個別指導と集団指導の原理的構造

赤丸があなた(経営者)

青丸が講師・スタッフ

緑●が生徒

個別指導の構造イメージ

 

集団指導イメージ

非常におおざっぱな図ですが、私がイメージしている個別指導と集団指導のイメージです。

生徒9人(緑●9個)の場合の図ですね。

私は自分の仕事を考えるとき、私(赤丸)からのびる赤ラインの本数を意識しています。

この赤ラインの本数が少なくなればなるほど自分の時間が持てる。(=労働時間を短くできる、休みがとれる。)

効率の良い経営、時間の余裕を持てる経営をめざしたとき、当然私の場合は集団指導を選択することになります。

私のイメージだと個別指導の場合、緑●が増えれば増えるほど赤ラインが増えます。

Mr.MMr.M

これじゃ~いつまで経っても楽にならねぇ。

一方集団指導の場合は、たとえ緑●が増えても赤ラインが増えない可能性があります。

ここが大事。

自分の時間を確保するため、赤ラインを増やさないように仕事を意識するんです。

つまり、青ライン(講師・スタッフと生徒をつなぐ線)を増やすよう仕事をするんです。

青ラインを増やす、つまり講師・スタッフの力をつけることに自分の力を使う。

☞スタッフのモチベーション

そうすることで自分の時間が確保される。

そういうことが可能なのが、原理的に集団指導だと考えています。

 

個別指導という経営

私が考えるメリット

・プレゼン能力がなくても指導できる(つまり研修が楽)

・学生でもできるので授業を自分で持たなくてよい

・「生徒一人ひとりに合わせて」という名目に弱いお客様は確かにいる

・幅広いニーズに対応できる(と見せかけることができる)

Mr.MMr.M

本当はできないケースの方が多いですよ~
うちの卒業生が近所の個別に行ってよく辞めて来ます。

「だってあそこの個別指導塾の先生、俺の質問だれも答えられないんだもん。俺より頭悪い。だったらここで自習してた方が全然いい。」とのこと。

仕方ないですよ。まともに大学受験を教えることできる大学生なんてほとんどいないですから。

中学受験にしたって、個別指導塾のノウハウじゃたぶんキツイですよ。

まあ、誰でも受かる大学、私立中学校しか受けさせないって話なら別ですけどね。

私が考えるデメリット

・人繰りがめんどくさい(とにかく講師が見つからない。講師がすぐ辞める。)

・指導技術の蓄積がほとんどない。(学生講師はすぐ辞めるわけですから。)

・生徒の成績が伸びない。(大学生がなかなか生徒叱れないですよ。叱れなければ生徒は勉強しませんよ。)

・クレームが多い。(そりゃあ成績伸びなければクレーム来ますよ。当たり前。)

・生徒間のチーム意識が乏しい。(分かりにくいかもしれませんが、これは結構でかいですよ、経営に及ぼす影響が。)

・チーム意識がとぼしければ紹介の火種がなかなか回らない。

・いい生徒が集まらない。(個別じゃなければダメだって生徒ですからね。)

・組織としての経営者としての成長があまりない(ように私は感じる。)

→今現在人手が足りなくて、毎日講師に穴埋めの要請メール出して断られて自分が泣く泣く入って、それでも穴埋められなくて生徒に授業の日時変更してもらってそれが重なって退塾されて、なけなしの資金使って講師募集かけて、それでも全然入って来なくて仕方なくまた自分が授業は入って、終いには奥さんにまで入ってもらって…。で、3年後、同じこと繰り返してる。

・誰かに頼らないと、誰かにそばにいてもらわないと何もできない生徒を原理的に作るシステム。

→いつまでたっても誰かが必要な生徒たち。つまり自習させて成績を伸ばすということが難しい。

・スタッフがいくら成長しても限定的な管理能力にとどまる。

→原理的に3人程度の生徒の面倒しか見させないので、それ以上の集団管理能力が成長しない。教室全体の管理をいつまでたっても任せられないので、結局自分が何でもやらなきゃいけないまま。

・人件費が高い。(実は私はここはそんなにデメリットでもないと考えてますけど…。私が考える集団指導もそれなりに人件費かかりますし…。)

・授業を組むのが大変。

→生徒の希望、講師の希望をすり合わせて、さらに人件費節約のために1対2とか、1対3とかにこだわって…まぁそれは大変です。管理人も大手学習塾に勤務時、個別指導責任者としてこの作業には涙しました…。

 

集団指導という経営

私が考えるメリット

・生徒のチーム作りができる。

→チームとしての盛り上がりができれば、紹介の火種がまわります。また、「成績を上げるんだ。」という認識が共有できれば、成績も上がりやすい傾向があります。

・良い生徒が集まりやすい。

→成績を上げることにこだわっていけば、そのうち成績が上がりやすい生徒が集まりやすくなります。「厳しいけど成績が上がる塾」として紹介が回っていくわけです。だから「成績を上げたい。」と考えるしっかりした生徒が集まってきます。

・スタッフ管理が楽。

→はじめのうちはあなた一人で指導するわけですから、スタッフ管理の必要はありません。スタッフを雇ったとしても個別指導よりは格段に少ないスタッフで済みますので、スタッフ管理は本当に楽だと思います。

・授業を組む手間がかからない。

→普通1年間、授業曜日は変わらないですから。こっちが組んである授業日時に生徒が合わせる訳ですから個別指導と比べれば格段に楽ですよね。

・生徒が成長する。(つまり、徐々に労力を使わなくて済むようになります。)

→集団指導で成績を上げるためには、基本的に自習ができる生徒をつくらないとダメです。自分が授業をやっている隣の部屋で、生徒が自習をしているスタイルを確立するひつようがあります。ということは生徒の成長を原理的に必要とする形態なんです。最終的には自分の労力をほとんど使わなくても、生徒が勝手に自習して成績を上げてくれるという形も見えてきます。

・スタッフが成長する。

→集団指導ですからスタッフは原理的に集団管理を要求されます。スタッフが10人、20人の生徒を管理することができれば、塾長の労力はずいぶん軽減されるでしょう。力がついたスタッフを作り出せば、その下のスタッフの研修や管理も任せられますので、ますます経営者の自由な時間は増えるでしょう。

・技術や知識の蓄積がある。

→一人塾長の場合は当たり前ですね。自分が勉強をすればするほど、受験指導を経験すればするほど、技術や知識は蓄積していきます。学習指導だけでなく、チラシ作成、電話対応、事務作業、その他もろもろ自分の成長全てが、直接塾の成長に結びつきます。サービスの向上につながりますから、経験を積めば積むほどお客様を集める力がついてくるでしょう。

・クレームが年々少なくなっていく。

→成績を上げるために一生懸命にやっていけば、いずれクレームは少なくなります。技術や知識が蓄積され、サービスが向上していくわけですから。また、一人で指導している場合、クレームは指導しているあなた自身に向けられたものです。真摯に受け止め改善するでしょう。個別指導の場合、クレームが学生講師に向けられたものである場合が多いと思います。自分のことではないし、学生に辞められたら困るといって、下手すれば改善しないかもしれません。それではいつまでたってもあなたはクレーム処理係からぬけられません。

・人件費が安い?(私は違うと思いますが。)

→塾長一人でやっているうちは人件費はもちろん安いです。というか0です。ただし、人を1人雇うとそれは変わります。「何人もアルバイトを雇う個別指導よりは、1人くらい雇ったって安いだろう?」と思われるかもしれませんが、それなりの指導力を持った講師を雇うとなれば話は別です。ちなみに私は現在6名の学生アルバイトを雇っていますが、彼ら6人よりも1人の正社員講師の給料の方が圧倒的に高いです。私が考える普通の生活を送るための「集団指導」は、生徒の成績UPは絶対必要な前提条件となりますので、正社員講師にはそれなりに払わないといけません。ですから「人件費がやすい」というのは、塾が成長していくある一定の期間まで、と考えましょう。

私が考えるデメリット

・力をつけるための研修、研究、経験に時間がかかる。

→そりゃあ集団の前で話すだけでも普通は緊張しますよね。1対1のコミュニケーションとはわけが違うんです。面白おかしく、それでいて分かりやすく集団に物事を伝える。そして集団規律が崩壊しないように管理する、掌握する。一朝一夕ではできません。最初はへたくそで当たり前。まともな集団指導ができるようになるまで、最低1年は修行の期間だと思って頑張るしかありません。

・授業に対しての精神的負担が個別指導の比ではない。

→まず普通に緊張します。慣れないうちは、授業中自分が何を言ってるのか分からなくなるなんて、しょっちゅうかもしれません。笑いを狙って滑ることなんて毎日です。そのたびに脇汗がハンパなく出るでしょう。「あいつの授業マジつまんない。」中学生なんて当たり前のように言います。授業中、眠そうな顔で後ろの時計を生徒がちょくちょく確認するわけです。「あぁ、あと何分で授業終わるんだろう」って…。一人だったら「お前、しっかり集中しろよ。」って言えますけど、そりゃあもう生徒全員がそうな訳で…。自分の授業クソつまらないんだろうなって痛感させられます。想像するだけでも怖いですよね。

でもね、ここは集団指導をしていく上で全員が通る道です。私のような凡人はここを通らないと「普通の生活」は無理です。そんな負担に俺は耐えられない、だから個別指導にする、その選択をした瞬間に凡人の我々には普通の生活は訪れないでしょう。講師の確保、講師の割り振り、クレーム処理、授業の組み立て、営業活動、などなど。経営者として管理者として要求される項目、要求されるレベルは高いんです。でも、集団指導なら「授業スキル」「成績を上げるスキル」ここだけでいいんです。最初の壁は高いですけど、それを超えれば個別指導とは比べようもないほどシンプルな経営が待っているんです。普通の生活をてにいれるためにこのデメリットは何とか受け入れてほしいんです。

・人を雇えば人件費が高い。

→上のデメリットを克服している、もしくは克服できる人材を雇うわけですからね。先ほども言いましたけど、それなりに報酬は払わないといけませんよね…。学生アルバイトじゃなかなかできませんし。

・いろんなニーズにこたえられない。

→生徒の成績を上げる、という前提に立てば指導の範囲は絞らなければいけません。私は「公立高校受験」にしぼることをおすすめします。詳細は別のページで。  ☞ 「集団授業」一本で

いろんなニーズにこたえられないので開業当時は生徒集めに困るでしょう。

「そちらは個別指導はやってないんですか?」「中学受験はやってないんですか?」「大学受験はやってないんですか?」

喉から手が出るほど生徒がほしい時期、「いえ、特別に見させてもらいます!」と言いたくなる誘惑、負けそうになります。

でもね、中途半端に展開した商品は必ず淘汰されますよ。場合によっては訳の分からない何でも屋とみなされて、地域であなたの地位を確立する邪魔になるかもしれません。


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