最近、気になる学習塾があります。

G-PAPILSって知っていますか?

何かね、増殖中です、この塾。

最初、フィットネスクラブとか介護事業所かと思ったんですね。

看板が学習塾っぽくなくて。

でも、まあ至る所で目にするんで、「これは、もしや?」と思って調べたらやっぱり学習塾。

Mr.MMr.M

どんなとこでも見かける店ってのは、美容室か歯医者か学習塾って相場が決まってます!

G-PAPILSの概要から見ていきましょう。

G-PAPILSってどんな塾?

斬る

Gakkenグループが手掛ける新手の個別指導塾です。もともとGakkenグループには学研CAIという個別指導塾がありますけど、それとは別の事業展開ということで。G-PAPILSも学研CAIも、共にフランチャイズ展開をしています。

Mr.MMr.M

なるほど…Gakkenグループなら、急に目につくようになっても不思議じゃないですね。東証一部のモンスター企業ですから…。

・指導形態

指導形態は流行りの自立型個別指導です。

学研CAIとの違いがよく分からないんですが…。一応、知り合いの知り合いが学研CAIのFCオーナーをやっています。その人の話を聞くと、学研CAIはとりあえず、学生講師を多少ですが使っているようなのです。よって「講師が教える」という形を少なからず取っているようです。

一方でG-PAPILSは、FCオーナー向けサイトではっきり言っちゃってます。生徒に教える必要なし、映像授業でタブレットが全てやってくれるって感じ。だから、FCオーナーも”先生”にならなくて良いらしいんです。授業はできなくて良し、生徒のやる気を支える”メンター”になればいいとのこと。

指導はAI搭載のタブレットが全てをやってくれるとのこと。よって、自立型個別指導の最大の謳い文句、「講師は必要ない。」が当然、出てくるわけです。

・オーナーのメリット

G-PAPILSで開業する際のオーナーのメリットは大きく3つ。

・講師の確保の必要なし。 ・教材作成の必要なし。 ・成績分析の必要なし。

なぜなら…、すべてAIがやってくれるから!

これ、ホントに実現できたら凄まじいことですけどね…。

ちなみにMr.Mの直接対談の3段目は、まさに自立型個別指導塾のFCオーナーのBさんでした。ま、BさんはG-PAPILSではないですけど、やっぱり開業当初は言われたらしいんですよね、「オーナーが教える必要はないですから。」って。

でもね、現実はそんなに甘くない。教科的なことを全く教えられない、受験情報もまったく分からない、そんな奴に生徒はついて来ないと。生徒に「そんなことも分からないの?」と舐められると。結局、自分自身が教えられるようにならないと自立学習なんて絵に描いた餅だと。

たしかにBさんが言ってたことは説得力ありそうですけどね…。だってドリブルできない人に、バスケ教えてもらいたくないじゃないですか。リフティングできない人にサッカー教えてもらいたくないじゃないですか。どんなに精神的なフォローがうまいからって、バスケのバも知らない、サッカーのサもしらない、そんな人にそもそも教えを請いたいですか?って根本的な話になっちゃいますけどね…。

いや、”メンター”は教える存在ではないのだ?う~ん、生徒たちに通用するんでしょうか、その理論。

そこは東証一部、モンスター企業のGakkenグループですから企業秘密の秘策がきっとあるんでしょうけど…。

開業資金G-PAPILSとアパート1室勝負を比較する

経費

・G-PAPILSの場合(20坪モデル)

項目 金額
加盟金 ¥2,000,000
開校準備金 ¥1,500,000
PC・ネットワーク・ITインフラ等に関わる費用 ¥250,000
内装・看板工事 ¥500,000
什器備品費 ¥700,000
合計 ¥4,950,000

ま、フランチャイズですからね。こんなもんです。

以前に調べた松陰塾も什器備品とか抜いて400万とか550万とかかかってましたから。

ま、この辺りは過去にフランチャイズに斬り込んだ記事もあるんで、そちらも見ていただけるとありがたいです!

ここで、私的に気になる部分ってのは、20坪のモデルってところ。

Mr.MMr.M

広くないっすか?大丈夫っすか?

20坪って生徒30人とか一気に入れても、全然余裕レベルの広さですよね?「R.Fヤマカワ」のホームページに学習塾レイアウトの一例が乗ってるんですけど、10坪で生徒16人、講師8人の個別指導塾ができあがってるんですよ。しかも自立型個別指導塾って講師いらないんですよね?20坪ってどんだけ生徒入るんだ?って話になってきますよ?

ダメなヒトダメなヒト

いいじゃん、別に。たくさん入る方がいいじゃん。

いやいやいや、そんなに生徒集まります?生徒集まらなかったら悲惨ですよ?だって20坪の物件の家賃ってどのくらいかかりますか?場合によっちゃ、月20万円超えたりしますよ?

これね、実は前述のFCオーナーBさんの嘆きの一つでもあるんですよ。「こんな大きな教室要らないのに…。家賃ばっかり出て行って大変。」って。

ちなみに松陰塾の試算の場合、15坪で生徒50人を想定してます。単純に考えると20坪あれば66人の教室になりますよね。これね、ハッキリ言って目茶苦茶ハードル高い試算だったりしますからね。ホント、そのあたりは以下の記事を見てもらうと、学習塾の惨状が分かったりするんで…。

Mr.MMr.M

従業員5人未満の個別指導塾の生徒数の全国平均が17.8人ですからね…。20坪、要らなくない?

・Mr.M的アパート1室モデルの場合

詳しく書いてある記事もありますが、一応お伝えしましょう。

当時の私の超貧乏開業費。

項目 金額
家賃(初期) ¥126,000
什器備品 ¥261,000
教材費 ¥68,000
チラシ ¥154,300
看板 ¥85,000
合計 ¥694,300

いかがです?なかなかこのレベルで開業にこぎつける人もいないと思います。

今は当然違いますけど、ホント、当時は何を買うにも最安値、最安値でしたから…。

10坪そこそこのアパート1室ですから、家賃は驚愕の63,000円!

よって最初の契約金も126,000円という破格の値段になったのです。

私のケースは安すぎるとしても、アパート1室勝負なら普通に100万円を切る金額でのスタートはできるはず。

G-PAPILSの収支モデルと「子どもの学習費調査」を見比べる。

学校と塾の対立?

開業資金よりも私がツッコミたいのはコッチ。とにかくね、これは何もG-PAPILSに限ったことじゃないんですけど、FCオーナー向けの収益モデルってどこの会社も理想的すぎません?甘すぎません?ってホント思う。まあ、私の戯言はこの辺りにして、とっとと見て行きましょう。

・G-PAPILSの収支モデル

生徒数(名) 20 30 40 50 60 70 80
月謝売上 ¥5,192,000 ¥10,384,000 ¥12,210,000 ¥14,740,000 ¥16,258,000 ¥18,436,000 ¥21,604,000
入会金売上 ¥560,000 ¥420,000 ¥420,000 ¥420,000 ¥420,000 ¥480,000 ¥480,000
維持費 ¥590,000 ¥1,180,000 ¥1,388,000 ¥1,675,000 ¥1,848,000 ¥2,095,000 ¥2,455,000
売上合計 ¥6,342,000 ¥11,984,000 ¥14,018,000 ¥16,835,000 ¥18,526,000 ¥21,011,000 ¥24,539,000
客単価(年) ¥317,100 ¥399,467 ¥350,450 ¥336,700 ¥308,767 ¥300,157 ¥306,738
客単価(月) ¥26,425 ¥33,289 ¥29,204 ¥28,058 ¥25,731 ¥25,013 ¥25,561
経費 ¥5,454,000 ¥6,398,000 ¥6,880,000 ¥7,791,000 ¥8,127,000 ¥8,644,000 ¥9,310,000
利益 ¥888,000 ¥5,586,000 ¥7,138,000 ¥9,044,000 ¥10,399,000 ¥12,367,000 ¥15,229,000

赤字の客単価部分は私が生徒数で割ったり、それを12か月で割ったりして出したものですが…。この客単価、結構ですからね!結構、高いですからね!何かしらの必殺の期待値込めないと、この収支モデルにはならんはずなんですが…。

ということをちょっと見ていきましょう。

・「子どもの学習費調査」に見る実態

前回の記事が実は今回の記事の布石になってるんですが…。

詳しくは前回の記事を見ていただければ。

簡単に紹介すると、文部科学省の調査では公立中学生が1年あたりに学習塾にかける費用の平均は、202,498円です。さらに、公立小学生の場合、56,864円。

上のG-PAPILSの収支モデルだと、生徒20名の場合に想定している生徒1人当たりの年間売上って317,100円な訳ですけど、公立小中学生をメインターゲットにしている場合、これ、実態の平均よりかなり高い客単価になってきます。

一応ですね、このG-PAPILSの年間売上317,100円に耐えうる客層ってのは存在していて、それは公立中学の3年生私立小学の5年生、6年生。この3つの層だけはG-PAPILSの想定に耐えられるだけの金額を学習塾に使っているんですね。

ただですね、公立中学3年生がメインの塾ってどうですか?経営的に超危険じゃないですか?1年間でそのお客様、いなくなるんですよ?毎年毎年、綱渡り経営の始まりですよ。

私立小学の5,6年を多く抱える塾って、あるとしても都心のバリバリの中学受験塾ですよね、きっと。とてもじゃないけど、”メンター”しかないような自立型個別指導塾に通わない層だと思うんですよ。

でね、この収支モデル、生徒30名になると謎の客単価上昇を見せるんですけど、生徒1人あたり399,467円ですよ?もうね、この金額に耐えられるのは私立小学6年生しかいません。”メンター”が中学受験をどうやって回していくんでしょうか?

ま、AIが何とかしてくれるんでしょうけど…。(ちなみに別会社の自立型個別指導FCオーナーBさんの格言があって「底辺層と上位層は自立型では教えられない。」とのこと。システムのレベルが上と下に対応しにくいそうなんです。なので、Bさんは中学受験は断っているそうです。ま、G-PAPILSは中学受験も守備範囲なのかも分からんですけど…。

・自立型個別指導塾の指導力と想定しうる客単価

もし仮にG-PAPILSが、以前話をした自立型個別指導塾のFCオーナーBさんの塾と同じような商品力なら、年間30万を超えるような客単価設定は厳しい。

なぜなら、先ほど言ったようにBさんの塾だと中学受験は指導できない、さらに公立中3生も集団指導塾にどんどん取られて行っているという現状がある。高い客単価を期待できる層をターゲットにしきれない。

一方で安い客単価の公立小学生ばかり集まる。パソコンやタブレットを使って物珍しくて、厳しい先生もいなくて、自由だから。でも結局、そういう生徒たちも受験を意識する学年になると、どんどん他の実績出している塾に流れていく…。

Bさんの話だと、客単価月20,000円も厳しいとのことでした。

そう考えると、生徒1人につき年間300,000円も期待できますかね…?

・Mr.M的、収支モデル修正!実際はこうなる?

生徒一人あたり、月20,000円も厳しいってBさんは嘆いていましたが、一応、生徒一人あたり20,000円を払ってくれると仮定して、G-PAPILSの収支モデルにMr.M的修正をかけてみました。

生徒数(名) 20 30 40 50 60 70 80
客単価(月) ¥20,000 ¥20,000 ¥20,000 ¥20,000 ¥20,000 ¥20,000 ¥20,000
客単価(年) ¥240,000 ¥240,000 ¥240,000 ¥240,000 ¥240,000 ¥240,000 ¥240,000
売上合計 ¥4,800,000 ¥7,200,000 ¥9,600,000 ¥12,000,000 ¥14,400,000 ¥16,800,000 ¥19,200,000
経費 ¥5,454,000 ¥6,398,000 ¥6,880,000 ¥7,791,000 ¥8,127,000 ¥8,644,000 ¥9,310,000
利益 ¥-654,000 ¥802,000 ¥2,720,000 ¥4,209,000 ¥6,273,000 ¥8,156,000 ¥9,890,000

こんな感じです。で、これ出してみて「うわぁ…。」って思っちゃったんですけど。

Bさんの話してたことと、面白いくらい一致しちゃってるんですね。(何度も言いますが、BさんはG-PAPILSの人じゃありません。別会社の自立型個別指導塾オーナーです。)

「生徒20~30人じゃ、経費払ってカツカツ。自分の生活費がまともに出せない。自分の生活費まともに出すには、せいぜい50人くらいは必要だ。」って。

Bさん、言ってたんですよ!ずばり!じゃないですか?この数字。生徒20人じゃ赤字。30人でようやく年間80万円の利益。で、生徒50人で年収400万越え。Bさんの言ってた事実と合致しちゃいません?

まとめ

覚悟

何ごともね、ホント、フランチャイズ頼みで開業にこぎつける人。

以下の2点だけは覚えておいて欲しい。

①従業員5人未満の個別指導塾が抱える生徒数の全国平均は17.8人である。 ②公立中学生が年間に学習塾に支払う金額の全国平均は202,498円である。

これが減然たる事実だってこと。どんなに願っても、その平均が上がるってことはない。この平均以上の数字が欲しいなら、それだけの商品力を身につけなきゃいけない。もう、それはね、塾だけじゃない。高く買って欲しいなら、それだけの商品力、付加価値、それをつけるのは当たり前。

G-PAPILSだけじゃなくて、FCのシステムに、その平均以上の商品力、付加価値を見出せれば、覚悟を持ってそのシステムと心中する気があるのであれば、ぜひともFC加盟をしたらいいんです。

でもね、自信を持って「俺が加盟するFCは凄いんだぜッ!」って言えないなら危険ですよ?FCに加盟したら、途中で「あ、やべ。この商品力じゃ、客単価上げらんないわ…。」って気づいても、もう遅いんですからね?FC加盟したら、勝手に商品変えたり付加価値つけちゃいけないんですからね?

自立型個別指導じゃ成績上げられないからって、タブレット売り払って黒板設置して、独自に集団指導始めようものなら、本部から御指導というミサイルが毎晩落とされることになるんですからね。とにかく、私は皆さんがフランチャイズ加盟する前に、一歩立ち止まって、FC本部の試算が妥当なのかどうか、考えてみて欲しいんです。文部科学省だって、国税局だって、経済産業省だって、色々資料出してくれてるんですから。


スポンサーリンク