なぜ「三者」面談をするのだろうか?

私も大手学習塾に勤めているときには年に一回、必ず担当の全生徒と保護者で三者面談をやっていました。

正直、面倒でした。にもかかわらず、三者面談をやって「良かった」という記憶がほとんどないんです。

親と保護者が一緒になって、生徒に良き将来を懇々と語るためにやるんですかね?

それとも親の前で先生と子供の信頼関係を見せつけるためですか?

生徒の本音を親の前で引き出して志望校を決めるためですか?

まあ大手にいた頃は、「親の前で本人にyes言わせれば、親はそれを断れない。」的なことを教えられていました。つまり三者面談は商品の売り込みの場だったわけです。

だから三者面談で言うわけですよ、「〇〇君は、合宿行きたいんだよな?」とか「〇〇さんは、高校生になっても塾に通いたいんだよな?」とか。「お母さま、〇〇君はこう言ってるんですけど、いかがですか?」みたいな…

お客様からのyesが出やすい機会を作り売り上げを伸ばす。まあ目的が明確って言えば明確ですよね。目的が明確にあるなら、それぞれの塾で方針はあるでしょうから何も言うことはないんですけどね。

(ただね、そんなんで売り込まれて商品買いますかって話はあります。だって美容院に行ってシャンプーとかトリーメントとか勧められて買ったことありますか?少なくとも私はないですけどね…。)

でも個人塾が行う三者面談って、そんな明確な目的ありますか?話聞いてると「まあ普通受験前にはやらないと」とか「他もやってるから」とか、そんな程度だったり…

やっつけ仕事だったらやらない方がいいと思うんです、それは三者面談に限らないですけど。

三者面談のデメリットを考える

本音は聞き出せない。

思春期の男の子が親の前で素直に自分の気持ち話しますか?三者面談やっても生徒はだんまりってパターン多くないですか?

それこそ、親抜きで話をした方が本音を話してくれるケースが多い気がするんです。

「どうなの?」「どうしたいの?」「何か言いなさい。」って塾講師と親が2人して、貝のように口をつぐんだ少年、少女を問い詰める重い空気…

意味ありますか?

予定が合わない。

今の保護者は忙しいです。両親とも働いているのは普通です。また、一人で子供を育てている保護者も多いです。

保護者面談でさえ、予定をとってもらうのが大変なんです。

そこに子供の都合まで加われば、当然予定を合わす難易度は高まります。

せっかく決まった面談日程が、「急に都合が入って」とか「子供が体調を崩して」とか、キャンセルが出れば振替の日程調整でさらに難航。あなたの休みが潰れていく…

☞「休めない。」業界の常識

親子喧嘩が始まる。

本音は聞き出せないって言うのとつながりますけど、しまいには親子喧嘩が始まります。

まあ、親子喧嘩の仲裁を我々がして親子間でたまっているお互いのストレスを発散させるっていうのが目的だったら、大いに喧嘩を誘発してもいいと思いますけど。

ただ親子喧嘩の仲裁って結構スキル必要だと思いますし、親子双方に対してそれなりの信頼関係がないとできないことだと思うんですよね。

でも、信頼関係あるならわざわざ三者面談をやること自体必要ないんでは?とも思うんですけどね。

お客様が満足する面談を

私はただ一つ、保護者にファンになってもらう。それが目的だと思っています。

学習塾のサービスは、普段はお金を支払う保護者には見えません。面談は一年のうち数回だけ保護者が我々のサービスに直接ふれることができる貴重な機会。

そう、面談はサービスです。面談も商品です。「ああ、やっぱりこの塾は良い塾だ。」そう思ってもらう場です。だから授業同様に一つ一つの面談は入念に準備しなければいけません。

授業の報告や進路の相談は前提です。そういう前提を超えるサービスを面談でも考えなければいけません。保護者が聞きたいことを考えつくす、保護者が喜ぶことを考えつくす、お話好きな保護者なら思う存分話を聞く、その1回の面談にお客様が満足してくれるように心を尽くす。ファンになってもらうにはそのくらいは必要です。

授業で知識を教えるのは前提ですよね?でも知識を教えるっていう前提だけではダメじゃないですか。面白くするためにネタを仕込んだり、プレゼンテーションの仕方を考えたり、エンターテイナーになったり。考えますよね。

面談も同じです。+αがないといけません。別の記事でパーソナルブランディングのことについて書きました。パーソナルブランディングで自分自身のファンになってもらう。それが面談の目的。

☞個人塾こそパーソナルブランディングが必要。

面談こそ保護者に対して自分を売る絶好の場です。「この人は信頼できる」「この人は面白い」「この人はさすが」自分を売ることで塾の評価を上げるんです。「この人は良い人だ」=「この塾は良い塾だ。」個人塾はそういうものです。

こういう話をすると「塾講師がそこまでやる必要なないだろう。」何ていうことを言う人います。「塾講師は勉強と受験の専門家なんだから、そういう顧客満足なんて考えなくてもいい。」なんて…

そんな考え方だと潰れますよ。「勉強と受験の専門家」なんて前提なんです。美容師が当たり前のように髪を切るのが上手なように、学習塾講師なら勉強と受験について詳しいことなんて当たり前なんです。当たり前のことを面談でやっててもしょうがない。

+α満足をしてもらう面談。パーソナルブランディングを発揮して「ああ、この人と話して本当に良かったな。」と保護者に思われる面談をすべきだと私は思います。「三者」面談である必要はないんです。むしろ「三者」だと自分が意図する目的の妨げになる。だから私は三者面談はしません。

面談で自分が伝えたいこと、伝えなければいけないことはたくさんあるでしょう。でも、忙しい中お客様は時間を割いて面談に来てくれるんです。お客様にとって満足できる面談とは何か、そこを徹底して考えることで、塾長自身が信頼され、それがイコール学習塾の評判になるんだと私は思います。