先日の記事。フランチャイズオーナーのBさんとの読者対談。気になった言葉があったので、本日はそれについての記事を。

Bさんが自立型個別指導塾で独立しようとした経緯…。

「大手学習塾は手間のかかる自立型個別指導塾には手を出せない。手間がかかるからこそ、ニッチな市場だと思った。」とのこと。

うん、一部の考え方は私も大賛成です。そう、ニッチな市場、誰も手を出せない市場の方が、零細企業の成功の可能性は高いと。生き残れる可能性は高いと。そこは私も大賛成。

でもね、ひっかかるのが「自立型個別指導塾がニッチ」だという考え方。

どうですかね?ニッチですかね?

私は結構見ますよ、この自立型個別指導塾。

ホームページ探したってホイホイ出てきます。

「自立型個別指導塾」がニッチ…。う~ん、そこはちょっと違和感あったんですね。

独立組はむしろ自立型個別指導塾ばっかり…。

同じ地域の知り合いの個人塾で、私より後に独立した方が3名いるんですね。

みんな自立型個別指導塾の形です。

私が以前、お誘いを受けて参加した個人塾経営者の集まりでも、その半数程度が自立型個別指導塾でした。(残りもほとんど従来型の個別指導塾。集団指導塾は私の塾を含め、2,3教室だけだったんじゃないですかね。)

この状況、とてもニッチとは言えないかと…。

むしろ、個人塾で集団指導やってる方が、ニッチじゃありません?

半径2㎞に集団指導の個人塾は2つだけ?

 

集団指導は少ない

私の塾を中心に半径2㎞を探ると、個人塾で集団指導を行っているのはおそらく2つ。

他、集団指導をしているのは、最も小規模でも3教室以上構える地元中堅塾。

つまり、集団指導をしているのって、規模がある程度大きい塾がほとんどなんですね~。

どうでしょう、この感覚。

私の地域が特殊ですかね?

それとも、割と全国的な現象ですかね?

正確な資料にはなりえないと思いますけど、”塾ナビ”っていう塾検索サイトで調べてみました。

埼玉県のいくつかの市町村で、「個別指導」と「集団指導」って条件かけて、どのくらいの塾がひっかかるのか。

個別指導塾 集団指導塾
さいたま市大宮区 38 67
さいたま市浦和区 51 53
さいたま市西区 13 7
川口市 82 49
越谷市 57 49
川越市 66 52
所沢市 59 48
春日部市 48 36
上尾市 37 36
入間市 28 21
鴻巣市 19 14
坂戸市 14 17
加須市 19 12
毛呂山町 3 6
寄居町 6 7
合計 540 474

かなりアバウトな調査ですけど、個別指導の方が多いんです。

多分ですよ、人手不足の傾向は今後も間違いなく続きますので、従来型の個別指導塾はおそらく自立型個別指導塾に形を変えていくと思うんですよね。

当然、今後独立を考えている人なんか、人手が要らない自立型に魅力を感じるだろうし…。

さいたま市大宮区だけは、明らかに集団指導塾が多いですけど、おそらく大手塾、しかも上位生向けの、もしくは中学受験、大学受験むけの塾が多いってことだと思うんです。大企業のバリバリの進学塾が集まる地域。

実は、こういう場所の方がむしろ珍しくなってるって感じだと思いますけどね、この数見ると。もしかしたら、さいたま市大宮区みたいな市町村って、都道府県単位で一つ位しかないかもしれないし…。

川口市なんて個別指導塾の方が全然多いですし、越谷市、春日部市、川越市、所沢市あたりも個別指導塾の方が多いですよね、今後もっと個別指導塾の方が多くなっていくんじゃないですか。個別指導塾の方が多い地域がスタンダードになりそうな気が…。

塾と言えば集団指導。その考え方ってもう古い?

「塾と言えば伝統的に集団指導、だから個別指導は目新しい、さらに自立型個別指導はもっと目新しい」、そんな考え方って古いのかもしれません。

思うんですけど、学習塾を起業する人たちって自分の学生時代通っていた塾、どういう形式でした?

多分ですね、バリバリの進学塾、つまり集団指導塾が多かったと思うんですよ。今も昔も、やっぱり成績上位者は集団指導塾に集まりますし、学習塾で起業しようって人は、やっぱり当時の偏差値高かった人でしょうから。

つまり、起業する人たちの常識って「塾と言えば集団指導塾。それがスタンダード。だから自分は自立型個別指導塾とか新しい、めずらしい形の塾を目指す!」って考えてる方が多いかもしれないんですが…。

たぶんですよ、今のお客様世代は「塾と言えば個別指導塾」がスタンダード。いや、全員が全員そうではないかもしれませんけど、少なくとも公立高校受験生の層であれば、その考え方はある程度正しいと。

だって私の塾でさえ、問い合わせ段階で「今、中1なんですけど、火曜日に英語を受けたいんですけど。」って、火曜日に中1の英語クラスなんかないんですよ、うちの塾。で、それを伝えると「えっ?授業の曜日とか選べないんですか?」って。お陰様で地域で知られるようになって、最近はこの手の問い合わせは減りましたけど、一時は結構ありましたよ。

つまりですね、今のお客様からしたら授業曜日は選べる、時間も選べる、そういう個別指導型の学習塾がスタンダード、当たり前だって認識。自分が考えている個別指導の形、自立指導の形なんて全然目新しく映らないって可能性。大いにあるかと…。

集団指導は駅前大手の独壇場!それならば…。

集団授業なめないでください。

さっきの埼玉県の個別指導塾と集団指導塾の数のデータですけど、さいたま市大宮区を見るとやっぱり駅前激戦区は大手塾、バリバリの進学塾が強いのかな、と。

成績優秀者は優秀な講師を揃える伝統的な集団指導塾に通っている。そういうイメージ。

私の地域でも、やっぱり駅前にはそういうイメージありますし。先日のFCオーナーのBさん、「駅前の集団指導塾に優秀者は取られてしまう。」なんて嘆きもありました。

それならば…ってやつです。それならば、チャンスあるでしょ?って話です。

駅遠+個人塾+集団指導はニッチである!

駅前の大手進学塾のバリバリの集団指導にビビって、皆さん、「駅遠+個人塾+個別指導(自立型含め)」で開業されるんです。駅遠はそればっかりになって来てるんです。

もはや、「駅遠+個人塾+個別指導」はスタンダード。目新しくも何ともない。お客様からしたら、「あ、また塾できたの。あ、よくある塾ね。」そんな感じ。

「いやいやいや、うちは個別は個別でも自立型個別指導塾ですからぁ~、お客さんッ!」

って叫んでも関係ない。お客様からしたら、もはや、自立型も珍しくない。

だって私の塾がある市町村ですら、自立型学習塾の「すらら」導入校が2つ、「セルフィーウィン」導入校が2つ、あとはセルモ、G-PAPILS、松陰塾などなど。他にも隠れ自立型個別指導塾はたくさんあると思いますよ?

それこそ、私の塾のように「駅遠+個人塾+集団指導」の方がめずらしい。

「いやいやいや、そんなの昔からある古い塾でしょ?俺が小中学生のときは大体そうだったんだから。」って?どうしても、その発想から抜け出せません?自分の思い出話が、経営に何か寄与するんだったらいくらでも大事にすればいいと思いますけどね…。

私は結構自信もって言えますけど、駅遠+個人塾+集団指導って一周回ってニッチですよ、この時代。たぶん、そういう地域、たくさんある。

自分の固定観念とか、昔話に耽ってないで、一歩外出て看板見に行ったり、資料集めに行ったり、グーグルマップ片手に回ってみれば分かりますって。

「どんだけ個別指導塾、多いんだよ」って。で、「自立型、結構珍しくねえな」って。「新しくねぇな」って。

精神的ニッチは人類普遍のニッチであるという持論。

と、私がこのブログを通じて主張する「集団指導がいいんですよ!」という理論。

「どうせ学習塾で起業するなら、集団指導が一番メリット多いですよ!」という理論。

で、実際、「う~ん結構説得力あるよね、Mr.Mとかいう変な奴。」って思っていただけたとするじゃないですか。(「う~ん、こんな訳の分からない奴の言ってることだし、無視しておこう♪」が90%以上なのは間違いないとは思いますが…。)

でもね、納得してもらっても、結局、独立の前にほぼ駆逐されると思うんですよ、私の「集団指導で起業しましょうね~」という叫びは。

なぜか。

それは「自分には大人数の人前で立って授業することなんて無理。」という強烈な精神的障壁が立ちはだかるから。

先日のFCオーナーBさんとの会話でも、私言ったんです。「そんなに勉強されてて、お話も上手なんだから、集団指導でもよかったですよね」って。

もうね、Bさん即答に近い形で「いやぁ~、やっぱり無理ですよ。」なんですよね。ホント、自分には100%無理って精神的に拒否る人が多いんじゃないかって。

で、今まで大手塾で集団指導をやってた講師たちでさえ、「集団指導は大手塾のもの。自分は大手と違う路線で…。個別で勝負だ!」って、なぜか個別指導塾で独立しちゃうという…。

精神的にまず無理って、結構強いですよね、根深さが。それを「できる!」にするのって、30歳過ぎたら超至難の業なのかなって。(だって小中学生に勉強で自信をつけさせるのだって難しいんですから。)

集団指導って精神的ニッチなんですよ。精神的に大部分の人が無理って思ってることなんですよ。試しにショッピングモールに行って、今からこの舞台に上がってみんなの前で1分間スピーチしたら1000円あげますよ、なんて企画があったとしても、手を挙げる人って超少ないと思います。1分1000円ですよ?時給換算60000円の仕事ですよ?

でもやらない。何でか?理由はカンタン。「できない」と思ってるから。それだけの理由なんですけど、時給換算60000円の仕事を平気で放り出すほどに、精神的障壁ってのは強固なんです。絶対なんです。

多くの人が抱える(特に日本人に多いんでしょうけど)人前では話せないという精神的障壁。そこを打ち破る集団指導ってのは、精神的ニッチと言えませんか?しかも、この傾向、今後ますます加速していきますよ?

だって、スマホがこんだけ流行って、人前で話さなくていい生活が進んでいるじゃないですか。そもそも人前どころか、人自体と話す機会も減ってると思いますし。対人コミュニケーションが減ってるって事実。集団指導は今後ますますニッチになっていきますよ?

さらに、個別指導塾がこれだけ増えているんです。これから塾講師、塾経営者になろうって人の中にも、当然、小中学生のころに個別指導塾に通っていた人が増えてくるわけですよね。集団指導への精神的障壁、また高くなると思いません?

で、もっと私が期待している状況ってのは、世の中ますます便利になるってこと。ますます手軽になるってこと。手軽さが当たり前になった人間って、敢えて困難に立ち向かおうとしなくなるって傾向。それが染みついた世の中で、一見するとハードルが高い集団指導ってのは、ますます精神的ニッチの追い風を受けられるって思いませんか?

「自分一人が勉強するのはできても、人前でそれを分かりやすく教えるのなんて無理だ。個別ならまだしも…。」って精神的障壁。「あ、それならパソコンに頼ればいっか、AIに頼ればいっか。それなら塾で独立できるっしょ♪」という手軽さに流れる風潮。

まさに集団指導は精神的ニッチ、精神を乗り越えられないのは人類普遍のテーマである!つまり、これは人類普遍のニッチなのだッ!

ダメなヒトダメなヒト

おいおい、何を熱くなっているんだね?大げさだよ、大げさ。極端な意見は時として無意味ですよ、キミ。

集団指導はイメージの追い風が吹いている!

FCオーナーのBさんの言葉、同業者でさえ「成績優秀者は集団指導塾に流れる。」と言うんです。おそらく、集団指導というイメージは成績優秀者、大手学習塾、大きな教室、優秀な講師、経験豊富な講師、そんなイメージと親和性が高いような気がします。

もちろん、私のような零細個人塾が大手学習塾とか大きな教室ってイメージの恩恵をもらえることってまずないですよ?でも、優秀な講師、経験豊富な講師ってイメージはもらえる可能性はあります。

「あそこの塾の先生、きっと力ある先生よね。だって集団塾の先生なんだから。」って。

これから先、保護者の中にも個別指導塾で育った人がたくさん出てきます。その中には、自分も個別指導塾でバイト経験がある保護者様だって出てきます。そういう保護者、知ってますよね?個別指導塾の実情。良い印象持っている方、どれくらいいますかね?(私も個別指導塾でバイトしたことありますけど、絶対子ども通わせないですよね。ま、もちろん、校舎によって変わると思いますけど…。)

一方で自分が通ってなかった集団指導塾のうわさも知ってるわけですよ。「ああ、そういえば、頭の良い奴らは集団指導塾に通ってたなぁ~」って。「自分は個別指導塾に通ってたけど、やっぱり、子どもにはしっかりした塾通って欲しい。ちゃんとプロの先生がいるところ通って欲しい。」なんて追い風を私は想像するんですけど。都合のいい夢想ですかね?都合のいい展開、夢見過ぎですかね?

人手不足の世の中、個人(キャラ)を売るのが大事な世の中、差別化が大事な世の中、そんな時代に一周回ってニッチな集団指導塾、悪くないと私は思うんですけどね~。