ブログ読者対談も6回目を終え、さらにメールでの相談件数も増えてまいりました。

とくに「これから学習塾で起業したいんですが…」という方からのメッセージ。

ま、このブログの趣旨が学習塾経営に関してですので当たり前と言えば当たり前ですが…。

その中で私が感じる違和感。

それは、開業の動機と経営スタイルのズレ。

多くの方の開業の動機が「今の仕事にやりがいを持てない。子供たちに勉強を教えることは楽しそう。そういうやりがいのある仕事をしたい。」という、いわば指導に対してのやりがいを求めての開業。

なのに開業スタイルが個別指導塾だったり、自立型個別指導塾だったり。

ま、業界未経験の方だと、いろんな不安があってのFC加盟を選んじゃうんで仕方ない部分かもしれませんが…。(集団指導塾のFCとかないですもんね。)

ハッキリ言いますが、年収500万以上を考えたら個別指導塾とか自立型個別指導塾やってたら、「指導にやりがい求める」なんて厳しいですよ?

「個別指導」って響きが、何か家庭教師とか一人一人に親身になって…的な牧歌的なイメージを呼び起こすんでしょうが、年収500万クラスでさえ、「個別指導」の経営者なんて「指導にやりがいを求める」なんて悠長なこと言ってられない状態だと…。

ま、今回はこの辺りのことをアレコレ書いてまいります。

自分自身の開業の動機がどういうものなのか。それによって選択する指導形態は、ホント、慎重に選んでいかないと…。

とくにFC加盟してしまったら、「こんなはずじゃなかった!」では済まされないですから…。

あ、あとは最大の注意点として、あくまでも私の個人的意見ですからね!世の中の真実みたいに信じてもらっても困りますから!

個別指導、自立型個別指導、集団指導に向いている人は?

勝つ

ではまず始めに従来型の個別指導、自立型個別指導、集団指導の経営に向いている人をそれぞれ見ていきます。

個別指導塾経営に向いている人

すでに会社経営をしている方が向いています。(もしくは多少博打的でもいいから早期にがっぽり稼ぎたい人?)

講師:生徒=1:2とか、1:3とかの従来型の個別指導塾って大体FC加盟のパターンです。

フランチャイズのノウハウを使って、早期に売上たてて多店舗展開に持っていこうって気が最初からなければ、FC加盟の個別指導塾経営は厳しいと。

さらに言うと、自分は経営管理だけして、教室長を雇って実際の教室管理は任せてしまう、みたいなビジョンが最初からある人が向いています。

要は「指導」をする気は最初からサラサラなく、事業の一つとして如何に楽に売り上げを立てられるかを考えたときに、「個別指導塾」の経営を選択するような人が向いているということ。

生徒数がどの時点になったら、教室を売却しようかなど、かなりドライに学習塾経営を考えている人ならFC加盟の個別指導塾はありだと。

自立型個別指導塾経営に向いている人

上を望まず、ギリギリ食っていけるだけの生活を望む人。年収としては300万円前後?(そんな人がいるかどうかは分かりませんが…。)

塾講師としての能力の向上を望まず、また、生徒の成績向上も望まず、生徒とのおしゃべりなどで生徒を繋ぎ止めていくことを考えている人。

ただし、生徒が容易に辞めていくことも精神的に受け入れていることが必要。自立型はシステムを前面に売るため、どの塾に行っても代替可能だし、システム自体が成績下位層と成績上位層に対応できないため、生徒が容易に辞めていく?との話も聞きます。

生徒の成績を上げたり、退塾を減らしたいなら、結局のところ講師としての指導力も必要になる。(だったら集団指導経営にした方がいい、という話。)

集団指導塾に向いている人

職人気質の人。

「生徒の成績を上げることによって売り上げをあげる。」と考えている人。

指導のやりがいを求めて開業するならコレ。

自身の指導スキルと人間性、合格実績などによって売上をある程度まで塾を大きくすることが可能。

実は多くの人が求めている「先生と生徒の牧歌的風景」の実現は、集団指導塾の経営が一番向いている。

個別指導、自立型個別指導、集団指導に必要とされる能力など

夢・希望

まず、私の独善的な評価を一覧にしました。

個別指導塾 自立型個別指導塾 集団指導塾
必要とされる経営センス ★★★ ★★
必要とされる管理能力 ★★★ ★★★
必要とされる営業スキル ★★★ ★★★
必要とされる指導スキル ★★ ★★★
目指せる売上規模 ★★★ ★★
年収500万に達成しやすさ ★★★
ストレス ★★★ ★★
休み ★★★
将来性 ★★ ★★★
年収500万に達成しやすさ ★★★

よく分からん、と思わるでしょう。なので、一つ一つ説明していきます。

必要とされる経営センス

どのタイミングで資金を投資するか、とか、融資を受けるとか。もしくはどういう人を採用するとか、教室拡大していくかとか。チラシを何枚まくかとか。広告媒体に何を使うかとか。事業の方向性をどうするかとか。

そういう部分を経営センスと取りました。

最も経営センスが必要なのが、個別指導塾。なぜなら、個別指導塾の経営を選択した時点で、ほぼ100%フランチャイズですよね?なので経営のスタート地点から、センスが要求されてます。

どういう看板、どういう世間的イメージ、どういう将来性のFC本部を選んだらいいか?

コレ、多くの人が勘違いしてるような気がするんですけど、サポートの多さとかで選ぶのって結構ズレてるなって。サポートの多さとかを気にするってことは、自分自身が何か教室運営だとか指導にのめり込むって前提の意識なわけですよね?何か泥臭い経営に自らどっぷり浸かることをイメージしているわけですよね?

そういう人はFC加盟の個別指導塾選ぶべきじゃない。そういう地道なことを想定しているなら、加盟金、ロイヤリティが発生するFCってのはリスクが大きすぎるんです。地道に長く、みたいなことを想定しているなら、ランニングコストはできるだけ抑えていかなきゃいけないんですから。

サポート体制何かどうでもいい、そんなものは教室長雇ってそいつに何とかやってもらう。FC本部に必要なのは、看板の強さ。イメージの強さ。一気に生徒を集めて、多店舗展開に持ち込める看板を持ったFCはどこなのか、どこに投資すべきなのか、個別指導塾を選択するならそういう経営センスがスタート地点から必要なわけです。

FC加盟=「さあこれからサポート受けて、一生懸命働いていくぞ~」ではなく、FC加盟=「儲けられる看板への投資」みたいなイメージを持っているかどうか。「一生懸命働いていくぞ~」は別の誰かに任せられる割り切りをスタート地点から持っているかどうか。

という部分で、FC加盟を前提とする個別指導塾経営に必要とされる経営センスは★3つです。

自立型個別指導塾の場合は100%FC加盟が必要とも言えませんし、自分自身がプレイングマネージャーになるということで、ま、何とか自分自身の指導スキルとか人間性で粘れる余地もありそうなんで★2つ。(ただし、どこも同じような謳い文句のICT学習システムをどう差別化するか、どういう商品を売っていくか、など、それ相応のセンスは必要。)

集団指導塾は、それこそ超優秀な職人であれば、他に何もなくても生徒を集められる可能性があるということで、経営センスが★1つでも十分に成り立つ、と。

必要とされる管理能力

個別指導塾という形態である限り、従来型であろうと自立型であろうと管理能力は相当に必要。

生徒が増えれば増えるほど、どんどん必要になる。従来型、自立型共に★3つ。

(ただし、100%オーナーに徹しきれるだけの資本を持つ立場になれれば、管理者は雇ってしまえばいいので、★0。法人経営のFC個別指導塾のオーナーが★0パターン。)

従来型個別指導塾は、生徒の管理以外にも学生アルバイト講師の管理も含まれるので、★5つくらいあげてもよさそうだけど…。

集団指導塾の場合、同じ時間帯には同じ学年の生徒たちが同じ内容の授業を受けに来るため、管理の手間が非常に少ない。
さらに自身の指導スキルやトークスキル、人間性、威厳など、そういう部分が成長すればするほど、お客様を引きつけ、こちらに合わせてもらえるようになるので、管理の必要性が低くなっていく。

ということを踏まえ集団指導塾経営は★1つの管理能力でよし。

必要とされる営業力

個別指導塾という形態である以上、売上を上げるには、お客様に授業コマ(授業回数)をどれだけ多く取って(買って)もらえるかが重要。とくに季節講習直前、授業コマをなるべく多くとってもらうための営業面談は売り上げに大きく関わる。

授業コマの売り込みから逃れられない個別指導塾経営に営業力は必須である。★3つ。

集団指導であれば、自身の授業だけで客が呼べるし、自身の授業に客がお金を払ってくれる。わざわざ営業しなくても「〇〇先生の授業をぜひ受けたい!」という状況が作り出せる。また、集団指導は回数制で売っているわけではないので(回数制で売っている集団指導塾もあるのかもしれませんが…)、入塾後は特別な営業面談は必要なくなる。(わざわざ自分自身で特別ゼミなど、営業が必要になるようなことを設定しなければ。)

私自身の経験も踏まえて営業力は★1つ。(私自身は営業力は★0.1で十分だと思ってますが。)

必要とされる指導力

従来型の個別指導塾はアルバイト講師に授業を任せるため、一応自身の指導力は★1つで十分だと。(ま、実際はそうは行かないと思いますけど。人手不足ですし…)

自立型個別指導塾の場合、パソコンの指導システムを使うと思いますが、コレ、どの先生に聞いても万能ではないと。結局のところ、自分自身が指導しなきゃいけない場面が、結構出てくると。

自立型個別指導塾なのに、ホワイトボード買って「今日はオームの法則勉強するから、中2生は夜7時に集まってくれ~。」って、5,6人の生徒集めて解説してるとか…、いや、だったら集団指導にすればいいじゃん…って話も聴いたり。

自立型個別指導塾で成功したいなら、結局のところある程度の指導力は必須みたいです。なので★2つ。

集団指導は当たり前の★3つ。もうここが生命線ですから。ここがなければ終わり。逆にここがあれば、ほかの部分の★が1つでも何とかなる。そういう世界です。なので、集団指導塾経営を選択した人は、ここの★3つは絶対に死守しましょう。(世の中には、指導力★5つとかそういうモンスター級の個人塾もありますから…。)

目指せる売上規模

FC系個別指導塾を多店舗オーナー経営に持ち込んじゃえば、それこそ売り上げは無限ですよね。なので★3つ。

自立型個別指導塾は人を雇わないで済む前提で進めますので、自身はプレイングマネージャーを抜け出せない。まあ指導システムがあるって言っても、人間一人が管理できる生徒数ってのも限りがありますので、教室もそんなに大きくはできないですよね~。(そもそも自立型個別指導塾って箱が小さく始められるって前提もありますし。)自立型個別指導塾で目指せる売上規模は★1つ。

集団指導塾は極論、自身の指導スキル次第で1教室50人だって授業できるわけです。(さすがにそんな箱なかなかないですけど…)ま、集団指導を選択する私のようなタイプはオーナータイプではないので、多店舗展開に持ち込むのは結構難しい(集団指導講師の育成も難しいですし)ですが、1拠点で抱えられる生徒数は自身の指導力次第でそこそこ大きくできます。目指せる売上規模は★2つ。

仕事上のストレス

自身が経営者兼教室長をしているという場合ですが、従来型個別指導塾はMAXの★3つ。いや、★5つでもいいかも。授業の管理、アルバイト講師のコマ割り、振替調整などなど…。個別指導ってタダでさえ、生徒一人一人の管理とか家庭とのやり取りとか大変なのに、従来型個別指導は加えてアルバイト講師の管理もクソ大変です。もうね、仕事上のストレス★10個あげてもいいでしょう。

自立型個別指導塾の場合、塾長一人というパターンも多いでしょうから、スタッフに対する部分がないだけに★2つ。

集団指導の場合は、ほぼすべてのストレスは自身の指導力に起因します。生徒が減るのも自身の指導力不足、クレーム出るのも自身の指導力不足、自分自身に帰結できるだけにたとえストレスがあったとしても納得できる部分が多い。また、好きな指導に仕事の大部分をかけているので、仕事に対する充実感も多い。よってストレスは★1つ。

休みのとりやすさ

個別指導の場合は振替授業など発生しますよね。授業コマを消化できない場合は、休塾日を開けるしかなかったり。また、個別指導塾って学年、学校千差万別、各中学校とかイベントに色々合わせなきゃいけないんで、その度に休み潰さなきゃいけないわけです。(そうしないと生徒が塾を辞めてしまう。)従来型であろうと自立型であろうとそこは同じ。休みの取りやすさは悲劇の★1つ。

集団指導なら、こちらに合わせてもらうのが基本。授業日時だってこちらが決めたものに合わせてもらうんです。休みがとりたいなら、こっちがそういうスケジュールにしてしまえばいい。生徒に対して必要な講師の数も少なくて済むので、講師が少し増えればそれだけ休みも取りやすくなりますし。個別指導と比べれば圧倒的に休みはとりやすい。★3つ。

将来性

従来型個別指導塾の将来性は★1つ。大きな話になっちゃいますけど、超少子高齢化は絶対不可避で進んで行きますよね。生徒数が減るってことじゃないんです、先に訪れる問題は。労働力が減るってことなんです。もうすでに始まってますけど、人手不足はますます深刻化していくわけです、今よりももっと。従来型の個別指導塾ってアルバイト講師の確保が絶対なわけじゃないですか。人手不足の世の中で、ここは相当のリスクをはらんでいます。

自立型個別指導塾のはその人手不足って部分で出てきた業態じゃないかと。ま、講師採用の必要性がない(人手が必要ない)ってことで、従来型よりも将来性はあるかなと。ただし、システム依存の形態ですから、そのシステムの評価というか性能というか、それが世間的にバレ始めちゃうと怖いですよね。「えっ?そのくらいだったらアプリでいいじゃん。家でタブレット使えばいいじゃん。」みたいな。社会的にそういう評価が形成されちゃうと結構まずいですよね~。なので、将来性は★2つ。

集団指導は「人」を売るわけです。「人」を売る限り、それは唯一の価値を持つ。その塾の先生の授業は、その塾でしか受けられない。その塾独自の指導が売りなわけですから、他の店、他の手段では代替不可能。「ネットの動画で上手な先生の動画見ればいいじゃん。それこそ、映像授業でいいじゃん。」って?高校生ならいざ知らず、小中学生にそれは無理な論理。やっぱり生身の人間(講師)がそこにいて、怠けたら怒られるとか一緒に頑張る仲間たちがいて、そういう部分がないと勉強なんて頑張れない。集団指導はそう言った部分も商品の大きな魅力の一つとして売ることができる。そして、何より人手も必要ないため将来性は★3つ。

年収500万円の実現しやすさ

最後にこのブログのテーマと絡めて。

どの指導形態での経営が年収500万円の普通の生活を実現しやすいか。

従来型個別指導塾は★1つ。仮にFCの看板を借りて売り上げが上がったとしても、人件費がかなりの負担。さらに店舗家賃。従来型の場合、割と大きな箱を借りることが前提だったりしてそこの負担も大きい。ロイヤリティもかかるし、そのほか広告分担金だのシステム管理費だの、結構出費が大きいと。

自立型も★1つ。先日記事にした高校生対象の武田塾は別として、自立型個別指導塾の客単価はFC本部が出している収益モデルをかなり下回る可能性が大。でもって、従来型個別指導とちがい教室の箱も小さく始める場合が多い。客単価が低く、さらに生徒数も集まらないという可能性がある。(生徒数が集まらないのは、過去のいくつかの記事でも紹介している通り、成績がイマイチ伸ばせないから。「生徒に合わせる」という原理では生徒の成績は伸ばせない、という自立型個別指導塾の経営を実践している人からの声も結構ある。)

集団指導塾は★3つ。私がその証拠。20代前半の資金も学歴も経験もセンスもない人間が、年収500万であればそれなりに早期に達成してしまっている。アパート1室など小さく始めれば、3年以内に年収500万円を達成することはそれほど難しくない。ま、その辺りの戦術的なことはこのブログをくまなく読んでもらえると多少はヒントになることがあるかも?とにかく実感として、年収1000万、2000万を狙うのではなく、生徒の指導に打ち込むことによって仕事のやりがいを感じ、それなりに休みも取り、普通の生活をするって部分では、集団指導に勝る指導形態はない、と。

まとめ

経費

ま、今回の記事を読んでもらうと分かる通り、私自身、集団指導塾経営への絶対的な優位性を妄信的に信じております!

なぜかと言うと、集団指導塾経営によって今の家族、今のスタッフ、今の自分の生活すべてを成り立たせてもらっているから。ま、「なぜ、あなたはそんなに集団指導を勧めるんですか?」って聞かれれば、それが答えです。今の私が答えです。

この前、愛知県から対談に来ていただいた方にもお話したんですけど、これが個別指導だったら無理だったな、と。こういうブログ活動、そして読者の方と話をさせていただく時間なんて、取れなかったなと。

従来型にせよ、自立型にせよ、やっぱりお客様一人一人に合わせる経営なんてやってたら、自分の時間がいくらあったって足りないじゃないですか。それでも自分の時間を優先したら、それこそサービスの質が低下して、今度は塾の生徒が減っちゃうだろうし。

塾の仕事、ブログ活動、家族との時間、そして自分の時間、そのすべてを時間的にも資金的にも成り立たせてくれているのが、集団指導塾だと。経営偏差値40以下の自分にこういう生活をもたらしてくれているのが集団指導塾経営だと。ま、そのあたりは自信を持って言えたりします。


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