集団授業なめないでください。

このブログを読んで、今年度から「集団指導」に切り替えるなんて有難くも恐縮してしまうメールをいただいたので、少し集団指導について話したい思います。

とは言っても、塾講師が好きそうな「集団指導はこうあるべきだ。」論みたいなのではなく、具体的なテクニックを3つほど。

非常にライトな内容です。で、たぶん普通に集団指導している人なら「当ったり前だろぉ~、そんなの。今更、偉そうに何をのたまっていらっしゃるのか?」てことだと思いますけど…。

まあ、今まで個別指導しか経験してない先生も、今の時代、結構いらっしゃるかと思うんで…。

「静かにして。」は100万回言っても無駄。

まあ個別指導塾もけっこう騒がしいって話は聞きますけどね…。

ただ、集団指導がコントロール不能になったときの騒がしさと比べれば、全然でしょうけど。

集団指導で生徒が騒がしい、まあいわゆる学級崩壊的になったら、凄まじいですよ。

その騒がしさと言ったら、個別指導のかるく5倍は超えるんでは?

1対1のコミュニケーションの騒がしさが単純に10倍されるのと訳が違いますからね。

10人が集団になって好き勝手なエネルギー発したら、もはや伝説のクイーンのライブですよ。(すいません、映画見てないですし、クイーンそんなに知らないですけど。)一致団結して騒がしさの相乗効果を発揮します。

で、先生は言うわけですよ。

「はい、静かにしてー。」って。

もうね、無意味。優しい先生にこんなこと言われて静かになるんだったら、この集団はもともとクイーンの伝説のライブは開かない。

「はい、静かにして―。」って先生が言えば言うほど、その声に負けじと話し声大きくなっていきます。まさに火に油…。終いには先生の真似をし始める奴とか出てきて…。

先生「静かにしてー。」

生徒「静かにしてー。」

先生「静かにしてー。」

生徒「静かにしてー。」

先生「静かにしてー。」

生徒「静かにしてー。」

先生「静かにしてー。」

生徒「We will, we will rock you!」

先生「We will, we will rock you!」

って感じで、ま、最後は冗談ですけど…。もう優しい女の先生とかだと、泣きながらWe will, we will rock you!って心の中で叫んでるんじゃないでしょうか…。

静かにしてほしいなら、低い声で「うるせぇ~なぁ、テメェ~。」って一番うるさい奴の肩つかんで、目見ながら言えばいいんですよ。

で、それでも静かにならないんだったら、持っている教科書とかでソイツの机を思いっきり叩きまくるとか(そこは冷静に本人にあたらないように叩いてください)。机を破壊するが如く何度も叩くんですよね。

要は、「コイツ、ヤバい奴だ…。」って思わせないとダメですね。コイツ、いざとなると何するか分からんって切り札的なことができないと、ロック会場状態の集団を静かにすることなんてできないんじゃないでしょうか。

ま、こういう切り札的な行為ができる覚悟をもった講師なら、授業が崩壊するってことはそもそもないとは思いますけど…。(ま、こちらに切り札ないのが分かっちゃうと生徒たちは騒ぎますよね~。)

せめてマンガの寄生獣に出てくる田村玲子が、泣き止まない赤ちゃんに「黙れ」って言うシーンがあるんですけど、あのくらいで言える覚悟を持ちたいですよね。

(こういう話をすると、厳しいとか怒るってことに何か誇りを持って武勇伝的に感じちゃう人、結構いるんですけど。本来は怒らないで済むなら怒らないに越したことはないんです。理想は怒らないで済むような環境を作ることっていうか…。ま、私の塾は生徒がうるさくて怒ることはほとんどないです。生徒が授業中とか自習中にうるさくすることがほぼないので…。)

あえて制限時間を一回区切る。

斬る

「10分後に英単語テストやるから暗記して。20点未満は再テストで明日来てね。はい、暗記スタートッ!」ってやるじゃないですか。

で、「あと5分。」「あと3分。」「あと1分。」「あと30秒。」って残り時間を生徒に伝えていきますよね。

ま、もちろん、最初から一生懸命覚えてはくれるんですけど、やっぱり残り3分くらいからの様子は必死な訳ですよ。

「うぉぉぉー、覚えよう、覚えよう、覚えよう。」って。目を閉じて、一生懸命呪文を唱えるが如く口を動かしている生徒、紙が破れんばかりに英単語を練習する生徒。

あと30秒とか言えば、もう最後の最後、何か一個でも覚えようとして英単語を頭に叩き込んでいる様子がある訳です。最後の最後に火事場のクソ力を発揮してるって言うんですかね。

で、この火事場のクソ力、もったいなくありません?この火事場のクソ力で勉強してもらえれば、われわれ塾講師しては非常に助かる訳です。だって普通に勉強しているよりも、絶対に学習量増えるわけですから。

なので、私はあえて短い制限時間を設定して一回時間を区切ります。まず10分後って生徒に伝えて、10分経ったら「う~ん、もうちょっと時間必要かもな…。よし、あと3分あげよう。はい、スタートッ!」って感じで。

そうすると、火事場のクソ力を2回使ってもらえる。頭に叩き込んでくれる知識の量が増える訳ですよね。

この方法を毎回使ってると「どうせ、もう一回時間くれる。」ってなって、火事場のクソ力が出なくなるんで、3回に1回くらいの割合で使うようにしています。

あとは、ペナルティは必要だと。不合格でも何もなければ、やっぱりクソ力は発揮されませんから。

上の生徒に合わせる。

覚悟

ここは超大事。

単語テストにしても、ノートを書くスピードにしても、何か問題を解かせるにしても、時間は全部「上の生徒」に合わせる。

一斉に単語テストをやっても終わるスピードは生徒それぞれですよね。

これ、たとえば最後の生徒まで待ってると、一番最初に終わった生徒は、それこそ5分とか待たなきゃいけないこともあります。一番最初に終わるってことは、大概の場合、結構勉強ができる生徒なわけで、われわれ塾側にとっても良いお客様であることが多いわけです。

商売をやるうえで、良いお客様に不利益をもたらしていいはずがない。

良いお客様が売り上げを支えてくれるんです。広告塔になって、クチコミを発生させて、生徒を集めてくれる。最も満足してもらわないといけないお客様を大事にするのは商売としては当たり前。

こういう話をすると、「切り捨てだッ!現政権だッ!」とか言う人もいると思うんですけど…。いや、これは政治とか人権とかの話じゃないですからね…。商売の話、明日の自分の飯を食うための話、きれいごと言ってる場合じゃないんですよね。

「終わった人は、見直しして静かに待っててね。」なんて平気で言う先生いますよね?もちろん、見直しは大事だと思いますけど、せいぜい30問~50問の英単語テストとか漢字テストに5分も6分も見直し必要ですか?って話なんです。

一番最初にテストを終えた生徒ってのは、勉強だってやって来ているし、集中力もあるからテスト終えるのが早いわけで、1分もあればその程度の見直しはしっかりできるって…。

私的には生徒の立場で考えたら苦痛でしかないな…って。超しっかり暗記してきた英単語テストを速攻で終わらせて、見直しもして「はい、もうカンペキ。」ってなって…。そこから5分も待つの!?って。何のために?え、こいつら待つの?って。だって先生、こいつら全然勉強してきてないし、テストだってチンタラ受けてるし…。そんな奴らを待たなきゃならんの!?なんで?なんで?なんで?って…。

「うるさくしないで静かに待ってて!見直しもっとしっかりやりなさい!」いやいやいや、先生、そりゃ無理な話だって。先生、自分家の表札確認しますよね、で、自分の名字書いてありますよね。間違いないですよね?ぜ~ったい間違いないですよね?でもね、先生、それでも間違ってるかもしれなんで見直ししてください。で、先生、真面目に見直しできます?黙って表札を見直しすることが本当に正しいんですか?先生、答えてくださいよぉ~!

って状態。私的にはそんな馬鹿なって感じ。下の生徒に合わせるとそういうことになりますよ?で、下に合わせることが下の生徒にメリットがあるかって言ったら、ほぼないわけです。下の生徒はもともと甘えが強いんで、合わせてしまうと甘え続ける。自分を追い込まない。だから成長しない。

たとえば30問~50問程度の単語テストとか、一問一答式の問題だったら、私は一番最初に終わった生徒から1分しか待ちません。生徒の様子を見ていて、一番最初の生徒が「あ、こいつ解答欄埋まったな。」って確認したら「あと1分。」って言います。そうすれば、最初に終わった生徒も見直しまでは終わってないんで、残り1分で見直しできる。

100問程度のテストとか、単純な一問一答式ではないテストに関しては2分ですね。

板書に関してもガンガン消します。一番速い生徒から1分程度しか待ちません。入塾したての生徒とか、全然追いつかないことはしょっちゅうですよ。でもね、下の生徒を待ってて良いこと絶対ないですから。

やることなくなった生徒たち、何します?騒ぐでしょう?で、「静かにしてー。」って言うんですか?もうロックライブやってくださいって、講師自身がその状況を作り出してるんだって話。

「授業が早すぎて分からない。」って言われないんですか?って他の塾の先生に言われたこともありますけど。不思議と記憶にないんですよね。

というか、授業が早すぎて分からない。っていう生徒ってやっぱり下の生徒になる訳で、仮に授業を遅くしたって、たぶん言うわけですよ。「授業が早くて分からない。」って。結局、そういう生徒って分かろうとしてないんで、合わせて丁寧にやったところで分からんのです、悲しいけど。

でもね、私はそういう生徒を切り捨てるって考え方をしてるわけじゃないんです。まず、ノートを書くだけでも授業のスピードについて来れるようにする、そこが大事だと。

能力が低いのに、「理解」も「スピード」も両方求めるなんて虫のいい話なんです。だから、まず、上の子のスピードだけでも肌に覚えさせる。「うおっ、こいつらもうノート書き終わったのかよ!?やべっ、ぜんぜん追いついてねぇ!」って必死にさせるんです。で、それを一か月も続ければ、スピードだけなら大概の生徒が追いつくようになります。

これ、塾側が入塾段階で「うちはおいて行くようなことはしませんから。全員が分かるように丁寧にゆっくり解説しますから。」なんて耳障りの良いこと言ってたら、いつまで経っても成長しないんですよ。

「あぁ~今日はかったりぃ~。え?先生、待ってよ、俺、まだ書いてないし。ん?何?先生、何て言ったの?今、俺聞いてなかったからもう一回言ってよ。」って。そんな精神状況で、ソイツ成長することないでしょ?ま、これを許してて優しいも丁寧もあったもんじゃないとは思うんですけどね。

私の塾では入塾段階で、「今の〇〇君の力だと、授業の内容は全く分からないと思います。最初のうちはとにかく周りと同じペースでノートを取ることができればいいです。」ってはっきり伝えちゃいます。授業中は理解はそっちのけでいい、とりあえずスピードに慣れるだけ。で、うちは補習をガンガン入れるんで、理解とか知識的な上積みはそこでやって行くって感じで。

まあ私的に集団授業やってて感じるのは、まずスピードを強化しない限りは成績を上げるのは難しいのかなって。書くスピード、読むスピード、聞くスピード。こういうスピードってある程度のところまでは、生まれ持っての能力じゃなくって意識に関わる部分が多いと思います。だから、勉強のスピードが速くなると、不思議と勉強に対しての姿勢が良い方に変わる傾向があるんですよね。

長くなっちゃいましたけど、上の生徒に合わせるっていうのは、じつは下の生徒にもメリットが多いという話でした。


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