客が客を呼ぶ業界

どんな業界でも口コミっていうのは非常に大切だと思うんです。私だって、うどん屋一つ行くのにグーグルマップの口コミ見たりしますしね。

そういう面では個人塾なんて集客の柱は間違いなく口コミですよね。(個人塾で集客の柱がチラシとかホームページなんてところほとんどないでしょう?もしあったとしたら、チラシをバンバンうてる相当の資産家か、ホームページの構築を1から自分でできるような相当パソコンに詳しい人ですよね。でも、そんな人は個人塾経営なんてしないと思うんですが…)

だから個人塾の経営者は口コミを発生させるために東奔西走するんですけど(もちろん、私もそうですよ。)、案外「悪コミ(悪い口コミ)」に関しては意識が薄い。と、私が思うのも生徒の成績に関して結構鈍感な塾が多いと思うからです。

生徒の成績が上がらなければ、それはもう悪コミ広がってもしょうがない。(私の塾だって9割の生徒の成績上げてても、上がっていない残り1割は言いますからね。「あそこは成績上がらない」って。)蜂蜜レベルで甘い方針を立てている学習塾だって危険ですよね。「あそこの塾はうるさい。」とか平気で聞くことありますから。(そういう噂を聞く塾は、地域にそこそこの数あります。)

今回は「口コミをどうやって発生させるか」ではなく、「悪い口コミ(=悪コミ)をどうやって防ぐか」について考えていきます。(と偉そうに言いつつ、私はグーグルマップに謂れのない悪コミを書かれるという恐怖体験をしたことがあります。何とか削除要請が成功したんで良かったですけど…)

悪い口コミを防ぐために

①成績を上げる

元も子もない話ですけど、「成績を上げる」これが一番だと思います。だってメチャクチャ美味いラーメン屋さんだったら多少汚くても、接客がマズくても、価格が高くても許されている部分があると思うんですよね。(もちろん、良い店は店内の清掃にも接客にもこだわっていると思いますので、美味ければいいってことはないですけど。)

学習塾を通わせるもっとも根本的なニーズである「成績が上がる」ってところを抑えていれば、他はある程度足りなくても、悪コミが防げる部分は大きいのではないでしょうか?

②生徒募集を妨げる生徒を断る

売れている個人塾の先生とお話させていただいた記事は以前に書きました。

この経営者の方からはホントにたくさんアドバイスをいただいたんですが、その中の一つに「悪い生徒をはっきり断る」ということがありました。まあ、悪い生徒っていうのは言葉を変えれば他の生徒に悪い影響を及ぼす生徒です。

私の塾で言えば「勉強のやる気がない。」「直ぐ休む。」「遅刻が多い。」そんなところですかね。授業中に騒ぐとか、授業中にスマホをいじるとか、そういうレベルの生徒はさすがにいないので…。

集団授業を行っている以上、その学年ごとのチームとしての意識とか行動はメチャクチャ大事です。やっぱり高い基準でまとまっている学年・クラスは成績も伸びますし、生徒も増えます。一方、チームワークがないというか、個々人がバラバラで盛り上がりにかける学年は伸びませんね、成績も生徒数も。

で、こういう伸びない学年を振り返ってみると「悪い生徒」が必ずいるんです。で、その「悪い生徒」が集団の基準をどんどん低くしていくんです。

例えば、普通に「塾に行くのが面倒くさい」レベルで欠席電話入れてくるわけです。親も大体甘いんで、親公認の欠席電話です。で、その生徒は塾を休んでいる間にLINEで「今日、俺塾欠席!」とか訳の分からない無意味な情報を塾のグループとかに流すんですよ。これって、我々にとってはぜんぜん無意味じゃない。だって真面目に塾に来ている生徒のモチベーション超下がりますよ?これ許してると「ああ、この塾休んでもいいんだ。」って普通になります。

実は私の塾も2年前に受験生でこういう現象が起きてしまいました。どうしても生徒数を伸ばしたい時期で「なんとしてでも目の前の1を確保!」みたいな強迫観念に私自身が縛られていたんですね。欠席・遅刻が多い生徒には一応注意はするけど、それどまり。退塾はさせなかった。で、結果は…。

その生徒含め、1か月間に芋づる式で4名退塾。1学年20名未満の塾でこの数はすごいですよね。

この年は本当にその生徒を許したばかりに基準が甘くなって、生徒の集中力も本当に低かったんです。進学実績も生徒数が10名未満の開業期を抜かすと圧倒的に低かったんですよね。

アドバイスをくれた塾長は、こういう他の生徒に悪影響を与える生徒は断固退塾させるとのことです。私も現在は本当に身に染みてますので、「こいつはヤバいな。」と感じる生徒は辞めてもらいます。その塾長もおっしゃっていましたけど、そういう生徒がいなくなると集団の雰囲気が変わるんですよね。「締まる」というか、一つの方向に向かうというか。何より自分自身が精神的に元気になりますし…。

開業期の生徒数10名未満のときは、さすがにどんな生徒でも相手にしなければいけないと思いますけど、生徒数が30名を超えるあたりからは「断るお客様」の基準を持っていた方がいいかもしれません。

たまにこういう話をすると、「誰でも受け入れるのが良心的な学習塾だろう?」という大層立派なことをおっしゃる方がいますけど、本当にそれって良心的ですか?だって普通に考えてレストランだってお客様選ぶでしょ?メチャクチャ汚い服着て、メチャクチャ匂って、メチャクチャうるさい客来たら入店断るでしょ?「そういう客も受け入れないと…」なんて言ってるレストランにあなた自身行きますか?「すげぇ迷惑なお客さんでも受け入れて、良心的なレストランだなぁ。」って思いますか?

私は絶対思いませんけどね。むしろいい加減な経営してるレストランだなって思いますよ。店の雰囲気とかポリシーとか大事にしないレストランなんだなって思います。そして知り合いとかに「こういう客来ても全然注意とかしないんだぜ、あのレストラン。行かない方がいいよ。」って言うかもしれませんね。

目の前の1より、半年後の5を見れるか?

話を伺った塾長が言っていたのが、結局「悪いお客様」は学校でも有名で「あの子が行ってるからあの塾は行かない。」っていうことになる可能性があるとのこと。逆にそういう子を辞めさせれば「あの子が辞めさせられるんだから、やっぱりあの塾はまともな塾だ。」ということになる。

つまり目の前の1に目が眩んで、自分自身の価値基準やプライドを譲ってしまうのか?それとも自分の仕事に自信をもって半年後の5を見るのか?ということだと思うんです。今、1人の悪い生徒を辞めさせることで、半年後に5名の良い生徒がやってきてくれる。その5名が成績を上げ、良い噂を広め、紹介を呼び、別の10名を引き連れてくる。そういう先を信じての仕事をできるか、ということだと思うんです。

まあ私は今でも目の前の1に目が眩みそうになることはあります。その度に「この生徒を辞めさせることで後に5名の生徒が入ってくれる。」と自分に言い聞かせ、退塾勧告を出しています(今年は2名)。退塾勧告を出そうかどうか迷ってる生徒ですから、このまま自分の塾に通ってくれたって成績を伸ばすのはほぼ無理なんですよね。それが分かっていながら、何も言わずに通ってもらい続けるって言うのも、なんかお客様騙してる気がしないわけでもないですし…。

「退塾させる」って結構勇気必要ですよね。確実に目の前の売上は減る訳ですし、「退塾してください」っていう言葉自体が、生徒や保護者を傷つける可能性もある訳ですし…。でも、誠意ある仕事をするなら私は切り札として必要なことだと思います。真摯に生徒の成績UPを追究するなら、時にはそれを妨げるものは取り除く必要があるんです。「生徒の成績を上げること」と「悪い生徒を辞めさせること」は密接に結びついていると私は思います。


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