疑問

2月も後半に入ります。

学習塾講師の方の中には、この受験までで会社におさらば、3月からは独立開業なんて人もいるかもしれません。

ま、時期的にちょっと遅い記事にはなっちゃいますけど、こんな形の学習塾開業もありかな、と。

この戦術だったら、月謝だのコース設定だのチラシの打ち出し方だの、あれこれ悩む必要がずいぶんと減るような気がする。

その名も「コバンザメ個人塾開業」です!

要はコバンザメ商法をしましょうよ、って話。

コバンザメ商法の説明から記事を進めたいと思います。

コバンザメ商法とは?

コバンザメ商法とは、飲食業においては、認知度や集客力のある店舗と類似した業種で店舗をその近くに構えて、認知度や集客力のある店舗のおこぼれをもらう手法のことです。

開店したばかりの飲食店は、この手法は販促展開を省くことができるため有効です。

(『創業手帳』より)

ま、主に飲食店で使われる言葉のようですけど…。

飲食店ほど即効性はないとは思いますけど、流行っている塾のおこぼれってのは必ずあると。

どんなに評判のいい塾でも、合わない生徒は必ずいます。で、必ず退塾者が出ます。そのおこぼれをもらおうというのが、「コバンザメ個人塾開業」です。

ただし、私の経験上、どの塾をターゲットにコバンザメになるべきか、というのはしっかり考えましょう。いくら流行っているからといって、地域で最大手の学習塾にコバンザメったら跡形もなく駆逐されるでしょう。

逆にあんまりにも弱い塾にコバンザメっても利益はないでしょうし。(そもそも生徒数が少ない塾のおこぼれって、ほとんどないような気がするんですよね。母数が少ないから。)

狙いは田舎の老舗個人塾

いただきます。

私が狙うなら、その地域に昔からある老舗個人塾。そこを狙います。地域の信頼を得てますし、生徒もたくさん通っているんで一見強そうですけど、組織としてはそれほどでもない。資本金は1000万円未満でしょうし。いや、個人事業主の場合も多いですね。

塾長の強烈なカリスマ性で集客しているケースが多いんで、付け入る隙は全然あるかなって。大手塾ほど広告宣伝費使えるわけじゃないでしょうし。人手もないでしょうし。

確実にいい商品(いい授業)はしていると思いますけど、組織として強大でなければ、いずれ追い越せる(と私は思う)。詳しく見ていきましょう。

・厳しい指導で実績が評判の所が良い。

狙う老舗個人塾は、成績で生徒を集めているようなところがいいですね。で、イメージ厳しいところ。

なぜか?

理由の1点目は、おこぼれの質が良い可能性が高いから。

だって、厳しくて成績が上がってると評判の塾に入った生徒です。「友達がいる」とか「先生とおしゃべりができる」とか、そういうことを塾に求めている訳じゃない。

ちゃんと塾に勉強しに来ている生徒の可能性が高いわけです。

塾としてはそういう生徒が欲しいですよね?実績作っていくためにも。

これ、よくある若い先生とお話しできて、友達もたくさん通ってて、勉強してるんだか遊びに行ってるんだか分からん塾にコバンザメったら、おこぼれは全部、生ぬるい意識しか持ってない成績の上がらない生徒の可能性がありますから。

で、そういう生徒たちって結局、塾を辞めてもまた同じようなお遊び塾を探すような気もするんで、バチッと成績伸ばして生徒を集めるって方向性の塾には来ない可能性が高いです。

ま、ココが2点目の理由になるんですけど。

厳しくて実績で生徒を集めている塾にコバンザメれば、塾としての評価基準はカンタンです。あなたの塾も単純に実績を作ればいいんです。で、実績を作るためにも厳しくすればいいんです。あなたが張り付いた塾が厳しいんだったら、あなたも厳しくして大丈夫。

おこぼれの生徒たちも厳しいのには慣れてるから。

これ、何かよく分からないけど生徒が集まってる塾にコバンザメると、何やったらいいか分からなくなるんですよ。その塾が何で支持されているか分からなければ、動きようがないわけです。

実績で集めている塾にひっつくんであれば、ひたすらその塾の実績を超えるように勉強すればいい。授業の腕を磨けばいい。生徒たちを頑張らせればいい。それを愚直に続けていけば、いずれ生徒たちがあなたの塾に流れて来る。

経営センスが低い私のような人間は、絶対に実績で生徒を集める塾を目指した方がいいです。面倒くさいことがないですから。実績を愚直に上げればいいんですから。小細工なしで。そういう塾を目指すからこそ、同じように実績で生徒を集めている塾を狙うのがおススメなんです。

・塾長の年齢が高いところが良い。

先ほど言いましたけど、こういう老舗個人塾は塾長が強いんです。塾長のカリスマ性がヤバいんです。でもね、案外後が育ってない場合も多い。実は、私の塾の近くにも、それこそ私が子供のころから支持されている老舗個人塾があるんですね。

私が開業した当時は、やっぱりまだまだ勢いがあって生徒数も多かったんです。でもね、後が育ってなかった。塾長が引退したわけですよ。で、元教え子なんかに継がせたわけですよね。おそらく7,8年前くらいに。

一気に衰えましたよ、その塾。一気に私の塾に生徒が流れましたよ。ま、そういうことを思い出して今回の記事を書いてるわけですけど。

あんまりにも生徒が減ったもんで、小学生の授業だけは塾長が復活したなんて話を聞きますけど、もう遅い。今や瀕死状態。

私は開業当時、コバンザメ商法なんて意識しなかったですけど、結果的に同じ厳しい路線の実績重視だったもんで、その塾のおこぼれを預かりに預かった形になったわけですよね。

ま、引退、後継ぎなんてことがなくても、人間必ず衰えます。塾長のカリスマだけでずっと勢いを維持できるなんて、相当のスーパースターしか無理です。人間、歳を取れば気力体力が衰えるのは自然の摂理。だから塾長一人のパワーで引っ張ってる塾は、普通に考えればいずれ衰えます。

すでに高齢の塾長なら、その時期は近いはず。私の塾のように、開業10年程度でごっそり生徒を「いただきます!」ってパターンも十分ありますよ。

・ネット力が弱いところが良い。

ランチェスター第2法則

ここが結構大事。ネット検索かけてください。で、その老舗個人塾がホームページを持っていなければ、ホントわっしょい!喜んでください。

仮にホームページを持っていても、よく分からない前時代で使われたソフトで作られた形跡があれば、やっぱりわっしょい!踊ってください。

今の時代、ネットの力に頼らない商売は基本あり得ない。たしかに学習塾はクチコミ産業ですよ?でもね、そのクチコミですらネットの力を頼る時代です。そこに対しての感度がないのは致命的。そこに対しての研究をしてないのは時代遅れ。

古き良き時代の使えない価値観、商売観を引きずってる可能性大。(私が結果的にコバンザメってた老舗個人塾はまさにそれ。)

こういう塾は、お客様の急速に変化していくニーズとか価値観について来れない。伝統を重んじるばかり、適切な変化ができない。徐々に徐々にお客様が離れていく。

ダメなヒトダメなヒト

それでも実績を出し続ければ大丈夫だろ?

いや、きっと実績もいずれ出なくなる。なぜなら、お客様の価値観、気持ちを掴めなくなるから。学習塾関係者なら分かりますよね?こっちを信頼してくれない生徒の成績って伸びませんよね?何かこっちが一生懸命説明してるのにそっぽ向いてる生徒とか、絶対伸びないじゃないですか。陰で自分の悪口とか平気で言ってると思われる生徒とか、自分のことを「あいつ騙すの楽勝~♪」って舐めてる生徒とか。成績伸びないですよね?

人間歳をとれば考え方も硬直するし、自分を変えられないし、頑固な部分も出て来るし、新しいものを受け入れにくくなるし。一人の塾長の力に頼ってる限り、一人の塾長が強烈に引っ張って行ってる限り、ほぼ例外なくお客様の価値観との乖離、時代との乖離、そして組織の衰退は来るのかなって。(それでも衰退しない塾ってのは、その塾長が天才なんです。)

ネット力が弱い塾ってのは、そういう時代について行かない(行けない)態度の表れだと。ホームページがない塾、ホームページがあってもスマホ対応していない塾、ブログが全然更新されてない塾、そういう塾は今の時代の流れに乗れてない可能性大。よっていずれ衰退する可能性も高い。ねらい目です。

ホームページを整える、ブログを書くって集客につながるって面も当然ありますけど、それ以上に時代を勉強しているかどうかって意味合いが強いような気がしますね。

路線は同じでやや通いやすい感を出す。

コバンザメ商法ですから、当然路線は同じにするんです。厳しくて実績を売る塾。でもね、おこぼれをあずかるためには(とくに開業初期)、多少の工夫、多少の妥協は必要かなと。

・キャッチコピーやキャラクター

おそらく、狙った老舗個人塾はガチガチの堅苦しい厳しい塾のイメージになると思います。華やかさがない、今時じゃない。ま、簡単に言えばとっつきにくい。

そこは同じ厳しい塾でも、変えましょう。工夫をしましょう。キャッチコピーや自分のキャラクターでやわらげましょう。

勘違いしないでくださいね。和らげるって言っても、「一人一人丁寧に。」なんて文言出した瞬間、路線外れますからね?あくまで厳しい路線でありながら、とっつきやすくするんです。

老舗塾は言いますよね。「40年の伝統からくる確かな指導。合格実績は伝統の証です。」とか。で、塾長の真面目な顔の写真がホームページやチラシに乗ってるわけです。堅い!

ここからこぼれる生徒って、たぶん塾がつまらないんです。何か堅いおじさん、おじいさん、学校の先生的な、そういう人たちにうんざりしてるんです。気持ちが乗らないから、勉強してるつもりでも成績がなかなか伸びない。で、塾を変えようとしている。

コバンザメ塾はこう言うんです。「俺が変える!今すぐ変える!俺の行ったことを全てやれ!」的に。で、写真は栄養ドリンク持ったオッサンが微妙にダサい熱血ポーズをするとか。厳しい路線にちょっとしたユーモアとか、人間味を入れるんです。こんな感じで。

テスト勉強

ああ、この塾最近できたんだ。俺、やっぱり甘い塾はイヤだけど、今までみたいに学校の先生みたいな人たちに囲まれる塾もイヤなんだよな~。この変なオジサン先生、厳しそうだけど面白そうだな。

みたいな。伝統的なホント、無味乾燥な厳しさには耐えられないけど、スポーツ的な元気な厳しさだったら歓迎だぜって生徒、そういう何人かのおこぼれはある、と。

振り返るとまさに私の塾がそういう感じだったのかもしれません。ま、私はここに書いてるほど思い切ったキャッチコピーもキャラ売りもできませんでしたけど。(コバンザメ商法を意識してなかったですし、その勇気もなかったんで。)

・月謝はやや抑える

ここは最終的な部分まで考えると、老舗個人塾の月謝よりもほんの少しだけ安くすることをおススメします。ただし、老舗個人塾が考えられないくらい安い月謝設定の場合は、その限りにあらず。下手に安すぎる月謝設定すると生活できなくなりますから。(私がコバンザメってる老舗個人塾は、目ん玉飛び出るほど月謝が安いです。ただ、月謝が安くても着実に生徒数は減ってますけど…。)

仮に老舗個人塾が中3五教科、月謝28,000円設定だったとするじゃないですか。そしたら、あなたは27,500円に設定する。こんな感じで、同じ商品に関してほんのわずか値段を下げていく。

最初は実績とか指導力とか、全然敵わないと思うんです。その老舗塾に。それは致し方ない。この仕事は経験がものを言う部分が大きいのは間違いないですから。だから月謝を少しだけ安くしておくことで、金額の部分で勝っておく。

それに、いずれあなたが懸命に仕事に打ち込んでいけば、実績も並ぶときがくる。そのとき、月謝がちょっとでも老舗塾より安いってのは、超強力な武器になる。だって、同じように実績出るなら安いほうを選ぶじゃないですか、普通。

あの昔からある塾、成績上がっていいんだけど何か厳しいらしいんだよね…。同じ厳しい塾なら、こっちの塾の方が先生楽しそうだし、ちょっと月謝も安いし。「ちょっと月謝も安い」ってお客様の心理的には「ちょっと」じゃ済まないですから。

商品の質が並んだと地域で認められた瞬間、老舗個人塾から一気に生徒を獲得できる可能性もありますよね。
(ま、月謝は経験上、そんなに重要ではないかもしれませんけど。月謝が安くなくても、商品力がそれ相応に上回っていればお客様は来てくれると思うんで…。)

・近すぎは心理的に通いにくい

いくらコバンザメっていっても近すぎるのはNG。

やっぱり生徒たちは、辞めた塾の前とか通りたくないと思うんです。

気まずいじゃないですか。

元いた塾の生徒とも会いたくないだろうし。

少なくともコバンザメる老舗塾から500mは離れた方がいいと思います。で、同じ道沿いとかはできる限り辞めましょう。元いた塾の前を通らないといけなくなる可能性あるんで。

老舗塾からこぼれ落ちた生徒が、通いやすい距離。通いやすい場所。遠すぎず、近すぎずですね。

まとめ

勝つ

コバンザメ商法のメリットは、月謝やクラス設定とかあれこれ考えなくて良い点ですよね。狙った塾を参考に決めちゃえばいいんですから。で、客の集め方の考え方もいたってシンプル。狙った塾から引っ張ってくることだけ考えればいい。

だから、狙った塾を徹底的に研究してあらゆる部分で勝っちゃえば、単純な話、生徒はどんどん移ってきてくれるんです。

私が狙いとしておススメする、厳しく指導して実績で生徒を集める地元老舗塾って、たしかに実績とか、地域の信頼とか、伝統とか、開業したての個人塾じゃなかなか立ち向かえない要素はたくさんあると思うんです。でも、さっきも言ったようにネット力ですよね。ここは最初から自分の塾が圧倒的に上回れる可能性が高い。ここが大きい。

今の時代、何を調べるにも、ちょっとした時間を潰すにも、皆ネットです。皆スマホです。その世界で勝ち続けることで、間違いなく自分の塾の認知度は上がっていく。同時に、地元老舗塾と同じような、それを超えるような実績を常に狙って指導を続けていく。ネットの世界の力と、実際の実績がバチッとかみ合ったとき、地元老舗塾から生徒は激減し、自分の塾に生徒が流れ込んでくるでしょう。

さあ皆さん、コバンザメ商法の始まりです!

まず、グーグルマップを開きましょう!

で、開業予定地のマップを開きましょう!

で、「学習塾」検索です。名前がいかにも地元老舗塾って感じの学習塾を見つけてください。ホームページありますか?ホームページの内容どうですか?更新されてますか?スマホ対応になってますか?

そして、ストリートビューで学習塾の写真を見てみましょう。実際に夕方、偵察に行ってもいいでしょう。繁盛してそうですか?生徒、たくさんいそうですか?

塾長は若いですか?それとも、歳をとっていそうですか?

10年かければ倒せそうな老舗個人塾なら決まりです!いざ、コバンザメってください!

(と書きながらふと思う。いずれ自分がコバンザメられて誰かにお客様を奪われていくのではないか、と…。)


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