徹底してやり続けるしかないんですけど。

こんなんでも10年以上、学習塾業界で生き残り、ホント徐々にですけど教室も大きくして来ていますから。1ミクロンくらいの説得力はあるとは思ってるんですけどね…。


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