時は幕末、ペリーの黒船来航に心高ぶり小船で軍艦に乗り込んだ若者、さて誰でしょうか?

塾の先生方にする質問じゃないですね、すいません。

吉田松陰です。

で、何で吉田松陰を持ち出すかというのが、今回の記事の肝。

今、学習塾業界では「吉田松陰」の名前がいたるところに出没するという現象が起きています。

「松陰塾」という名前、見たことありませんか?

私の地域でもこの名前を掲げた学習塾ができました。

何か凄いですよね、このネーミング。勇気あるというか大胆というか…。

「諭吉塾」とか「「梅子塾」とか、歴史上の人物の名前って普通なかなか取れないですよね。恐れ多くて…。

ま、それはさておき、吉田松陰って商売的にはあんまり縁起が良くないような気も…。

だっていきなり軍艦乗り込んで幕府に捕まって、もう少しで処刑になるところを許されたのに、またお偉方の暗殺企んで疑われて、しまいには聞かれてもいないのに自分から暗殺計画暴露して処刑されるという…。過激な若者で早くに亡くなったんですよね。

まあ、「松陰塾」のネーミングは「他人の言うことなんて聞かないで自分のやりたいことを貫き通して死をもおそれず経営しろ!」って由来もあるんですかね?だったら、このFC的な経営スタイルは矛盾してる気がしますけど…。だっていきなり他人頼み(ショウイン式のシステム頼み)ですから。

細かいことにいちいちつっかかるのは、私の悪い癖です、すいません。あんまり言うのは辞めましょう、暗殺されても嫌なんで。(吉田松陰のファンの方、申し訳ございませんでした!)

さて、今日はこの「松陰塾」について少し見ていきたいと思います。まず「松陰塾」のホームページより、開業プランを拝借いたします、ご容赦を!

松陰式の開業・運転試算をMr.M的にチェック!

Aプラン Bプラン
初期費用 加盟金※1 200万 200万
学習システム導入費※2 200万 350万
広告宣伝パッケージ※3 80万 80万
月々の費用 ロイヤリティ 0円 0円
システム利用料※4 1〜30ID:1IDにつき2,000円/月 1年目:0円
31ID以降:1IDにつき500円/月 2年目:1万円/月
3年目:2万円/月
4年目以降:3万円/月
※31IDを超えた場合は、1IDにつき500円/月が追加になります。

※1 2校目以降を開講する場合、加盟金は免除となります。

※2 学習システム導入費とは、講師の雇用が不要になる、小中5教科12万問題の自立学習教材「showinシステム」の導入費です。自動正誤判定機能、ナビゲーション機能など、生徒自らが学習を進められる豊富な機能を搭載。塾長用の管理画面で生徒全員の進捗状況も確認できます。

※3 広告宣伝パッケージとは、生徒募集チラシ(11万枚)、リーフレット(5000枚)、ホームページ制作費などの広告宣伝ツールと、月謝自動口座振替システム、安心メールシステムなどのお客様サービスツールをパッケージにしたものです。

※4 システム利用料とは、ショウイン学習システムの利用料で、生徒ごとにIDが必要です。

否定ばっかりしてると怒られそうなんで、「ショウイン式」の魅力を最初に言っておきましょう。何と言ってもFCなのにロイヤリティが0円!これはお得です!だって、他の個別指導塾のFCなんかだとロイヤリティは大体月10万くらいかかりますから。

でも、ちょっとツッコミますよ。生徒30人までは1人につき2000円のIDシステム料がかかるんですよね。ということは、2,000円×30人=60,000円

ダメなヒトダメなヒト

あれ?

仮に50人集まったとしたら、31人~50人までは1人当たり500円のシステム料がかかるらしいので、2,000円×30人+500円×20人=70,000円

ダメなヒトダメなヒト

あれれ?ロイヤリティは0円でも、たいして安くないような…。というか、システム利用料がロイヤリティみたいな感じが…

そうなんですよね、これAタイプでいくと生徒50人の時点で、一般的な個別指導塾のFC加盟と3万円くらいしか変わらないんです。ま、月々3万円は大きい、って考え方もできますけど。(100名超えるくらいになると、もはやほぼイーブンです。)

で、Bタイプにすると月々のシステム料の部分は低く抑えられますけど、最初にAタイプよりも150万多く出ます。う~ん、最初にお得と言いましたけど、実はそんなにお得じゃないかも…。

ただ、私が一番お得だと思うのは”講師の雇用が不要になる”って部分です。もし仮に、本当にこのシステムが講師雇用と同じくらいの効果があるんだとしたらこれはお得です。私も買います。(自動正誤判定機能!ナビゲーション機能!まるで自動車ですね…。Hon〇aセンシング?)

だって、正社員講師を1人雇用するのに、年間200万じゃ絶対に無理。350万でも社会保険とか含めたら新卒採用とかじゃないと厳しいです。年間350万で実力ある講師の正社員雇用は無理。だから、このシステムが講師を雇うレベルの価値があるんだとしたら、2025年くらいまでに世の中は松陰塾だらけになってると思いますよ。

吉田松陰がいっぱい

ダメなヒトダメなヒト

うおぉぉぉ~、怖えぇぇぇぇ~

さて続いて広告宣伝パッケージについて。いいですね、ここまで詳しく書いてある会社、なかなかないです。チラシ部数まで書いてあるなんて良心的!こういうのを試算するのが大好きなMr.Mとしては、ヨダレもんです!

Mr.M的チラシ戦術だとラクスル印刷+ポスティング業者1枚当たり約6.3円(B4両面カラー)。よってチラシ11万枚だと6.3×110,000=693,000円。これにリーフレット、ホームページ、月謝振替システム、安心メールなどをつけると…、いや、これはMr.Mでもなかなか難しい金額だぞ!?って感じです。

だってホームページを自分で作ったって、サーバー代+有料wordpress用テーマで4万円くらいかかりますし、リーフレット5,000枚もどんな内容か分かりませんがおそらく2万くらいかかるんじゃないですかね。月謝振替システムと安心メールとか私は使ってないんで詳しくは分からないですけど…。

いや、ここの80万円は私的にはツッコミようがないです。ここは私が自分でやってもこのくらいは出ます。(それ以上かかる可能性も十分あります。)自分でやる手間とか考えたら全然OKですね。ショウイン式の広告宣伝パッケージ費用はGood評価です!

開業資金は結構高い!?

一番のツッコミどころは、加盟金+学習システム導入費ですよね。ハッキリ言いますが、ここは安くないですよ。以前の記事で詳しく書きましたが、私が調べたFC8社の加盟金などの平均が330万円くらいでした。松陰塾はAタイプでも400万円、Bタイプだと550万円ですから。

しかもこれは物件取得費(賃貸物件の契約費)、教室什器費、看板設置費などが入ってませんので、実際の開業資金はAタイプでも550万円、Bタイプだと700万円近く必要かもしれませんね。わりとかかるっていうのが現実だと思いますね。

で、この松陰塾のちょっと怖いところが、「日本政策金融公庫と連携してるんでお金借りる場合も任せてね。」って感じの部分。いやいやいや、そんなに簡単に金借りるの怖くないですか?(私はビビりなんで、この流れは超こわいです。)

以前にコンビニの開業資金と学習塾を比べましたが、やっぱり松陰塾もその例にもれません。「最初に結構お金をとって、あとはあんまり取らない方式」です。(コンビニは「最初はあんまり取らないけど、その後結構とっていきます方式」でしたね。)

そうすると私の中で蘇る言葉が、私が以前おススメした『小さな会社・儲けのルール』の著者、竹田陽一さんの「元締めが素人を〇△■×儲かる商売です。」って言葉。(〇△■×の部分は以前の記事をご覧ください。結構辛辣なのでここでは載せません…。)

松陰塾で成功するか、失敗するか?

ま、詳しく見ていくと金額的には結局、従来型のFCとそんなに変わらないのかな、って感じです。ロイヤリティ0円って部分は、結局システム利用料に置き換えると、ちょっと安いかな~?くらいなんで。

ま、人件費0円の部分ですよね、問題は。果たしてショウイン式が講師と同程度のパフォーマンスを見せるのかどうか。ここが実現できるのであれば、私の塾みたいにアナログ万歳的なゴリゴリの正統派は早いうちに潰れるでしょうね。

(ま、自立型学習塾のシステムは知り合いの塾長から聞いているので、それと同じようなものなら「いやいやいや、それじゃキツイでしょ…」って感じですが。実際、自立型学習塾から数人生徒流れてきてますし。でも、ショウイン式は違うのかな?)

結局、成功するかしないかはショウイン式を使うかどうかではないですね、たぶん。経営者の資質、意識、覚悟の違いです。なので、「ロイヤリティ0円、人件費0円で、しかもFCの研修付き、ナイス!」的な良いとこどりの他人任せ思想で開業するんであれば、成功は厳しいかもしれませんね。

「完全」個別指導がJAROにひっかからないかどうかの疑問

まあショウイン式もどうやらコスト的には他のFC塾と大差ないように思います。で、指導形式的には他の自立型学習塾と大差ないように思います。そこで、私の最後にして最大の疑問。

松陰塾が掲げている完全個別指導」って大丈夫なのか、JARO的に…。これ、誇大広告にならないかって部分…。

一般的な個別指導って、生徒:先生=1:1で教えるとか、生徒:先生=2:1で教えるとか、(ギリギリで3:1くらいまで?)のイメージじゃないですか?

これ個別指導って言います?下の写真をご覧あれ!

松陰塾
”松陰塾公式ホームページより。”

お客様に「これのどこが個別指導なんですか?」って聞かれたら、なんて答えるんですかね…。正直、これはうちの塾で言うところの自習監督とほぼ一緒です。違いは机の上にパソコンがあるか、山盛りの課題プリントがおいてあるかだけ。(ま、そのパソコンのシステムが波動砲クラスで超強力なんでしょうが…。)

う~ん、これを個別指導と言ってしまうんですか?どう見ても自習監督じゃないですかね…。ま、お客様が納得するんであればOKなのかもしれませんけど…。

多くの自立型個別指導塾がたぶんこの形式なんです。だから、今の流行りの中で、いちおうこれを自立型個別指導と名乗るのは許されてる部分はある気がするんです。しかし、松陰塾は「完全個別指導」と謳っている、ここが怖い。とても怖い。「完全」って言葉自体、誇大広告的に危ういワードです。しかも実態が上の写真…。

色々ツッコんできましたけど、この松陰塾のFC加盟する人はコスト云々よりも、上の写真を見たお客様が「これのどこが完全個別なんですか?」ってツッコんできますので、それに対して毅然と己の信念(会社の信念)を主張できるかどうかをよく考えてみてください。私はそこがかなり大きなポイントだと思います。

ま、私みたいな小者があれこれ言いましたけど、これだけ世の中に松陰塾が増えてるんです。良い部分がたくさんなければ、増えませんよね。それは経済の大原則です。検討する人はどうかMr.Mの意見は参考の一部分にとどめて自分でたくさん調べてください。私は基本、フランチャイズに否定的(というか人生かけた起業に際して他人頼みをする人には否定的)な思考の持ち主なので、どうしても偏りに偏りまくってる意見だと思いますので…。